要介護探偵の事件簿

著者 :
  • 宝島社
3.58
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本棚登録 : 721
感想 : 134
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796686242

作品紹介・あらすじ

反骨精神をモットーとする香月玄太郎は、不動産会社を興し一代で成功を収めた社長。下半身が不自由で「要介護」認定を受けている老人だが、頭の回転が早く、口が達者。ある日、彼の分譲した土地で建築中の家の中から、死体が発見された。完全密室での殺人。お上や権威が大嫌いな玄太郎は、警察が頼りにならないと感じ、介護者のみち子を巻き込んで犯人捜しに乗り出す。完全密室の殺人、リハビリ施設での怪事件、老人ばかりを狙う連続通り魔、銀行強盗犯との攻防、国会議員の毒殺事件など、5つの難事件に挑む連作短編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 痛快!パワフル!実直!な車椅子の玄太郎お爺様が、お金と権力と類まれな推理力で事件を解決するお話。

    怒りっぽくて怒鳴るし我儘だし、でも面倒見が良く実は優しく...

    要介護探偵と四つの署名のラストで、「玄太郎も中指を立てて応えた」のがツボに入りました笑

    岬先生が出るお話もあり楽しかったのですが、皆さんの感想にもあるように、ここから「さよならドビュッシー」に続くのかぁ...うーん...

    • あかぴさん
      お久しぶりです!
      面白かったですよぉ♪

      この後玄太郎さんがどーなるかと思うと...ではありますが⁉︎
      お久しぶりです!
      面白かったですよぉ♪

      この後玄太郎さんがどーなるかと思うと...ではありますが⁉︎
      2022/10/10
    • アールグレイさん
      どうなるのでしょうか?
      読みたい本がドンドン増えるぅ~!
      私は、嘘つきジェンガ、が終わり原田ひ香さんを読み始めています。
      ( ̄~ ̄)
      どうなるのでしょうか?
      読みたい本がドンドン増えるぅ~!
      私は、嘘つきジェンガ、が終わり原田ひ香さんを読み始めています。
      ( ̄~ ̄)
      2022/10/10
    • あかぴさん
      嘘つき...は、夏頃に出たやつですよね?
      気になってます〜
      嘘つき...は、夏頃に出たやつですよね?
      気になってます〜
      2022/10/10
  • さよならドビュッシー エピソード・ゼロ!
    香月玄太郎が、介護ヘルパーを引き連れて、豪快に謎を解く、5篇の短編集。

    反骨精神をモットーに、香月玄太郎は、不動産会社を興し、成功を収めた。

    脳梗塞で倒れた玄太郎は、下半身と両手指、言語中枢への後遺症を、不屈の精神と、介護ヘルパー・綴喜みち子の協力を得て、克服した。

    下半身が不自由で「要介護」認定を受けてはいるが、頭の回転が早く、口は達者。

    《要介護探偵の冒険》
    玄太郎が分譲した土地で建設中の家の中で見つかった、完全密室殺人事件。

    《要介護探偵の生還》
    玄太郎が通うリハビリ施設で、あわやのところで殺人を食い止めた、殺人未遂事件。

    《要介護探偵の快走》
    町内の老人ばかりを狙う、連続通り魔事件。

    《要介護探偵と四つの署名》
    犯人達との攻防が見事な、銀行強盗事件。

    《要介護探偵最後の挨拶》
    我らが岬洋介の協力を得て、解決した、国会議員毒殺事件。

    5篇目が、「さよならドビュッシー」の直前の話で、この後の進展を知っているので、読み進めるのが、複雑な心境。

  • おじいちゃんは何事にも、誰に対しても裏表なく正直だ。潔くて気持ちいい。こういうキャラは大好き。最後は「さよならドビュッシー」に続くんだなと思うとちょっと寂しくなる。

  • 「要介護探偵の冒険」
    「要介護探偵の生還」
    「要介護探偵の快走(チェイス)」
    「要介護探偵と四つの署名」
    「要介護探偵の最後の挨拶」
    の5編からなる短編集。タイトルにシャーロックホームズを感じますね。
    快走は回想のもじりなのかな?

