- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794970640
感想・レビュー・書評
-
幸福とは何か?どうやったら得られるのか?なにが幸福を構成するのか?幸福になるために個人と社会の役割は?それらの問題意識に対して、理路を尽くして丁寧に答えている。
ブータンの視点、ケネディの言葉に今更ながら、驚く。早くから経済成長だけでは幸福が得られないことは分かっていたのだ。
本書は主にデンマークのことが扱われていて、日本はどうなんだろうというのが、知りたくなった。放送大学の教科書『幸福の社会理論』で日本のことを知ることができるが、2007年と古いので、新しくて骨太の本が読みたい。
メモ
・幸福度と笑う頻度に相関関係
・政権の腐敗と怒りや不安の感情に相関関係
・記憶する自己に関する「ピーク・エンドの法則」
・幸福度はU字曲線。中年が低い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デンマークにある幸福研究所が各国へのリサーチを通じて見えてきた「幸せ」について書いた本。
今までに聞いたことあるような話も多いは多いのだが、さすが研究所らしく比較は定量化されており、科学的に納得ができる形。
テーマは
1. 幸せとは?
「eudaimonia(善なる良心)」か「hedone(快楽)」か
2. 政治と幸せ
3. 幸せの測り方
4. 幸せと遺伝・年齢・健康
5. 福祉国家と経済と幸せ
・ポイントは不安と周りとの格差(ヒエラルキー?)
・選択肢が多すぎると幸福感が低下する
・限界効用逓減(ありすぎると要らなくなる)
6. 私たちが取る選択と幸せ
・他人を考えた方がいい
・モノより体験にお金を使うべき
・「追求者」と「満足者」という違い
7. 今後の方針 -
デンマークの幸福研究所所長が、幸福の概念がどう変化してきたか、どのように幸福を定義するか、どのように幸福度を測るのか、といった様々な歴史や研究をまとめた本。
翻訳が少し不自然で、読みづらい箇所があるが、内容は興味深い。
以下、特に興味深かった点をメモ。
・幸福には、長期的な幸福と短期的な幸福がある。また、幸福の質にも様々なものがある。
・デンマークは他人への信頼度が高い。父母がベビーカーに乗せた赤ちゃんを店の外に置いたままお茶できるレベル。
・デンマークは幸福度が高い国ではあるが、自殺の割合は低くない。理由として、社会全体で幸福度が高いと、他者と比較して自分の不幸が強調されてしまう点が挙がっている。このように、幸福感は、他者との比較によっても左右される。
・人には、自分は幸福であると周りに誇示したい欲求がある。
・幸福度と相関関係がある要因には、例えば、支えてくれる友人等の存在、ボランティア・慈善活動、結婚、健康、時間的ゆとり等がある。 -
ブクログのおすすめ本で紹介されていたので、気になって手に取りました。
「幸せ」って感じたことはあるけど、それがどんなときなのか考えたことがなかった。
国によって幸福のとらえ方が、”平穏”だったり”成功”だったり”快楽”だったりするのは、なんとなくわかる気がする。
この本は、「幸福とはなにか?」という自己啓発チックな内容ではなく、幸福の定義を政治や文化にどう応用していくかという視点で研究されていて非常に興味深い。
精神論ではなく科学的に「幸福」を定義するこで、もっと生きやすい社会を実現できるのかもと期待を抱ける一冊。(あとはどうやって社会に落とし込んでいくか…) -
幸福を計るというのは難しいけどそこに共通項を見つくていくとをかることがある。
個人的には前野氏の幸福学の方が整理されていてわかりやすい。 -
「幸せ」の定義。
-
2019.09.18 たいへん興味深く示唆に富んだ幸福へのアプローチが素晴らしい。一回では消化しきれないのでもう一度読み直そうと思っているところ。先行研究などをしっかり紹介しているのでもう少し図とかグラフとかあるともっと理解しやすくなると思った。