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- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794211132
感想・レビュー・書評
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2001年度のノーベル文学賞受賞作家の1957年のデビュー作。V.S.ナイポール選集の1として2002年に翻訳発行。
英領トリニダードって、どこ…?カリブ海にある小さな島だそうで。
インド系移民3代目の作者は1932年生まれ。オックスフォード留学、BBC勤務。
迷信もはびこる島国で、指圧師は勝手に名乗るためにやたらに多かったという。
辺鄙な村で、いつか本を書くと言って本を買い溜めて暮らしている青年ガネーシュ・ラムシュマイア。
ついに本を出すが全く売れず、妻のリーラにも愛想を尽かされそうになる。
なぜかあるとき急に指圧師として成功する、といっても指で揉むわけではなく、精神療法とでも言うのか…治療家として開花したのだ。
義父ラムローガンは財産家で商売上手、若い頃には目を掛けてくれた人だが、持参金で揉め、タクシー料金の独占つり上げを許せずにガネーシュが買い上げて恨まれるなど、波乱が。
しだいに地域で重きをなし、議員となり、ついにはMBEという爵位(勲爵士)まで受ける…?
あくの強い登場人物達のおかしさ、転がる人生の妙味。
トリニダード・トバゴという国の特殊性、19世紀半ばから1976年に独立するまでは英国領だったために英語は通じるが現地化した独特な言葉になっている。それを生かした語り口で高く評価されたそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示