屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)

著者 :
  • 宝島社
3.50
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感想 : 257
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796667777

作品紹介・あらすじ

大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件がアメリカで発生していたものの-日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。それよりも、もっと重要なことがある。例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。そこで、リーゼント頭の不良・国重嘉人や、願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。屋上への愛情が共通しているということから、国重の強引な提案で"屋上部"を結成することになった四人。屋上の平和を守るため、通行人を襲う罰神様騒動、陸上部のマドンナ・ストーカー事件、殺し屋との遭遇などに巻き込まれることになる。それらはすべて、ひとつの事件に繋がっていた!『このミステリーがすごい!』大賞第7回大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ時に私の琴線に触れ、それから時間を空けては何度か再読しています。

    物語は高校二年生の辻尾アカネが主人公。ある日学校の屋上に行き、そこで、不良の国重、屋上から想いを寄せる人を観察している沢木、自殺願望がある平原と出会い、4人で屋上部を結成。
    それから各々の抱える問題を持ち寄り、みんなで解決することに。殺し屋探し、拳銃の持ち主探し、都市伝説騒動、弟を傷つけた犯人探しetc 。関わりのないと思われる点が、終盤に向け線へと繋がっていきます。

    キャラクターが魅力的です。随所にユーモアも散りばめられていて、クスッとする場面が多いです。ミステリーとしても、終盤にかけて伏線が回収されていく所が面白いです。高校生の物語なので、恋愛要素もあり最後はキュンとして終わる所もこの物語の好きな場面です。

  • 屋上部は最強高校生の集まり。

    「偶然からは逃げられねえ」
    「不思議な縁ですね」
    「まさか、というのは意外と起こりがちなものだ」

    ごちゃっとした伏線が、終盤回収されていくのは気持ちが良かったです。
    『考えろ』普段の様々な局面で何を選択していくか、高校生の勇気を前に私も頑張りたいと良いきっかけとなりました。

  • 前半はおもしろく読めた。
    後半は何か違う?

  • どこかで読んだような、遊んだことのあるゲームのような、ありがち、だけれどそれらが綺麗にまとまっている。

  • 市の図書館でおすすめとデカデカとかかれていたので借りてみた...最初の五ページは我慢して読んでましたが、えっ。なんかおかしい。初めて読もうと思った本を断念...ごめんなさい。

  • 話の重要なピークが全て偶然で乗り切っており、全く面白みに欠ける展開だった。一応完読はしたが、「また偶然かまた偶然か」の繰り返しで本当に読むのがつらかった。

  • 読む前は、小さな力が、大きな力へと思ってましたが
    ミサイルは繋ぎのネタで、身近なことをコツコツ解決ですね
    高校生の設定は、無理がありすぎるような気がします、強すぎます
    期間をかけて読んでたので、絡み合っていく面白みが半減してしまった
    一気読みした方が良かった

  • 普通の女子高生、アカネ。喧嘩最強の不良、国重。寡黙なる観察者、沢木。イケメンの自殺願望者、平原。ある日、四人は屋上部を立ち上げる。アメリカのテロリストが東京にミサイルを撃ちこもうとする最中、彼らはただ自分たちの屋上の平和を守るために様々な事件に立ち向かう。そしてやがて彼らはひとつの真実に辿り着く――第7回『このミス』大賞受賞作。

    様々な出来事がひとつにつながっていく様は伊坂幸太郎や三谷幸喜を彷彿とさせる。個人的に好きなのは「背景」の使い方。ただの高校生である彼らの周辺で起こる事件とテロリストやミサイルという国家的危機を対照的に描くことで、逆に前者にリアリティを持たせ、後者をテレビの中の出来事のように描く。話のテンポも良くて、割と読みやすい青春ミステリーでした。『謎解きディナー』よりもオススメ。

    あ、あと余談ですが、アカネは好きなタイプ。

  • 第7回「このミステリーがすごい!」の大賞作品。
    屋上部の高校生4人が、テロリストやミサイル攻撃とは関係なく自分たちの懸案事項を解決すべく行動するが、そこから事件に巻き込まれていく。
    高校生の純粋さと若さで立ち向かっていくのが面白いが、危険極まりない。
    自分たちだけでは解決できないよ、と危険な場面になると助言したくなる。
    ちょっと上手く繋がりすぎ、という感もあるが、ハラハラドキドキしながら読んだ。

    ミサイルが飛んでくるってところが現在の防衛力に関する話題と私の中ではタイムリーな内容となった。しかし、この話に登場する首相はミサイルが発射される前に攻撃しろとは言っていない、逃げろと言っている。私はこちらの首相を支持したい。

  • 伏線回収の連続。読みやすいし、面白かった。読み返さんと、そんなことあったっけ?ってレベルの細かいことまで回収されてて、もう一回読んだらもっと面白いんやろうな。

  • しんどかった~…。さっさとミサイルが降ってきて全員死ねばいいのに…って思いながら読んでました。

  • 井坂さんの作品に近い感じがする。
    言葉回しが独特で、面白い。

  • 登場人物それぞれのキャラがいい!

