文庫 古希のリアル (草思社文庫 せ 1-7)

著者 :
  • 草思社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794223180

作品紹介・あらすじ

「老後」なんてものはない、という気がする。というか、「老後」などどうでもいい。
六十歳から七十四歳までの十五年間は「黄金の十五年」だの、「老後の豊かな暮らし」だの、「老後の性をどうするか」だのといった一々がやかましい。何歳になろうと、あるのは、人それぞれの一日一日の生活だけである。
わたしにとって今日という日は、「老後」の一日でも、「じじい」の一日でもなく、あくまでも「わたし」の一日である。(本文より)

人生に後悔はあって当たり前、楽しまないと損だなんて思わない――。
「自分なりの日々」を生きる70歳が、何をしてもいい(しなくてもいい)日々をユーモラスに綴る。
人気の「定年後シリーズ」がついに「古希」の世界に突入。


第一章 古来希れだが、いまではふつう

「アラコキ」はなくて幸い
六十、七十は鼻たれ小僧といわれても
「手ぶら人生」という考えはいいのだが
古希に乾杯、のいい加減
みんなの「古希」
高木護という希有な人

第二章 もう「老後」がやかましい

老後、老後、老後
老人はただの金ヅル
麻生太郎の憂鬱
わたしは統計ではない
『養生訓』なんか読んでしまった
「勝手にさあ、元気なんだから」
人生一〇〇年より、平和一〇〇年

第三章 楽しまなきゃ損かね

どんな「外」を見るのか
タモリを知らない人が新鮮だ
映画『海よりもまだ深く』が苦手
後悔するのがあたりまえ
どうも著名人の本ってものは
人生、楽しんだもん勝ちか?
わたしもいい加減にすればいいのに

第四章 「死んだらあきらめるのです」

いつ死んでもおかしくはないが
気楽に生きるだけ
テレビドラマ「すいか」が素晴らしい
死をかんがえすぎない
死ぬことも知らないままに
俳優入川保則の「命なりけり」
現代日本の戦人(いくさびと

第五章 自分を育ててくれたことの奇跡

ただ親と子というだけで
風間トオルの祖父母
人に好かれるのはあたりまえではない
パリの古書店を買って
「木は根に拠って立つ」
自分の流儀で生きるしかない

第六章 昨日の雨、今日の青空、明日は知らぬ

こんな早起きはうれしくない
PCが壊れたと思い狼狽える
申し訳ありませんでした
北方謙三を読む一年
「じいさん」になる日
自立する熊本のサムライおばあさん
未来の日記

第七章 ふらりふらりの自由

「好きこそものの上手なれ」
さかなクンの天真爛漫
今度はバッタだ
現代の「村八分」が疎ましい
個人の自由を認めてこその「和」
家のなかの「旅人」
老後や余生の一日ではなく、「自分」の一日

感想・レビュー・書評

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  • 古希なんてまだまだ先だけれど、著者の本は時々読んでみたりする。

    「老後」なんてものはない、という気がする。というか、「老後」などどうでもいい。
    六十歳から七十四歳までの十五年間は「黄金の十五年」だの、「老後の豊かな暮らし」だの、「老後の性をどうするか」だのといった一々がやかましい。何歳になろうと、あるのは、人それぞれの一日一日の生活だけである。
    わたしにとって今日という日は、「老後」の一日でも、「じじい」の一日でもなく、あくまでも「わたし」の一日である。(本文より)

    人生に後悔はあって当たり前、楽しまないと損だなんて思わない――。
    「自分なりの日々」を生きる70歳が、何をしてもいい(しなくてもいい)日々をユーモラスに綴る。
    人気の「定年後シリーズ」がついに「古希」の世界に突入。

  • <目次> 第一章 古来希れだが、いまではふつう
    「アラコキ」はなくて幸い 六十、七十は鼻たれ小僧といわれても
    「手ぶら人生」という考えはいいのだが 古希に乾杯、のいい加減 みんなの「古希」 高木護という希有な人
    第二章 もう「老後」がやかましい
    老後、老後、老後 老人はただの金ヅル 麻生太郎の憂鬱
    わたしは統計ではない 『養生訓』なんか読んでしまった
    「勝手にさあ、元気なんだから」人生〇〇年より、平和一〇〇年
    第三章 楽しまなきゃ損かね
    どんな「外」を見るのか タモリを知らない人が新鮮だ
    映画『海よりもまだ深く』が苦手
    後悔するのがあたりまえ どうも著名人の本ってものは
    人生、楽しんだもん勝ちか? わたしもいい加減にすればいいのに
    第四章 「死んだらあきらめるのです」
    いつ死んでもおかしくはないが 気楽に生きるだけ
    テレビドラマ「すいか」が素晴らしい 死をかんがえすぎない
    死ぬことも知らないままに 俳優入川保則の「命なりけり」
    現代日本の戦人(いくさびと
    第五章 自分を育ててくれたことの奇跡
    ただ親と子というだけで 風間トオルの祖父母
    人に好かれるのはあたりまえではない パリの古書店を買って
    「木は根に拠って立つ」 自分の流儀で生きるしかない
    第六章 昨日の雨、今日の青空、明日は知らぬ
    こんな早起きはうれしくない PCが壊れたと思い狼狽える
    申し訳ありませんでした 北方謙三を読む一年
    「じいさん」になる日 自立する熊本のサムライおばあさん
    未来の日記
    第七章 ふらりふらりの自由
    「好きこそものの上手なれ」 さかなクンの天真爛漫
    今度はバッタだ 現代の「村八分」が疎ましい
    個人の自由を認めてこその「和」 家のなかの「旅人」
    老後や余生の一日ではなく、「自分」の一日❣️

