水の神: ドゴン族の神話的世界

著者 : マルセル・グリオール 坂井信三 竹沢尚一

• せりか書房 (1981年1月1日発売)

感想・レビュー・書評

[創作集団こるびたるさんの感想 · 2009年7月11日]

西アフリカ、ニジェール河沿いのバンディアガラ断崖に住むドゴン人は、イスラム教を受け入れず、伝統に忠実な生活を守っていることで知られている。本書は、フランス人民族学者が長老オゴテメリから開示されたドゴンの秘密の知識を聞き書きふうに記したもの。村の情景をおりまぜた記述からは、生活と密接に結びつき、豊かな象徴体系を備えた固有の思考のあり方が見えてくるが、読みどころは、異なる文化に属する二人が真理を共有するための、真摯な対話にある。