    そして、全ての事件が繋がっていてそれを伏線回収いていくのが見ていて楽しかった。

    屋上部の平和を守ることはできるのか?
    続きがあるらしいので早く読みたい!

  • 面白かった。
    こういう伏線回収系は結構好き

  • 懐かしい 中学のとき読んだ本です。思い出し登録 ラストシーンが印象的だった記憶が

  • 【内容】校舎の屋上でだらだらするのが目的の「屋上部」を勝手につくった4人の高校生。屋上の平穏を守るために結局日々闘うことになるのだった。
    屋上の平和を乱すものは、疑念と好奇心。そして雨?
    アメリカ大統領が軍事基地でテロリストの人質になって世界中ミサイル攻撃の危機が訪れているらしいがそれはたいした邪魔ではない。
    【感想】少しだけリアルな涼宮ハルヒって感じかもね。あそこまで身勝手ではないがあそこまでスーパーでもない。ラノベ的な青春ミステリって感じ。
    偶然に継ぐ偶然が次々発生し実は重なっていたすべての謎がどんどん解けてゆく。好き好きだろうがラノベテイストなのでさほど気にはならない。

  • 図書館で背表紙に「このミステリーがすごい!大賞受賞」とのシールがあったので借りてみました。
    ちょっと現実離れしたシチュエーションや流れが伊坂幸太郎さんぽいなあとは思ったら、巻末の講評にもそんな指摘がありました。でも面白く読んだので私は好きです。登場人物が魅力的です。
    他の本を読んでて疲れたのでふと読みだしたら止まりませんでした。読んでる頃にプライベートで嫌なことが結構起こったのですが、現実逃避というか気持ちの切り替えというかにとても貢献してもらえました。第二弾があると知り、読みたい気持ちでいっぱいです。

  • 2008年 このミステリーがすごい大賞の大賞受賞作品。

    ふとしたことから屋上に上がった高二の辻尾アカネはリーゼントの不良 国重嘉人、陸上部の女生徒を想う沢木淳之介、弟殺しの闇を持つ平原啓太と知り合い「屋上部」を結成する。

    アメリカ大統領誘拐の行方、トンネルの罰神様の正体は?陸上部のマドンナストーカー事件の犯人は?死体の写真と拾った拳銃は誰のものか?など 次々に起こる謎を紐解きながら、最後に全ての謎が繋がっていく。

    ミステリーと青春コメディの両方楽しめる作品でした。

  • キャラ立ちは良く、設定も悪くない。既視感甚だしく、中だるみはあったものの綺麗な着地を魅せたかな。まずまず。

  • 米大統領がテロ組織に拉致監禁され日本にもミサイルが発射されるかもしれない時、遠い出来事として平常心で暮らす人達と避難を始める大人達。動じない高校生達に共感出来なかった。トンネルの自称罰神様や愛妻家の殺し屋との遭遇。咀嚼するより異性を感じさせない面々による爽やかな喉越しを味わうような読み方になった。

  • 66:楽しんで最後まで読めました。キャラの個性や「屋上部」というアイデアがキラリと光ります。が、やはり伊坂作品の(オーデュボンや終末のフール)香りがするのは否めません。伊坂作品を知らなければそうでもないのだろうけど……。パクりという評価には頷けませんが、次は違うテイストの作品であっと言わせて欲しい!

  • 大統領が誘拐され世界が危機に瀕する中、学校の屋上で知り合った3人の高校生が「屋上部」を結成して屋上の平和を乱す事件に立ち向かう。少々無理のある設定、絶妙の会話、キャラ、小気味良いテンポ、無関係なピースが収斂されていく構成・・・誰もが指摘するように、伊坂幸太郎の一連の作品に共通する部分が多い。その1点を持って作品の評価を下げる向きもあるようだが、個人的にはあまり気にならなかった。元々伊坂作品は大好きなので、本作も大いに楽しめた。主人公が高校生だからか何とも爽快な感じが漂っているのも気持ち良いし、その雰囲気を裏切らないラストもとても良い。

