カウンセラーはこんなセルフケアをやってきた

著者 :
  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794973719

感想・レビュー・書評

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  • 認知行動療法の難しい技法を誰にでも分かるような書籍を多数書かれている著者のセルフケアの本である。カウセリングには自己開示は以前は禁忌であったが、治療関係上、必要なら許されるようになっている。本書の前半は技法をどのように活かすかという話だが、後半に至るにつれ、誰にも避けられないが、親との関係、そして、それから自分がどう育てられてきたかの話は、涙なくには聴けない話で、よくここまで書かれたという思いと、その勇気に感嘆した。親に対しては、その社会構造まで今は理解した評価をされているのはさすがだと思うが、ますますこれからの著者の活躍が楽しみである。

  • スキーマ療法
    認知行動療法を拡張

    早期不適応的スキーマ
    1見捨てられ/不安定
    2欠陥/恥
    3不信/虐待
    4情緒的剥奪
    5社会的孤立/疎外
    6依存/無能
    7疾病と損害に対する脆弱性
    8巻き込まれ/未発達の自己
    9失敗
    10服従
    11自己犠牲
    12評価と承認の希求
    13否定/悲観
    14感情抑制
    15厳密な基準/過度の批判
    16罰
    17権利要求/尊大
    18自制と自律の欠如

    うんこのイメージ

    ①「何が問題か」を理解する
    ②解決策をイメージする
    ③解決策を実行する
    ④結果を検証する

  •  伊藤先生の本は優しい言葉でわかりやすいのと、読み手への温かい心配り、そして何よりも率直で人間味溢れる文書が好きで、良く読んでいますが、治療技法を学ぶ時は必ず自分で試すことの大切さを改めて認識しました。
     暴露療法を体感するために、ジェットコースターやバンジージャンプに何度もトライし、最後はスリルを味わえなくなる程落ち着いた心持ちになってしまうあたりでは、爆笑してしまうと共に暴露療法恐るべし!と伊藤先生が仰るように素朴に思いました。

     スキーマ療法の紹介では、先生のこれまでを赤裸々に自己開示されていて、大丈夫かな?と思う程でしたが、長年のスキーマ療法を経て辿り着いた境地とあり、スキーマ療法も恐るべし!と思いました。技法を学ぶ際は改めて本書も読むと、治療技法を生き生きと感じられますし、治療者が自らを治療することの大切さも伝わりました。

  • カウンセラー自身の本気度がめちゃめちゃ高い、自己開示全開の良書。

  • カウンセラーだって、何かの依存症になったり、鬱になったりするんだということがわかった。様々なセルフケアがあったが、自己と対話をしたり、しんどいことをあえて深掘りしたり、案外、すでに自分がやっていることが多くてびっくりした。マインドフルネスは気軽に隙間隙間で実践していきたい。

  • 伊藤絵美さんから語りかけられているような気持ちになれる一冊でした。

    専門的な技法の使い方を伝えるにあたって、自分の経験を添える、というのはとても良い方法だと感じました。

    技法の説明だけ聞くよりも親しみを感じて、何よりも、その方法を試すたびに添えられたエピソードのことも思い出され、ほっこりとしたあたたかな気持ちになれる、というのが大きいな、と思いました。

    中でもマインドフルネスと呼吸法を日常に取り込む工夫が「次からやりたい」と思える方法だったので、とても大きな収穫を得た気持ちでいます。

    読書なのに直接お話を聴いたかのようなあたたかな感覚が胸に残る、不思議な本でした。

  • 伊藤絵美さんの本は、いつも温かな感じがするので、とても穏やかな人とイメージを勝手にあったが、
    衝撃的な話が多くて驚いたり、クスっと笑ってしまったりする場面も。



    タバコやギャンブルに依存してやばかった話
    痴漢撃退のため安全ピンを忍ばせていた話など

    他にも痛みや痒みに対してマインドフルネスになる話も勉強になった。

    あと、長女あるあるで、両親、特に母親から言われたことを絶対であふ一方、妹たちはそれを守らないことが不思議に思ったり、両親の仲を必要以上に気にしたりすることも共感できた。


    一方で、
    やはり仕事に関しては優秀だったように感じる。
    特に、セルフスーパービジョンと言うカウンセリングセッションが終わった直後に、その昔の振り返り、自分で行い、次のセッションに生かす方法は勉強になった。

    やり方は
    セッションの直後に
    ①そのセッションで明らかになったこと、理解できたこと
    ②そのセッションで疑問に思ったこと、よくわからなかったこと
    ③自分がどういう対応をして、その対応にどういう迷いがあったか
    ④クライアントの反応はどうだったか
    ⑤次のセッションに向けてどうすれば良いか
    ⑥次のセッションに向けてわからない事は何か
    ⑦その他気づいた事は、何でも
    ということをセッションの記録用紙の裏面に書き、クライアントに見せ一緒に検討する

  • 2023年7月19日購入。

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著者プロフィール

公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士。洗足ストレスコーピング・サポートオフィス所長。専門は臨床心理学、ストレス心理学、認知行動療法、スキーマ療法。2004年より認知行動療法に基づくカウンセリングを提供する専門機関を開設。

「2023年 『攻略!きみのストレスを発見せよ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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