「健康によい」とはどういうことか―ナラエビ医学講座

著者 : 斎藤清二

• 晶文社 (2005年10月15日発売)

感想・レビュー・書評

[高岡正和さんの感想 · 2012年2月17日]

「検査の結果、原因は不明です。」
と
「検査の結果、重大な病気の可能性は非常に低いということがわかりました。」

どちらで言われたいか。

「5年間毎日飲むと、33人に１人、脳卒中を予防できる薬がある。」
は、言い換えたら、
「33人中32人は、薬を飲んでも飲まなくても同じ。
薬の医療費は確実にかかる。副作用だってゼロではない。」

だったら、薬を飲むか、飲まないか。


解釈の仕方によって、事実自体の意味も変わってくる。
だから、その場でもっとも有効な解釈を採用すればいい。
そしてそれを患者にどう説明するかが、
医者の腕の見せ所である。

著者プロフィール

立命館大学

「2021年 『Ｎ：ナラティヴとケア　12』 で使われていた紹介文から引用しています。」