内容はある意味思った通りだったし、ちょっと違ってたりもしました。
多分交渉術の本だと思ってたんですが、前半は心理的な要素が結構大きくて、どういう人が「嫌なものを嫌」と言えないのかというのが解説されてました。
それを見ると正に私そのものでした。
自分に自信がなくて、いつも自分をせきたてたり、批判する人。
何故そうなるかというと、大体そういう人は子供の頃、周りから置き去りにされたり、無視されるといった精神的虐待や肉体的虐待を受けた人だそうです。
子供の頃に受けた傷というのは後々までずっと影響を与えるんですね。
ただ、この自分をせきたてたり、批評するのが全て悪いというわけではありません。
こう書いてました。
『心の中に良き批評家をもつ者は外部に敵を必要としない。なぜなら自分自身をこれほどまで徹底的にこきおろしてくれるのは、自分以外に誰もいないからである』
これはなるほど~と思いました。
そういう「嫌なことを嫌」と言えない人にはむしろ「許し」が有効なようです。
●喜怒哀楽の感情をあらわにするのは大いに結構。人の感情に正しいも間違いもない。自分が感じたことそのものがあるだけだ。人に自分の感情をぶちまけるのは大いにけっこう。
●嫌なものははっきりノーと言おう。人の頼みも断ろう。他人の問題に自分も責任があるなんて思う必要はない。
●自己主張、大いにけっこう。自己主張しないのも大いにけっこう。困難な状況は避けてイージーな道を選ぶのもかまわない。
他にもありましたが、大体こういった感じ。
そして実行例としては、とにかく感情をはさまずに単刀直入に目的だけを頑固に言い続けるのがいいとありました。
それに関しては人と場合によってはかなり難しい・・・というか出来ないと思います。
例えば自分がパートの立場で、いきなり正社員の役職の人に「こうして欲しい」と言うのは難しいと私は思う。
それをこの本に書いてあるように強固に続けるなら、「じゃあ、辞めて下さい」となるでしょう
その辺はこの作者が欧米人なので、こちらの風土とは合わない部分もあるように思いました。
この本を一冊読んでの感想は、やはり自分を誰よりも大切にしよう、優しくしようと思ったということです。