  • わたしにとって今日という日は、「老後」の一日でも、「じじい」の一日でもなく、あくまでも「わたし」の一日である。
    このまえがきの結びがとても良い。

    後悔?そりゃいくつかあるさ。しかし、いまさらそんなことにふれるつもりはない。

  • 人生に後悔はあって当たり前、楽しまないと損だなんて思わない――。「自分なりの日々」を生きる70歳が、何をしてもいい(しなくてもいい)日々をユーモラスに綴る。人気の「定年後シリーズ」がついに「古希」の世界に突入。(Amazon紹介より)

    父が古希を迎えたので、何となく手に取ってみました。70過ぎた人と接する上で何かヒントになるようなことはないか…と微かな期待を持っていましたが、全くそういう内容ではなかったです笑
    著者の勢古さんはサラリーマンとして34年勤め上げたあと、『定年後のリアル』をはじめこのような本を何冊も著しているらしいです。この『古希のリアル』においては、「楽しむのが偉いのか?何かやるのが偉いのか?何もやらなくたって俺の勝手だろうがバカヤローが」とのご主張を展開。口汚い部分はありますが、確かに「何かをやっている人の押し付け感、私凄いでしょ感」が鼻についたり、「人生楽しまなきゃ論が蔓延っている世の中」を鬱陶しく感じたりする気持ちはよくわかります。私は周囲の人や流行に流されがちなので、「何かやっていない人生、楽しんでいない人生は損」という考えを当たり前のように受け入れていましたが、別に「何かしていない=楽しくない」ではないんだよなぁ。いろいろ精力的に手を出していた大学時代に後輩から「生き急いでますね笑」と嘲笑されたことを思い出しました。
    ただ、こういうタイプの本は著者と同世代の人間が読むと面白いのだと思います。私としては「確かに!」と思う部分はありつつも、基本的に批判(文句?)的なスタンスの文調に辟易してしまいました。きっと自分が古希になってから読めば、もっと自分自身の中に思想が出来上がっており、著者の思想と比較して飲み込んでいけるのだと思いました。

    結論:この本は古希を迎えた父にプレゼントしてあげるべき!笑

  •  はっきりしていることがある。世のじいさんやばあさんは、だれも自分が爺さんや婆さんとは思っていないのである。「老後」など、どうでもいい。何歳になろうと、あるのは、人それぞれの一日一日の生活だけである。「老後」の一日でも、「じじい」の一日でもなく、「わたし」の一日である。自分の流儀で生きるしかない。 勢古浩爾「古希のリアル」、2018.2発行。

  • このシリーズは「定年後のリアル」から読んでいる。
    著者は、六十歳の定年を前に退職し、このシリーズが始まった。 本作までに10年が経過し、古希を迎えた著者が老後を語る。
    相変わらずの投げやりな文章で気軽に読めた。老後の理想論、豊かな暮らし、人生を楽しむという人たちの本を読むと鬱陶しく感じるようになるらしい。日々のニュースや読んだ本など色々気にしながらも、そういう情報に左右されない自分の1日を過ごすことが大事という。 以前の本に比べてやや毒舌は減ったけれど、定年後の著者の実感や本音が感じられて面白かった。

  • 前書に続き、本の引用やドラマなどの話がある。でもよくよく考えると、仕事のない人の関心事なんてそういうことだと思い当たる。結論的には普通に年をとるということのただの実態ということになる。定年や認知症などの本は多いが、生活そのものを描いている実態エッセイとしてはこういうものなのだと気がつかされる。

  • 定年後を書いた書籍の中では、勢古さんのシリーズが一番自分に合ってる気がします。「私」の一日を怖れず振り回されず暮らしたいです。こうなったら?喜寿のリアル、傘寿のリアルと続けて下さい。他書籍などへのツッコミも好きです。

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著者プロフィール

1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に入社したが2006年に退社、執筆活動に専念。「ふつうの人」の立場から「自分」が生きていくことの意味を問いつづけ、『まれに見るバカ』(洋泉社・新書y)で話題に。その後も『アマチュア論。』(ミシマ社)、『会社員の父から息子へ』(ちくま新書)、『定年後のリアル』(草思社文庫)など著書多数。

「2017年 『ウソつきの国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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