スティグマの社会学 改訂版: 烙印を押されたアイデンティティ

  • せりか書房
3.44
  • (12)
  • (16)
  • (37)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 420
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796700436

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 障害者、犯罪者のような人達がそうでない人とのコミュニケーションをどのように行なうかを研究したもの。映画で黒人を見るとどうしても差別意識が働き、そういう気持ちを抑えようとすると、物事を素直に見ることができない。そういう気詰まり感について分かった気がした。

    誰にでも欠点はあり、そういう意味でスティグマのあるもの、ないものという区分が明確にある訳ではない。スティグマのある者ない者というのは状況に応じた役割に相当する物だということ。

    本の内容は良かったが翻訳がダメだった。グーグル翻訳になってるところもちらほらあった

  • 障碍・外傷・マイノリティ属性など=スティグマによってそれらを持たない多数者(本書では「常人」と呼ぶ)から峻別される人びとと常人との関係性について、およそ考え得る限りのケースを想定・分析しており、圧倒的な読み応え。最終的に、スティグマを持つ人と常人とはそれぞれが固定的な役割を担わされた個人のことではなくあくまで流動的・相対的な関係性の問題との結論には蒙を啓かれる。 本書は、スティグマを持つ者、を知るためではなく、スティグマと名指す者と名指される者の絶えず浮動する関係性を知るための書だ。

  • 「以上のことに含意されるのは、人間の特異性を理解したければ、特異な者にではなくて、平均的な人びとにこそそれを求めるべきだ、ということだ」

    僕は昔から特異なものが好きだった。それは今も変わらずそうで、宗教学というトピックを選んだのも、言ってみれば変な人やものや思想が好きだったからだ。

    その一方で、いわゆる平均的とされる人やもの、思想にはあまり目を向けてこなかったという事実がある。それはいうなれば、なぜ「特異」とされているものが「特異」であるのか、その社会的背景を見過ごしてきたということもある。自分を平均的な人であると決めつけ、その自分と違うものを見ることで、面白がっていただけなのだ。

    そういった見方も良かったけれども、もう一歩引いてみて、「なぜそれが特異なのか?」というところにまで視野を広げると、昔は興味のなかった「平均的なもの」が逆に面白くなる。その平均的なものも、例えば世界各国との比較のときに平均であるとは言えないという面白みもあるだろうし。

    ということで、最近は中二病をやや脱して?平均的なものに関心が出てきたよという話。

  • 「スティグマ」とは烙印の意。奴隷や家畜に押される焼き印を指すが、英語にはイエスの聖痕の意もあるようだ。つまり、この言葉には二重の憎悪が仕込まれていると考えてよい。

    http://sessendo.blogspot.com/2011/09/blog-post_551.html

  • 最終章に来てやっとまともに読める。スティグマから構成された強い社会的附置の上でひとがどのように振る舞うのかという試論は、常人がスティグマを持つことでどのように常人として振る舞うのか、というリアルな話題に引き寄せられる。スティグマによって生じるのは同族嫌悪であり、むしろ同族を超越したスティグマは聖痕そのもの。まったく、読み易くはない。

  • 当事者からの引用が豊富。スティグマとは?アイデンティティとは?

  • 【OPACへのリンク先】【講座選定:社会学】https://lib.asahikawa-med.ac.jp/opac/opac_details/?lang=0&amode=11&bibid=2000114972

  • 系・院推薦図書 総合教育院
    【配架場所】 図・3F開架
    【請求記号】 361.4||GO
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/186330

  • スティグマの社会学―烙印を押されたアイデンティティ

  • 「ビブリアバトル」で紹介されていたチャンプ本。

    でも、申し訳ないが、さっぱり、だった。
    何に魅かれて読みたいと思ったかもわからないぐらい、
    中身が理解できなかった。

    なんだか、ごくフツーのことを小難しく言ってるだけな気もするが。
    難しい、というか、訳がわからない、というのが正直な感想。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

(Erving Goffman)
1922-83。現代アメリカの代表的な社会学者。カナダに生まれ、トロント大学卒業後アメリカに移住。シカゴ大学大学院(社会学専攻)に進み、W.L.ウォーナーに師事。49年同大学で修士号を取得し、同年より51年までエディンバラ大学の社会人類学科に籍を置き、シェトランド諸島のフィールドワークに従事。
53年にその成果をまとめた論文でシカゴ大学より博士号を受ける。54年より57年まで合衆国国立精神衛生研究所の研究員として研究のかたわら、精神病患者の参与観察を行なう。カリフォルニア大学バークレー校教授、ハーバード大学国際問題研究センター特別研究員、ペンシルバニア大学人類学・社会学系教授を歴任。この間、61年マッキーヴァー賞を受賞、82年アメリカ社会学会長に選任される。本書(67)のほか、『行為と演技──日常生活における自己呈示』(59)、『出会い──相互行為の社会学』(61)、『アサイラム──施設被収容者の日常世界』(61)、『スティグマの社会学──烙印を押されたアイデンティティ』(63)、『集まりの構造──新しい日常行動論を求めて』(63)等の著作がある。

「2012年 『儀礼としての相互行為 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アーヴィング・ゴッフマンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャン ボードリ...
上野千鶴子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×