アメリカンズ―ロバート・フランク写真集

  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796607094

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  • 言わずと知れた歴史的名作「アメリカンズ」

    スイス人のロバートフランクが、1955~56のアメリカを横断し、撮影した写真集。

    第二次世界大戦に勝利、世界の雄としてのアメリカの勢いが増している時期。
    でも、ロバートフランクはそんな栄光のアメリカを撮るわけではない。

    そこら辺にいる、普通の人達のなんでもない表情、状況を切り取る。
    皆、うつろな視線、焦点も特にさだまっていないようはふわふわした雰囲気。
    活気があるわけでもなく、なんとなく日常を過ごしている。

    映っている人々はカメラのことは意識していない、だからまったく無防備。
    カメラに映るとき人はキメた顔をするが、ほとんどの時間はこんなキメた状況ではない。

    アメリカだって、キマったかっこいい状況ではない。
    人種差別は残り、移民たちは貧しさに苦しんでいる。

    それ以外の被写体でのイメージは人々はちっぽけで淡々と生き、その生涯を終えていく現実が淡々と描かれていくと感じた。

    ・アメリカ国旗などの国の象徴の空っぽさ
     →大きな概念は空虚で、現実的に存在する現物はみな小さく、弱々しい。

    ・墓、十字架、葬式などの死のイメージ
     →車にかけられたシートの写真もイメージが連鎖する。

    ・機械化が進み人間が卑小に、機械の下になったような
     →人がテレビに映っているところと、映されている人の対比
     →エレベーターガールの疲れ

    ・身分差
     →黒人のベビーシッターが抱える白人の赤ちゃん。黒人の目はうつろ
     


    平面的な画面で奥行の無いショットも多く、そこには絵のように描かれた薄っぺらさ、抽象化されたような印象を受ける。

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