    『さよならドビュッシー』で登場していた玄太郎さんが大活躍。
    そちらでは少ししか出てこなかったのであまりわからなかったけど、その我儘っぷり、言いたい放題っぷりにちょっとイラっとした。
    1編目で読むのをやめようかなと思ったのだが、これがなぜか、そのうち痛快な気持ちに変わってくるのだ。
    その通り、もっともだ、と。
    まあ、周りにいたら振り回されてばかりなんだろうけどね。

    『さよならドビュッシー』の登場人物も出てくる。
    この後は…と考えると切ない。

  • 筋の通ったおじいさん、嫌いじゃない。むしろ好き。
    でも他人を大声で叱責するとき、身内の居た堪れない気持ちは本当につらい。
    その内容が正しいとか間違いとかそういうことじゃなく、周りのなんだなんだ?という驚きの目と嫌悪感が怖い。
    うちの爺さんも反射的に外でも怒鳴る人だったから、幼心に恥ずかしくて申し訳なくてしんどかった…

    それに玄太郎さん本人は敵を作りまくってもいいんだろうけど、その恨みつらみが子や孫に向く可能性は考えてるのか?
    誘拐とか暴行を受けるとか、まだ幼い身内が酷い目に遭うかもしれないのに、思いのまま感情を爆発させて生きてきたことは理解できない。


    まあそんなことを感じつつも話はとても面白かったし、「さよならドビュッシー」の前日譚としても補完できた。
    リハビリのつらさに、そこまでして回復させることに意味はあるのかと段々疑問に感じていたら思わぬ結果になったり。
    車椅子レースは、タイトルから想像したのとは違う話でいい意味で予想を裏切られて嬉しかった。

    岬先生のシリーズを読み通したらまたこちらにも戻ってきたい。

  • 中山七里さんフィーバー継続中。後で気付いたのだが「さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)」と改題されている作品があると。でも図書館にあったのはこちら。この装丁もなんだからしくて良いじゃあないか。

    これは「さよならドビュッシー」で序盤に亡くなった、玄太郎爺さんが主役の短編集。スピンオフ作品。中でも介護者のみち子さん視点が面白い。そして玄太郎氏の言葉が身につまされる。昨今は、パワハラになるから…と言う理由で雇用主が何も言えない状況が蔓延っている。玄太郎氏にかかればそんなものは

  • 脳梗塞だったかなんだかで倒れちゃって死ぬと思われていたワンマン社長のじいちゃんが執念深く息を吹き返した。ただ、後遺症で下半身不随で車椅子。
    普通ならショボンとなるところをこのじいちゃんは言いたい放題のやりたい放題。
    近くにこんなにやかましいじいさんがいると辟易するけど、あまりにも正論でブレがない考え方にスカっとしてしまいます。
    真摯に生きるというのはこういうことかな?
    車椅子のレースの話とか感心します。競技用の車いす。ものごっついカスタマイズしたりするんですよ。
    勝つことにこだわるのっていいことだと思いました。

  • 孫のルシアという名を見かけて、あれ?さよならドビュッシーとつながってるのかなと思った。玄太郎おじいちゃんの正論には耳が痛くなった。最後の玄太郎おじいちゃんと岬さんの別れのシーンは、なんというか切なさを感じた。

  • 見事な連作!
    静おばあちゃんより好みだったかな。

  • 孫娘の名前のルシアで、どこかで聞いたような…と思い、若手のピアノ弾き、でもしや?と期待が膨らみました。『要介護探偵最後の挨拶』でやっぱり!と嬉しくなりましたが、『さよならドビュッシー』を読んでいる身には“この先”の物語は無いのだと寂しく思います。惜しい人を亡くしたなぁ…。
    この短編集の中では玄太郎が要介護になってしまった『要介護探偵の生還』が一番好きです。彼の不屈の精神と生々しいまでの“生命力” に元気をもらえます。傍若無人な振る舞いにもとれる玄太郎が沢山の人に好かれているのも、彼の筋の通った生き方に憧れるからでしょうね。彼の活躍をもっと見たかったです。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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