シン・シティ4

著者 : フランク・ミラー 堺三保

• 小学館集英社プロダクション (2015年3月23日発売)

感想・レビュー・書評

[daiyuuki24さんの感想 · 2022年12月17日]

アメリカン･コミック界のカリスマ､フランク･ミラーによるスタイリッシュなハードボイルド･コミックの名作『シン･シティ』｡全7巻におよぶ原書を4冊にまとめた日本版単行本シリーズがついに完結｡最終巻である本書には､シリーズ最長の物語である『ヘル･アンド･バック(HELL AND BACK)』を収録｡
退役軍人のアーティストであるウォレスと謎めいた少女エスターの戦いに満ちた愛の道行きには､それまでの『シン･シティ』の物語だけでなく､フランク･ミラー自身のキャリアも盛り込まれ､まさに最終巻にふさわしい読み応えがあります｡
海に身を投げようとしていたエスターを救ったウォレスが、エスターを連れ戻そうとする謎の組織と戦う中で、シンシティを牛耳るマフィアとつながる人身売買組織の秘密を知り壮絶な戦いを挑む展開が、フランク・ミラー自身のキャリアやお気に入りのキャラクターと壮絶なアクションを絡めて描いていて、シンシティ・シリーズのファイナルを飾るにふさわしい壮大なコミック・ノワールに仕上がっています。

[杉浦印字さんの感想 · 2015年4月24日]

詩人の心を持つ最強の兵士とは、’99年の作とは思えない先取り感。最凶の「施設」に思いがけないラスト。執筆時期と共にモードも変わったシリーズの最後らしい大盤振る舞いだった。愛あふれるゲストピンナップは、中でもGary Gianniのオマージュが最高！

著者プロフィール

●フランク・ミラー[作]……『ダークナイト・リターンズ』によって、それまでのコミックスの概念を覆し、アメコミ3大ライターの1人に数えられる巨匠。

「2020年 『スーパーマン：イヤーワン』 で使われていた紹介文から引用しています。」