堕ちる (宝島社文庫 『日本ラブストーリー』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796698153

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  • 恋愛結婚、かわいい子どももいる、平凡な主婦。

    子どもの塾など少しずつのお金のために
    軽い気持ちでお金を借り始める。

    これホントによくある話で
    身近にもいるし
    このちょっとが膨らんでいって
    どうにもならなくなって行く様子が
    リアルにこわい。

    子どもの社会や男のしょーもない性癖や
    母親、パートなどのコミュニティの雰囲気が
    とにかくリアルだし
    マルチ商法とか詐欺みたいなのも含めて
    実在する話のような気がする。

    それが今は自分ではない、というだけ。
    そしていつ自分がそうなるかなんて
    特にこの今の状況では
    わからないんじゃないか。

    だからせめて
    男は性癖を隠しててほしい…
    妄想だけに留めててほしい
    やっちゃったら終わりだよ…

  • 夫と小六の娘と暮らすパート主婦が夫の制服泥棒疑惑に翻弄され、ブランド服をねだる娘なりの交友関係を理解し借金をし、化粧品のセールスや売春に手を染める。転落のディテールが自然で常に滑らかで引き込まれた。決して利己的ではない逃れられなさの末の決断が強い。結末後も、闇も抱えていた娘と何とかなって欲しくなる。

  • 一時凌ぎのキャッシングを重ねたり、苦し紛れに怪しげなマルチ商法に飛びつく純代にも転落の要因があったにせよ、ここまで彼女を追い詰めたのはやはり夫の裏切りが大きいのかなぁ。情は残っていても、最終的に許せなさが勝ったからあの結末なんだろう。これぞ妻であり母となった女の選択。涙は乾いて糧となる。軽やかに冷たく、ある意味爽快ですらあった。
    時折挟まれる過去の初々しい二人のラブストーリーの成れの果てとすれば、、、その落差にもまたゾクゾク。気迫のこもった心理サスペンス。

  • 職場で耳にした制服盗難の噂、家で見つけたセーラー服、町内に出没する制服狂の変質者…
    まさか、夫が犯人? 平凡な主婦の転落を圧倒的なリアリティで描いたサスペンス作品です。
    家族の描写がものすごくリアル。そして家族に見せない裏の顔、それもまた非常にリアル。
    毎日一緒に過ごす家族が本当の顔を隠していたら怖いと思ったけど、秘密は誰にでもあるし
    外面など使い分けているものですよね。小言がうざいから親の前でいい子ちゃんを装ったり
    笑顔で送り出した夫の悪口を言ったり、使い分けるからこそ平穏な日常を送れる…気がする。
    ともあれ、ハラハライライラと読み応えのある一冊でした。面白かったです。

  • 最後まで一気読み。ざわつきは残ったけれど自分が妻の立場なら子供の人生を守るために同じようにしたかもしれない。

  • ホンマにこんな家族ありそう。見事な堕ちっぷり。母親が借金したんがあかんかったんやね。

  • スカッと後味が悪い

  • 自己中心的な夫と娘、救いがたく悪くなっていく状況。
    憂鬱になっていく転落系サスペンスではあるが女性のしぶとさが最大の魅力でもある。

  • あぁ見てられない。どうしてそうなる〜?
    そこで立ち止まって、それでいいのか他にいい方法がないのか、ちゃんと考えるんだっ! 一人で何とかしようと(できると)思っちゃったの?と思いたくなるほど、一度転がり始めたら墜ちるテンポの速いこと速いこと。どれも大ヤケドする前に早めに修正できたらよかったのに。

    気軽にポイポイ借り入れできるキャッシングはコワイ。返済額がどんどん膨らんでいく請求書が届くようになったら気がヘンになりそうです。見栄を張らず、分相応に生活してやりくり心掛けて、堅実な生活が一番。

  • 些細なすれ違いで、転げ落ちてゆく人たち。怖い。誰にでもありうる。

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