ウォンテッド (ShoPro Books)

  • 小学館集英社プロダクション
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本棚登録 : 37
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796871556

作品紹介・あらすじ

ウェスリー・ギブソンは絶望的な人生を送っていた。将来性のない仕事に神経をすり減らし、恋人は浮気に走り、あらゆる病気の疑いに苛まれていた。ウェスリーにとってこの世界はまさにどん底であったが、彼にはもう一つの世界があった…人生の薄皮を一枚剥いだその向こう側に。もしあなたが真実に目覚め、世の理を目の当たりにしたらどうするだろうか?もしあなたがウェスリー・ギブソンで、世界の底辺で苦境にあえぐ惨めなウスノロから、世界最凶のお尋ね者になったとしたら…。

感想・レビュー・書評

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  • 私の現在の人にプレゼントしたい本ナンバーワン、です。お約束を外しているようでしかし読み終わってみれば見事な王道的物語運びと気づかされる内容に痺れます。特に最後の1ページにはガツンとやられました。これこそ娯楽、アメコミ、エンタ!…あと、見た感じ本棚に置いといてもダサくないのが高得点。

  • 「キックアス」作者の描く、スーパーヒーローが絶滅して悪役だけになった世界の仁義なき抗争物語。日野日出志「地獄の子守唄」の現代アメコミ版といえよう(ラストシーンとか)。

  • 世界中の“オタク”に突き刺さるリアル!

  • 『キック・アス』で知られるマーク・ミラーの出世作。
    つまらない人生に絶望していた青年ウェスリー。その前に現れたフォックスと名乗る女から、世界の「真実」を知らされたことにより、ウェスリーの人生は大きく転換することになる…

    マーク・ミラーお得意の、「お約束」を程よく(ときにぎりぎりのバランスで)ぶっ壊す設定や展開、そしてメタフィクション的な寓意が冴えている。
    …のではあるけれど、そういう「どんでん返し」が早いうちに明かされてしまって、中盤のアクション部分以降、盛り上がりと驚きが尻すぼみになってしまっている印象。主人公が知ることになる世界の「真実」(というか要は「設定」)が実に強烈なだけに、惜しいというか残念というか。
    最後の一コマの、人を食った感じはかなり好き。

  • ウェスリーは絶望的な人生を送っている。将来性のない仕事に神経をすり減らせ、ガールフレンドは浮気に走り、あらゆる病気の疑いに心を苛まれていた。彼にとって世界はどん底にあった。だがウェスリーには「もう1つの世界」があった。彼の人生の薄皮一枚を剥いだその向こう側に……。世界の底辺で苦境にあえぐ惨めな“ウスノロ"から、世界最凶の“お尋ね者(ウォンテッド)"になったウェスリーは真の世界で何を仕出かすのだろうか……?
    映画は本書の大枠を切り取った物語にすぎない。
    もちろんアンジェリーナ・ジョリーパスタが演じたフォックスなどキーとなる登場人物はそのままだが、原作には凶悪犯の大便から生まれた“シットヘッド"や障害を持つスーパーヒーローファックウィドなどギリギリのキャラクターが登場する。奇抜なキャラクターも目立ってはいるが、秀逸な物語構成にはコミックファンも納得するだろう。コミック史上で最も大胆かつ興味深い結末を堪能あれ!
    このアメコミはもともとシークレット・ソサエティ・オブ・スーパーヴィラン(DCコミックのヴィランを集めたチーム)を主人公にしたストーリーだったので、作中のプロフェッサー(レックスルーサー的なヴィラン)とミスターリクタス(ジョーカー的なヴィラン)の抗争を軸にしたストーリーになっています。
    なんといっても型破りなのは、我々が住む世界は、コミックのヴィランがスーパーヒーローを倒して支配しているというマーク・ミラーお得意の逆転の発想に基づいている物で、つくづく原作通りに映画化して欲しかったと思わせる面白さです。
    ウェズリーがスーパーヴィランになるための修行やプロフェッサーとミスターリクタスの仁義なき抗争の漁夫の利をウェズリーとフォックスがかっさらう展開は、「キックアス」以上に悪党映画の極悪な痛快さがあって、見逃せない傑作です。

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