人生を走る: ウルトラトレイル女王の哲学

  • 草思社
2.73
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794224958

作品紹介・あらすじ

過酷な競技の果てに見つけた、走ることの意味。

長距離走競技の中でも特に過酷とされる「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」。
この精神も肉体も極限に追い込まれる競技で、
前人未到の5回の優勝を果たしたリジ―・ホーカー氏。
本書は、彼女が挑んだレースの記録と、それを通じて
「走ることの意味」を模索するようになる過程が語られます。

圧倒的に美しい山の自然と一体になりながら走ること。
女性ランナーとして名声を得ていく過程。
自分の存在意義を脅かす、大きな故障との戦い。
走ることは、自身と向き合うだけでなく、世界や他の人達と
つながる方法でもあることに気がつくまでの、挑戦と思索の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 著者はUTMBに5回も優勝したウルトラランナー。

    回想が入り交じり、今何の話なのかがわかりにくい。
    自分自身を指すと思われる「あなた」という表現もよく出てくるのだが、これも解りにくい。

  • スタートラインに立つ。走る。続ける。そして、ゴールでやめる。勉強も仕事も同じ。始まり、終わりまでやり遂げる。人生も。産まれて、死ぬまで自分の人生を走り続ける。なぜ? どうして? 何のために? モンブランの山岳地帯を走り続ける女性ランナー、リジ―がその答えを語ってくれる本だ。

    僕は、フルマラソンを走ったことがある。スタートラインに立つ緊張感、後悔、開き直り。最初の20キロは、1キロ5分ペース。いい感じだ。しかし、35キロ付近、左膝のトラブル発生。途中棄権の誘惑と葛藤。<あと1キロ>の看板が見えた時の喜び、一抹の寂しさ。沿道の中学生のブラスバンドの<負けないで>の演奏に涙しながらの、ゴール。制限時間5時間30分の2分前に到着。ビリから3番目だった(笑)。

    そんなポンコツ・ランナーが、山岳地帯を走るウルトラレースで何十回も優勝した伝説の女性ランナーであるリジ―・ホーカーの自伝的な本を読んでみた。イギリス生まれの少女は、夏休みにスイスに旅行し、この山が自分の場所だと直感的に思う。走ることが好きだった少女は大学院生となり海洋物理学者を目指していたが、たまたま山岳マラソン(UTMB)に出場し、プロランナー達を押さえて優勝。その後数々の超長距離マラソンで記録を塗り替えた。淡々と、走るように書かれた彼女の文体は、山岳地帯を走る足音のように僕の心に刺さってゆく。

    <人生のすべては、今この瞬間に凝縮されている。でも、ときには今この瞬間が常にわたしたちとともにあることを認識するためには、極限まで行かなければならないこともある>

    ネパール側のエベレストのベースキャンプからカトマンドゥ(全長320キロ、登り千メートル、下り1400メートル)をほぼ不眠で、約70時間で走る彼女は、ベジタリアン。嘘! 肉を食べなくても、人間はそんなに走れるのか! 荷物はほとんどなく、ノートパソコンとリュックを担ぎ世界のレースを転戦する。賞金はほとんど出ない。彼女は、何のために走るの? と、疑問が湧き、読み進める。

    後半の章では、走るとは、ライナーとは、人生とは、と自分に問い、答えてゆく。
    神様のような存在が、彼女を選び、走らせている。選ばれた人にしかわからない究極の世界がある。だが、それは、日常のどこにでもあると彼女は優しく語る。

    1か月にわたり少しずつ読み続け、読み終わった真夜中、僕はフルマラソンを終えた時と同じように疲れ果てたが、気分はとてもよく、深い眠りに入っていった。

  • スタートラインに立つ。走る。続ける。そして、ゴールでやめる。勉強も仕事も同じ。始まり、終わりまでやり遂げる。人生も。産まれて、死ぬまで自分の人生を走り続ける。なぜ? どうして? 何のために? モンブランの山岳地帯を走り続ける女性ランナー、リジ―がその答えを語ってくれる本だ。

    僕は、フルマラソンを走ったことがある。スタートラインに立つ緊張感、後悔、開き直り。最初の20キロは、1キロ5分ペース。いい感じだ。しかし、35キロ付近、左膝のトラブル発生。途中棄権の誘惑と葛藤。<あと1キロ>の看板が見えた時の喜び、一抹の寂しさ。沿道の中学生のブラスバンドの<負けないで>の演奏に涙しながらの、ゴール。制限時間5時間30分の2分前に到着。ビリから3番目だった(笑)。

