はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話
- 宝島社 (2010年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796678919
作品紹介・あらすじ
人類初の快挙、サンプル回収に成功!「はやぶさ」生みの親・川口教授がはじめてすべてをつづった!日本の宇宙開発の歴史を変えた、前人未到のプロジェクトの全容がここに。
感想・レビュー・書評
-
はやぶさ初号機についてそのプロジェクトマネージャー自らが語った本の中でも一番初期に出版された原点。
これの前に読んだ「のぞみ」の話に「軌道の魔術師(みたいな感じ。正確には失念)」としても出てきた川口氏が一般向けを非常に意識した平易で冷静なトーンでまとめている。おかげでとても読みやすい。科学的な報告書はお仕事としてちゃんと出ていて公表もされているのだから、そういう方向の興味がある場合はそちらを読めばいいわけで、はやぶさの一生を親の立場から語る、という一貫した姿勢で正解だったのだろう。
そのおかげか、科学者でありながら論理性を超えた一種の親バカ的な感慨が抑えきれず出てくるところがかえってとても好印象で、これを読んだらそりゃあはやぶさの映画作りたくなっちゃうよね、と変な方向で納得した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
はやぶさのPMだった川口先生が、
プロジェクトの一部始終を綴られています。
大変読みやすい本ですが、
最初から涙が止まらず、
なかなか進みませんでした笑
なぜ、地球に帰ってきた
はやぶさが、あんなにも美しく
夜空に輝いたのか、
心からわかった気がしました。
夢というのは、分かりやすく
人間の生きる希望なんだなと。
はやぶさプロジェクトの
経験を通して、川口先生が
愛国心や1番になる意味など
色々ためになることを書かれて
いるので、ぜひ読んでみてください。
名著です。 -
小惑星探査実験機「はやぶさ」が地球に帰還して半年、様々な関連書籍が出ましたが、やはり、はやぶさプロジェクトの中心人物であったこの方が書かれた――― となると、言葉の一つひとつの重さが違うように感じられるのが人情でしょう。
美文ではありませんが、平易な親しみやすい語り口調で、はやぶさプロジェクトの意義、目指したもの、そしてどこに着地地点を定めないといけないのか、ということが静かに熱く紡がれています。プロジェクト内部の人間だからこその視点もあって面白かったり。というか、本当に負けず嫌いなかたなのだとほんわりさせて頂きました。←各種エピソード@主にNASAとの。
また、各地の講演会で、川口PMが語られた内容と共通している部分も多いので、講演会にいけなかった人、いったけれども聞き惚れてメモをとるのを忘れていた人(私だ)の備忘録としての価値もある一冊だと思います。
うっかり帰りの電車の中で読み出してしまったので、目を真っ赤に泣きはらした怪しい人になってしまったこともこっそりカミングアウトしつつ(笑) -
2010年の最高の感動をくれたはやぶさ。そのプロジェクトの立ち上げからリーダーだった川口教授の「はやぶさ」への思いを綴った一冊。
今の日本の技術開発への問題もかかれており、「はやぶさ」の成功がいろんな意味で大きなものだったということがよくわかりました。 -
はやぶさが、昨年、2010年の6月に戻ってきたとき、ずいぶんテレビで報道されていたのでしょうか?お恥ずかしながら、私は全然知りませんでした。この6月に川口先生のご講演をうかがう機会がありまして、その時に初めて知った、というわけです。
その時の講演でも感じたのですが、川口先生はなかなかお話が上手です。本当は、科学的にも技術的にも難しい話がベースになっているのだと思いますが、非常に単純に分かりやすくお話をされます。また、ユーモアのセンスもおありになって、本の中にも中和神社の話が出てきますが、そういう科学者らしからぬセンスに、何とも親しみを感じてしまうわけです。
本の中には興味深い話が満載ですが、私が気に入っているのは、イオンエンジンの仕組みです。一円玉くらいの重さのものを持ち上げる程度の力しか出せないため、3億キロ離れた小惑星を往復するのに燃料がたった66kgで済むとうのは、何だかとっても画期的です。そういう発想って、だれが考え出したのでしょうか。
それと、イトカワの地名の中に国分寺があるそうです。昔、糸川先生がペンシルロケットの水平発射の実験を行った場所があるからだそうですが、地元住民としてはとてもうれしいです。 -
はやぶさプロジェクトマネージャー川口さんの「はやぶさ」開発から帰還までの苦闘を中高生でも読めるように簡易に分かりやすく、ご本人が書いてくれている。子どもから大人まで楽しめる宇宙開発科学ロマン。
しかし改めて、神や仏を信じたくなるレベルの苦闘ですは。 -
「はやぶさ」に対する科学者たちの熱い想い、願い、親心がひしひしと伝わってきて…とにかく泣ける!読み返すたびに同じところで泣いてます。帰還のシーンとか涙で続きが読めないくらい。川口さんは科学力に加えて文章力まで兼ね備えていらっしゃる…
日本のものづくりの精神は宇宙に飛び出しても健在…いや、宇宙という未知なる世界に飛び出したからこそ、尚挑戦者として輝き続けられるのだと強く訴えかけてくれる、とにかく素敵な本です。 -
「奇跡に立ち会える資格」