マイルス・デイビス自叙伝 (2) (宝島社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796616836

作品紹介・あらすじ

自分のめざす音楽のためには、すべてを犠牲にしても厭わなかったマイルス。波乱万丈のその人生に登場する多くのミュージシャン。友情、仲違い、再会、そして死別。一方で展開するさまざまな女たちとのドラマ。死の淵に立ち、一度は音楽から遠ざかったマイルスを再び駆り立てたものはなんだったのか…。常に黒人としての誇りと怒りを胸に刻みこんで生きた20世紀最大の音楽家の衝撃の人生。

感想・レビュー・書評

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  •  仕事上の必要からハービー・ハンコックのことをあれこれ調べているのだが、意外なことに、ハービーの自伝や評伝は出ていない。盟友ウエイン・ショーターの評伝『フットプリンツ』は邦訳されているのに……。
     わずかに、「ジャズ批評ブックス」の『定本ハービー・ハンコック』の中にバイオグラフィーの章がある程度。

     なので、マイルスの自叙伝の中のハービーについての記述を拾い読みしようと考えたしだい。
     ところが、読み始めたらすごく面白くて、けっきょく全部読んでしまった。

     私はマイルスについてはくわしくもないし思い入れもないのだが、それでも音楽好きなら楽しめる本だ。全編語り口調の聞き書き形式なので、すこぶる読みやすく、厚い本なのにあっという間に読める。

     マイルスの、黒人であることへの強烈なこだわりと、誇り高さに圧倒される。
     誇り高さは傲慢さと紙一重なわけだが、マイルスの場合は傲慢なのではなく、音楽そのもの、芸術そのものに対する深い畏敬の念があって、「音楽を軽んずる奴はけっして許さない」という意味合いの誇り高さなのである。

     ジミヘンやプリンスなど、自分より若い、ジャンルの異なるアーティストに対しても高い評価を与えていて、つねに自分の音楽を革新しつづけたマイルスらしくて好ましい。

     逆にウィントン・マルサリスに対してはかなりの紙数を割いて批判しているのだが、人格攻撃という印象ではなく、音楽に対する姿勢が決定的に相容れなかったのだとわかる。

  • エレクトリックマイルス期の様々な発言は身になる。革新性のない音楽は音楽でないとか。しかし家庭を顧みないで音楽ばかりやっている割にいろんな女と寝ているあたりストイックなんだかよくわからない。周りのジャズマン達がどんどん亡くなっていくがそれにとらわれない前を向いた生き方、ラストの一言は本当かっこいい。上下巻合わせて15年上半期一位。

  • “原液”のような語り口。その自己愛に癒されます。ほんのついさっき考えついたことも彼にとってはもう古くて、ありえないスピードで最高地点に行ってしまう。

  • ロン・トニー・ハービー・ウェインのあたりは本当におもしろいし、参考になる。
    私が一番ジャズと思うのはあの辺りの創造性ある演奏。

  • 上巻よりも抽象的な話が占める割合が多くなり、あまり理解できなかったから退屈さを感じた。

  • やたらめったら面白い!!
    セックスの話、ドラッグの話。ジャズ界のキングは俗世にまみれたとびきりの「困ったちゃん」だった!!w 自らの半生を飾らずあくまで素直に語りきった当代随一の自伝だろう。なんと正直な告白の数々!燦然と輝く名盤に参加した多様なジャズメンたち、その変遷も詳しく分かる。ただ、音楽的な挿話よりも俗っぽい彼の「暮らしっぷり」が常軌を逸していてそれがとにかく面白くて面白くて…w ジャズに詳しくなくても、必見の一冊なのである!!

  • 天才マイルス・デイビスが自らを語っています。読むほどに時代が後からついてきていることを思い知らされます!

  • 2-2 音楽論

  • 上・下読破。
    JAZZに疎い僕でも読みんな進めることができた。
    マイルスのあまりにも壮絶な人生。
    知識に裏打ちされたジャズへの想い。
    クスリにのめり込んだが最後には絶つことができた精神力。
    人種差別への憤り。
    それでもビートを刻むことへの愛情。
    面白かった。

  • モダンジャズの帝王、
    マイルスデイビスの自伝。

    よく、村上春樹の小説を読んでいると、
    日常、頭の中の言葉が村上春樹風に
    なってしまうが、
    この本を読んでいると、
    頭の中の言葉が、ヒップでクールな、
    マイルス風になる。

    1950〜のジャズが好きな人は、
    まず間違いなく読むべき。
    出て来るミュージシャンの名前だけても、
    興奮する。

    また、例えばバードのエピソードひとつでも、
    いかに滅茶苦茶で破天荒な天才だったかを、
    知ることができる。

    あの辺りのジャズミュージシャンの中で、
    当時どんなことが内部で起こっていたのかを、
    きちんと分かりやすく、中立的に、
    話せそうな人といったら、考えてみれば、
    マイルスデイビスが適役な気もする。

    実際、話はとても面白いし、読んで得する本だ。
    この本を作ってくれた人、
    日本語に訳して出版してくれた人に、
    スタンディングオベーションを送りたい。

    マイルスには、つっぱって生きて来た人独特の、
    色気を感じる。

    ヒップでクールだ。

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