- Amazon.co.jp ・本 (122ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796669689
感想・レビュー・書評
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見返し
本書は2007年9月宝島社より刊行した単行本「「やさしい」ってどういうこと?」を改訂し、文庫化したものです。
※日本テーラワーダ仏教協会のホームページで、著者による読誦が聴けます。
https://j-theravada.net/world/metta/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やさしさとは、なんですか?
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久しぶりにスマナサーラ師の著作を読んだ。この本では、世間一般に流布する「やさしさ」はエゴであると喝破し、エゴの治療法について述べている。また、本当の「やさしさ」とは、仏教用語である「慈悲」のことであり、慈悲を育てるための瞑想法が最後に書かれている。
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エゴを無くす事が優しさにつながる
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図書館の返却のところにあり、題名と本の薄さに惹かれて借りた本です。
でも、すごく勉強になる良書でした。
「みんながとらえているやさしさとは、自分がしてほしいことをしてくれたときに感じるやさしさ、エゴから発生しているもの。」
「自分が幸せになりますように、と願うことは、魚が水があるところに暮らしたいと願うような、当然の思い。」
「生かされている、というのは、誰かを上に見ている。そうではなく、すべての生きとし生けるものはつながっていて、ここにいる。」
「まず、自分の幸せを、次に親しい人の幸せを、そして生きとし生けるものの幸せを、次に嫌いな人・嫌われている人の幸せを願いなさい。」
30分もかからずに読めるので、機会があったらぜひ読んでほしい本です。 -
仏教の大まかな宗旨を知りたくて、入門書的なものを探している最中です。これは短かったのと、ざっと立ち読みしたところ非常に読みやすかったので購入。
この方は日本で活動されてますがスリランカの方だし、ということは日本の仏教とまた違うのでしょうけれど、宗派がどうとかよりもブッダの考えかたというのを教えてくれているので、全く知らない私でも読みやすかったです。
「やさしさ」にフォーカスを当てている本書ですが、大半の人が「やさしさ」をはき違えていることを教えてくれます。自分のエゴを満たしてくれる行為を「やさしさ」と呼んでいるにすぎない、という指摘にはギクリとしました。
結果が同じでも、思考のプロセスが違うと、非常に無理のある「やさしさ」になるということ。こういう思考を実践出来たら、自分も他人もしんどくない「やさしさ」を手に入れることができるかもしれない、という希望を持てます。
エゴがなくなれば、エゴで怒られてもへっちゃらになれる、というのが本当ならば、他者への「やさしさ」だけでなく、自分が受ける恩恵もカナリのものな気がします。