- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794208767
作品紹介・あらすじ
どの動物も、性のあり方がその社会のあり方を決定づけている。ゴリラはハーレムを作り、水鳥の多くは夫婦で子育てをする。ではヒトは-?ヒトは隠れてセックスをし、セックスそのものを楽しむ。ヒトの性は動物と比べればあまりにも奇妙に見える。この奇妙な性のあり方が、人間らしい社会を形作ってきたのではないだろうか。ヒトの性はどのように進化してきたのか、第一人者が挑むセックスの進化論。
感想・レビュー・書評
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決してタイトルに惹かれただけで手にしたわけではない。
先日読み終えた本にちょっと出てきていたので、興味があって手にしてみた。
手にして知ったのだが著者があの『銃と病原菌と鋼鉄』の著者シャレド・ダイアモンドだってことに驚いた。どうりで本の体裁に反して内容が検証を重ねた学術書の体裁を備えている。
草思社らしくないカラフルさもいい。
兎に角、タイトルに騙されたとして手に取っても、読んでみることをお勧めする。
ちょっと学者然とした豊富な例証とサイエンスライターとしての巧みな比喩をふんだんに使用した文章なので口説く感じるかもしれないがそれを言葉を超えて絵に描ければ、きっと読んでよかったと思うこと請け合いだ。
特にこの本で取り上げている幾つかのヒトにとって当たり前で見逃してしまっている(学校の教科書では取り上げにくい)が、学者としてクローズアップしてその不思議さに分析を加える部分、『女性の排卵の隠蔽とヒト社会の一夫一妻性の関係』、『男がなぜ授乳しないのか?』というテーマの章は分厚い解説が読み応えがある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015.6.122015.6.13
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煽情的なタイトルではあるが、内容は進化心理学からの”性淘汰”について、いろいろな視点から考察してある。
既に同様の本を読んでいたので、内容的には被る部分があったのだが、”閉経”についての考察は実に興味深く読めた。
そのただ一つの事からだけでも、これだけの研究・推察がなされて、様々な学説が展開されていく過程が面白い。 -
他の生物と比較すると奇妙に見えるヒトの性に関する特徴を、進化の過程を考えながら考察する本。
ヒトの排卵時期はなぜわからないのか、ヒトはなぜ閉経するのか、という点が特に興味深い。 -
文庫化:人間の性はなぜ奇妙に進化したのか(草思社文庫)
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セックスにおける人間とその他の哺乳類との違いを考察している。ほぼ人間だけが、生殖とは無関係にセックスをする。また閉経も人類特有の現象とのこと。さらに人間だけが隠れてセックスをする。この奇妙な性活動が人間社会を作ってきたする発想がぶっ飛んでいる。
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人間の性はなぜ奇妙に進化したのか?
を読んでいたので、あまり新しい事柄が出てきたようには思いませんでしたが、忘れていたこともあったので楽しく読めました。
ヒトの性には動物的な部分が数多く残されており、それが脳を肥大化させた人間の理性だけでどうこうできるものでない、と思うと男女の色恋沙汰にもちょっと距離をとってみることができるような気がしました。(そうなれるように願っている。)
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ジャレド・ダイアモンドの本はいつでも興味深い。今回は、人間のセックスはなぜこんなにも奇妙なのか、という問いを投げかけ、私を仰天させた。男と女の役割とセックスのあり方に、実は人類の進化の秘密が隠されていたのだ。
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「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」のハードカバーの同じ本のようです