検事の本懐

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 810
感想 : 148
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796686822

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2作目。
    正直、1作目の印象があまりないのだけど、読みやすく、オススメ。主人公・佐方をあくまでも第三者目線でからしか描いてないせいか、彼の人となりが気になり、次作を期待してしまう。
    うまく説明出来ないのだけれど、タイトルから受けるほどの難しさもなく、独特の雰囲気のストーリー展開で惹きつけられる。

  • 前作「最後の証人」の主人公佐方が、検察官だっだ頃のエピソード連作集です。
    本作の方が圧倒的によいです。前作ではスーパー弁護士っぷりが少々鼻につく感じでしたが、今回は個々のドラマが主体で、必ずしも超解決していく必要もなかったからでしょうか。
    佐方ではなく、他の人から見た彼の方が魅力的でした。

  • ❁*.゚『借りを返せば、恩が返せるわけじゃない』

  • 短編集だからか、過去編だからか、前作程の勢いはなく、主人公も話によってバラバラなので集中力保たず。
    休み休み読書したいとか気分を切り替えたい時には良いかも。 
    佐方が思う正義や恩やそれに対するお礼が表れているかと思います。
    でも佐方の良さが分かるのは、佐方がいなくなってからというのは何だか切ないですね。
    それでも彼はゴーイングマイウェイでしょうけれども。
    次も過去編の短編集ですが、如何なものか……( ・ั﹏・ั)

  • シリーズ2冊目。主人公の過去に触れる話。
    1冊目で不思議に思ったことが書かれてあって、こちらを先に読まなくて良かった。
    悲しい家族の話だけれど、父を誇りに思う気持ちは羨ましいです。

  • 柚月裕子作品。4冊目。
    『佐方貞人』シリーズ第二弾を先に読んでしまった。が、第一弾の前の話とのことで問題は無いようです。検事時代の短編集。(第一弾の『最後の証人』を読まねば!)

    検察官はこうあるべきだという姿をそのまま具現化した、佐方検事の在り方に、らしさを感じました。信念や強さ、折れないところ、に、今後の活躍が楽しみです
    ◆拳を握る:役所、官僚、会社員。組織で働くには、最後は、方針に従わなければならないのだろう。そして、意見を通すには上層部に上がるしかないのか?。従えない場合は、拳を握るしかないのか。辞めたくなる以外の解決策はないのか?これも袋小路。
    ◆本懐を知る:恩人の秘密を墓まで持ってゆく3人の姿に、ふと、昭和の生き方のようなものを感じる。あるいは、それが人間本来の本懐だというのでしょうか。胸の内を曝け出すだけが生き方でないと。心に沁みる内容です。

    気になったフレーズは以下:
    ★遠目から見れば一面緑の樹海でも、目を凝らせば一本一本の樹の集まりです。私たちの仕事は樹海ではなく樹を見なければいけない
    ★人間も犬や猫と同じだ。痛い目に逢わなければ、自分が悪いことをしたという実感がわかない。罪を犯しても罰せられなければ、罪の意識は生まれない。人はまっとうに裁かれなければ、罪を繰り返す。
    ★あの人も本当は真面目な人だったのよ。真面目だから堕ちたのよ。
    ★取り調べを受ける人間は参考人という記号じゃない。親が付けた名前がある人間です。相手に真実を吐かせようと思ったら、人間として向き合うべきでしょう
    ★わしは物心ついたころから、生きるためだけに働いてきた。じゃけんお前には、世のため人のためになる仕事をしてほしい、と。

  • 佐方弁護士には、このような検事キャリアがあったんだ。ヤメ検というと、ときにダーティーな荒稼ぎ弁護士が浮かぶけど、『最後の証人』での彼は理性的だった。そのルーツを知る。検事としても論理的に真相を見極める理性を備えつつ、情緒豊かで人を思いやる。人に寄り添うからこそ見える真実があるというのが正しいのかも。短編いずれも、うるっとくる。彼の性格ならば、確かに検事よりも弁護士の方が適任なんだろう。佐方シリーズ、検事編が続いているみたいだけど、弁護士編もよろしくお願いいたしたい。

  • 短編集で、第三者目線から主役が書かれます。 主役の検事が警察の調査で不審に思ったことをとことん調査して、本当はこうでしたよ。と、警察や上の人達にせつめいする時は、こちらもワクワクしました。 しかし、その相手は話が進むと大きな組織相手になっていきます。 それでも、同じように進めていき、違うものは違うという主役検事が好ましく思いました。

  • 佐方の出生と人格形成の謎に迫る一冊。検事シリーズ、ハマりそうです。

  • 読後の充実感がすごい。

    事件の真実を追求する検事ありたいという使命を持って、上司や他からの圧力にも屈せず自分の信念を持ち続けるのがカッコよかった。
    「本懐を知る」は、それぞれの相手を思い遣る気持ちが、純粋が故に悲しい結末にもなっていて、短編ながら、一冊丸々読んだかのような読後感だった。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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