  • 2012/6/5 再読了

    2009/2/27 読了
    381ページ

    第7回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。

    張り巡らされた伏線の収束がミゴト。

  • テンポが良くて読みやすいけど、偶然問題を解決してく感じが好みではないかなと

  • 世間では、アメリカの大統領がテロリストに拉致され大騒ぎとなっていた。

    高校二年生の辻尾アカネには日常からかけ離れたこと。それよりもデザイン科の課題のため、普通科がある屋上に上がった。

    屋上には、不良の国重、その友人で告白のために声を封じた沢木、突然現れフェンスを乗り越え死を願う平原がいた。


    様々な事件や人物が絡み合って、最後には一つの事件の解決につながる感じが面白かった。
    続編、書いて欲しい。

  • 本年度「このミス」大賞受賞作のもう1つ。単行本で買っちゃったよ。半分くらいまで読んで我慢できんやった程ステキ。明らかに大賞はこっち1本で良い気がするが…。
    テンポのいいセリフ回しとキャラがいい!米大統領がテロリストに捕まり、日本国内も騒然とする中で、たまたま屋上に集った(?)4人が“屋上部”を結成。いろんな謎に挑むうち、それが1つにつながる。読んでて気持ちのいい青春ミステリやね。
    が、批評にもあるが伊坂幸太郎の影響受けすぎ!もはやリスペクトとかそんなレベルじゃない。セリフまわしも、ロックが世界を救うっていう考えも、主要キャラ4人のうちの1人沢木の親の実家が仙台ってのも、ひどすぎるだとう!伊坂さん好きとしては確かに好きな空気感ではあるんだが、オリジナリティの無さは致命的。
    うまいとは思うから、次回作に期待しよう。

  • 意外と、というべきか、楽しく読めました。

    某国(アメリカ?)の大統領がテロリストにつかまり、近いうちに日本にミサイルが撃ち込まれるかもしれない不安感の中、高校のデザイン科に通うアカネは、普通科の校舎の屋上で仲間に出会い「屋上部」なるものに参加させられる羽目になる。

    ラブホテルを経営する父親の息子で、自身もそのホテルでバイトしているリーゼント頭がトレードマークの国重。

    陸上部の宮瀬さんに思いを寄せ、一年後に愛を告白するために願掛けで言葉を発することを自ら禁じた沢木。

    小さい頃に祖父の猟銃で遊んでいて、誤って弟を射殺してしまった美少年平原。

    そして、アカネの4人が「屋上部」

    途中殺し屋を探したり、沢木が宮瀬さんからストーカー行為をやめろと殴られたり、都市伝説の罰神様を検証して、ストレスの溜まった三浪中の浪人生に平原が襲われたり、アカネの弟寛之がロックスターぶりを発揮したり、とにかく盛りだくさん。

    やりすぎじゃないの?と思うくらい色んな偶然が重なり、ことごとくが伏線で後半の読ませっぷりが凄かった。

    有能で愛妻家だけど、どこか間の抜けた殺し屋さんがとてもいい味を出していて好きでした。

  • 某大国の大統領が監禁されている国際情勢をよそに、屋上部は活動している。屋上の平和を乱すものは解決するのみ。デザイン科•開き直りの早いアカネ。志高き不良の国重。筆談•知的•喧嘩の強い沢木。過去にとらわれながらも皮肉を飛ばす平原。彼ら4人のテンポの良い会話にページをめくる手がとまらない。些細な調査が独立することなく、伏線として終盤に回収される...話の構成の上手さに一杯食わされました。有川浩の如く、ライトノベル+ミステリーという印象。

  • 今回の大賞はこの作品と、臨床真理 柚月裕子の二作。審査では票が真っ二つに分かれたというが、私としてはこちらのほうが良かった。アメリカ大統領誘拐に伴うミサイルテロが発生している未曾有の事態に直面している世界。そんな騒然とした世の中でも日常は続く。そんな中で普通の高校生が屋上部の活動から事件に巻き込まれていく。徐々に全ての複線が繋がって来るのだが・・・。ミステリというより爽やかな青春小説という感じか。

  • 高校生の会話の独特なテンポ感はなかなか心地よい。
    キャラもたってて、楽しい組み合わせ。
    物語のちぐはぐ感は否めない。
    みんなが、「俺は知らない、言われたことをしただけだ」ってのが、あの偶然の連鎖につながるのかな?

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著者プロフィール

1975年香川県生まれ。京都学園大学法学部法学科卒。第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2009年受賞作「屋上ミサイル」を刊行。著書に『ガレキノシタ』『HEROごっこ』など。

「2016年 『筆跡はお見とおし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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