    そんなポンコツ・ランナーが、山岳地帯を走るウルトラレースで何十回も優勝した伝説の女性ランナーであるリジ―・ホーカーの自伝的な本を読んでみた。イギリス生まれの少女は、夏休みにスイスに旅行し、この山が自分の場所だと直感的に思う。走ることが好きだった少女は大学院生となり海洋物理学者を目指していたが、たまたま山岳マラソン(UTMB)に出場し、プロランナー達を押さえて優勝。その後数々の超長距離マラソンで記録を塗り替えた。淡々と、走るように書かれた彼女の文体は、山岳地帯を走る足音のように僕の心に刺さってゆく。

    <人生のすべては、今この瞬間に凝縮されている。でも、ときには今この瞬間が常にわたしたちとともにあることを認識するためには、極限まで行かなければならないこともある>

    ネパール側のエベレストのベースキャンプからカトマンドゥ(全長320キロ、登り千メートル、下り1400メートル)をほぼ不眠で、約70時間で走る彼女は、ベジタリアン。嘘! 肉を食べなくても、人間はそんなに走れるのか! 荷物はほとんどなく、ノートパソコンとリュックを担ぎ世界のレースを転戦する。賞金はほとんど出ない。彼女は、何のために走るの? と、疑問が湧き、読み進める。

    後半の章では、走るとは、ライナーとは、人生とは、と自分に問い、答えてゆく。
    神様のような存在が、彼女を選び、走らせている。選ばれた人にしかわからない究極の世界がある。だが、それは、日常のどこにでもあると彼女は優しく語る。

    1か月にわたり少しずつ読み続け、読み終わった真夜中、僕はフルマラソンを終えた時と同じように疲れ果てたが、気分はとてもよく、深い眠りに入っていった。

  • 飛ばし読み、読了

  • 作品紹介・あらすじ:
    過酷な競技の果てに見つけた、走ることの意味。
    長距離走競技の中でも特に過酷とされる「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」。この精神も肉体も極限に追い込まれる競技で、前人未到の5回の優勝を果たしたリジ―・ホーカー氏。
    本書は、彼女が挑んだレースの記録と、それを通じて「走ることの意味」を模索するようになる過程が語られます。
    圧倒的に美しい山の自然と一体になりながら走ること。
    女性ランナーとして名声を得ていく過程。
    自分の存在意義を脅かす、大きな故障との戦い。
    走ることは、自身と向き合うだけでなく、世界や他の人達とつながる方法でもあることに気がつくまでの、挑戦と思索の物語。

    走るのが好きな人なら得るものもあるでしょう。
    とはいえ、文章だけではわかりづらいのも事実。各レースのコース詳細図や写真を取り入れることで、もっと臨場感と共有感が高まるはずです。また、太字にした部分が意味不明。
    さらに、気になった点をいくつか。
    まず、3回目のUTMB出場にもかかわらず、ランニング初心者のような装備の話がでてくる(P22)のは、おそらく2005年の最初の挑戦と2009年の3回目の挑戦が文章の中で混同されている(翻訳のせい?)ことにある。
    とはいえ、ブッダの言葉「真理への道で犯しえる間違いは2つしかない。終わりまでいかないことと、歩み始めないことである」(P171)
    なぜ走るのか?その理由は「自分自身の力で旅する純粋な楽しみ、そこから得られる力、何であろうと可能だと思えること」(P358)
    などの言葉は印象深い。
    2015年に英国で発表され、日本語翻訳(本書)が2021年、ある意味旬を過ぎてでも出すのならせめて2020年くらいまでのレース結果くらい著者と交渉して掲載する意欲と愛情が欲しかった。

  • 第一章はUTMBで優勝するエピソードを中心に、ランニングを本格的に始めるまでの話。
    第二章はエベレストのベースキャンプからカトゥマンズまでの300km超を走る話と多くのレースの戦歴。途中、時系列が把握しづらかった。
    第三章は繰り返す故障の中、走ることを通して人生の意味を探索する話。リジーさんが影響を受けた方の言葉も多く引用されている。

    何年かしたら自分もこれまでのように走れなくなる時が来ると思うのだけど、その時にもう一度この本を読み返したい。

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著者プロフィール

リジー・ホーカー(Lizzy Hawker)
1973年イギリス生まれ。サウサンプトン大学で海洋物理学の博士号を取得。高低差8500m、155㎞を走るUTMBで5回の優勝を収めるほか、IAU100km世界選手権での優勝など、数々のレースでの受賞歴をもつ。  

「2021年 『人生を走る ウルトラトレイル女王の哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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