憚(はばか)りながら

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796675475

感想・レビュー・書評

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  • 憚(はばか)りながら 単行本 – 2010/5/15

    ヤクザについての勉強になる
    2012年1月3日記述

    山口組の直参だった後藤忠政氏(現 忠叡)のインタビューを書籍化したもの。
    生まれた頃の話から極道を隠居した最近までについて記されている。

    特に創価学会との攻防には驚いた。
    社会の裏での動きはこうだったのかと参考になる。

    ヤクザなどのこれまでの動きを知る人には暴露度がいまいちだという評判もあった。

    しかし私個人はヤクザに関してはまるで知らないままであったので勉強になった。

    例:山一抗争、野村秋介など。教科書やTV番組でも大きく取り上げられにくいためだろうか。
    本の編集上も事件背景などの解説が随所にあり、関連知識が無くても問題なく読める。

    本人の自慢話が多いとも言える内容でその点は差し引いて読む必要がある。

  • 元山口組系組長が、自身の生い立ちから現代社会に対するメッセージまで投げかける渾身の一冊。
    「ヤクザ者」と一言で括るのは簡単だけれど、何が「ヤクザ」で何が「カタギ」なのか。
    何が「正義」で何が「悪」なのか、本質が分かりづらくなっている現代を、決して僕らには見えない、言えない視点から、現代人に投げかけてくれいているような、そんな気がする。

  • ある専門分野で著名な人間が一般向けに本を出すことがある。プロ野球選手なら野村克也が多かったし、将棋なら羽生善治が多い。
    このような書籍でおもしろいのは、その専門分野での話である。のだが、どうしても一般向けを意識するせいか(主に編集の意図なのだろうが)、強引に一般社会での話に繋げるところがある。たとえば、野球のチーム論がサラリーマンの組織論に適用されたりする。それが正しいか誤ってるかは置いておくとして、たいていは、特殊な世界でのおもしろい話が凡庸なつまらない話に落とされてしまう。

    本書のまえがきで「チンピラの分際で憚りながら一言だけ、この国や社会に、もの申させていただこうか、と。」とある。たしかに本書で、後藤忠政は社会に、政治に、他国にまで一つひとつ語っている。語り口も丁寧である。
    しかし、あまりにふつうすぎる。いわゆる保守的なおじさんの常識的視点であり、退屈である。「ヤクザもこんなふつうのことを考えているんだ」という意外性を感じるひとはいるかもしれないが。

    本書でおもしろいのは、やはりヤクザとしての非常識な話である。
    私は先日の池田大作死去に伴い、たまたま本書の存在を知って読んだのだが、創価学会との協力と闘いの顛末や、池田の品のなさも知れたし、政治家たちとのつながりもおもしろかった。当然、抗争の話も多いので、そのあたりも興味深く読める。

    クマを飼っているくだりもよかった。若い衆に散歩させているらしい。ある時、ガサ入れにやってきた警察が麻酔銃も携行してきたとのこと。それに対する後藤の一言は「うちのクマは優しい」。

    あとはヤクザは肝臓の病が多いらしい。アルコールはすぐに想像がつくが、入れ墨で汗腺を取るため老廃物が汗で流れず体内に溜まってしまう、というのは、言われてみればたしかにそのとおりなのだが、これまで想像したことがなかった。この手の、経験者にしか思い至らないくだりは本書に多く、そこはおもしろかった。

  • 私は極道になりたい。
    ヤクザの心意気が、こんなにも「筋を通す」を徹底したものだとは思わなかった。
    全てに理由があって、全てに筋を通す。
    お偉い政治家先生様たちよりよっぽど立派。

    痛いのも死ぬのも嫌だから、極道にはなれないだろうけど、極道のように筋の通した生き方をしたい。

    図書館で借りたけど、買うわ。

  • 暴力団の中心的メンバーだった著者(出家済)が「アメリカで偶然にもすぐに臓器移植を受けられた」は話がうますぎでないか?

  • どの世界でもトップにいた人間の話は参考になりますね。公にできることしか書いていないんでしょうが、それでも面白かったです。

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  • 元山口組直参後藤組組長・後藤忠政こと得度名・忠叡の人生回顧録であり暴露本。

    まえがき「是でもなく、非でもなく」
    第1章 血筋
    第2章 富士宮愚連隊
    第3章 イケイケの時代
    第4章 創価学会との攻防
    第5章 山口組直参
    第6章 生涯の友・野村秋介
    第7章 東京進出
    第8章 バブルの勝者
    第9章 政界の品格
    第10章 渡米肝移植
    第11章 引退の決意
    第12章 得度

    世間を騒がした事件の裏側に後藤あり。

    事実かどうかの証明はないが、堅気の世界の人間のほうが掟のない分、よほどえげつなく生きているのかもしれない。

    善の裏には必ず裏あり。政治にしろ、各国への援助にしろ、戦争にしろ、欲をかく、欲を捨てられないのが人間の性であり、浅ましさである。

    共感できる部分も多いが、オレ流の掟の本、世相を語っているので、コレを読んでどうこうというのはないと思う。

    だから憚りながら。

  • 【読書ノート】
    ・ニーモシネ1-13

    読後、何も残らない。面白くは読めたけど。

  • ヤクザに学ぶことなど何もない。確かにそうかもしれない。しかし、義理、人情があまりにもなさすぎやしないだろうか?また、掟や仁義があまりにもないんじゃないかなと思う。曲げずに突っ張って生きる姿勢は大事だと思う。罪は懲役で償い、もうヤクザを引退して、天台宗の弟子になったし耳を傾けてもいいと思う。友人として朝日新聞本社で自決した野村氏の解剖を阻止する話は人として泣けた。同じやり方で人生を切り開こうとは思わないしできない。きっともっと違う道がある。筋を通す。面子を大事にする。という事に命を懸けてた半生。少しは見習ってもいいと思う。世の中あまりにも筋を曲げすぎているし、簡単に自分や他人を不当に低く設定している話が多い。(逆もあるけど)裏の世界で何があったのかが、かなり語られている。ヤクザの戯言だとは思わない。話してないことも沢山あるだろうけど、恐ろしい告白が続く衝撃のノンフィクション。山口組の渦中中の渦中。経済ヤクザでありつつ武闘派でもあった後藤元組長はあそこまで行くだけのことはある。筋を曲げずに突っ張るのは任侠の専売特許ではなかったはずだ。悪質な迷惑をかけなければ。まっすぐに生きようとすることは悪くない。

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