学者のウソ [ソフトバンク新書]

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797337068

感想・レビュー・書評

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  • 言論責任保証というのは初めて知った。有効な制度だが、認知度が低いうちはほぼ無力に等しいだろう。また、マスコミの既得権益による巨大なウソは看過できないものだが、いつの日か崩壊するのだろうか?やはり誰かがTV局を買収するしかないのかも。官僚の予算取得のみが目的化されたウソもどうしようもない。

  • [ 内容 ]
    権威ある学者や学歴エリートたちによるウソは、メディアなどによって流通し、多くの問題を起こしている。
    そのような詭弁や強弁を含む言説に対して、どのように向き合えばいいのだろうか?
    本書は、ゆとり教育や少子化問題など多くの論点を通して文系・理系の学者やメディアのウソを暴き出し、本来の学問への道すじを示すことを試みたものである。

    [ 目次 ]
    第1章 学者のウソ(住基ネット論争のウソ ゆとり教育のウソ ダム論争のウソ 理系学者のウソ 文系学者のウソ ウソが生まれる背景)
    第2章 本来の学問(自然科学の方法論 自然科学の困難 文系学問の困難 ポストモダンの学問)
    第3章 学歴エリート社会の罠(マスコミエリートの倫理破綻 エリートによる「弱者ごっこ」論法 利己主義の暴走 既得権益としての学歴エリート 道具化する倫理)
    第4章 ウソを見破る手立て(学歴エリートに騙されない方法 言論責任保証の試み 新たな技術が社会を変える)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 学者も結局、中立にはなりにくい。
    それぞれが経験や研究に基づき主張がある。
    それを踏まえて意見を聞かないと。
    少なくとも、反論を聞かなかったり封じようとする人はだめ?

    文系学問はもっと難しい
    そもそも何をもって科学とするのか?
    科学=予測力を持つ知識体系を得ることを目的とし、
    その手段として再現性仮説に基づく実験と観察、
    法則の連続性を仮定した理論設計を道具とするもの。
    対象が自然現象か社会現象かの違い。

    博士課程出身フリーター
    結局自分の専門分野にこだわりすぎるから
    就職できないのでは?という指摘。
    (確かに。手厳しいが)
    学者をめざすエリートという強者を
    希望の定職にありつけないフリーター一員にし、
    強者集団への政策的援助を引き出す議論?
    代表がフェミニストたち。
    弱者のふりをする強者になっていないか、
    主張の中に職権による個人的利益の拡大がないかを確認。
    データがアジテーションになっていないか

    社会格差の拡大
    →自らの属する階層以外の人と接する機会が少なくなりつつある?

  • 学歴エリート社会の罠、筆者も学歴エリートの一人だから自己批判を踏まえて、というところでしょうか。女性専用車両に関する意見は過激ながらも爽快な感じ。目的と手段が混同している議論。確かになかなか見破りにくいけど、よく考えるとそういう論法は非常に横行している。

  • どこかで、この本が引用されていたので興味を持って購入。サヨク離れの理由は、サヨクが嘘つきだったから、という部分。他にもいろいろあるんですねぇ。

  • タイトルからすると
    単なる学者批判の書のようにも見えるが…

    そもそもの学問のあり方と
    マスメディアによる学問の取り扱われ方について
    途中で説明がされており、
    必ずしも学者を非難する内容にはなっていない。
    (書いている人がそもそも学者なので…)

    作者は理系の人間だが
    政治・教育・男女共同参画・メディアなど
    文型の関心領域についてもかなりカバーされている。

    学者の在り方に就いて考えてみたい人のみならず
    自分の専門外の学問について大まかに知りたい人、
    学問と社会とのつながりに関心のある人に
    この本はお勧めしたいと思う。

    また、これらの諸問題を
    「学者のウソ」という視点で見るのも面白いかもしれない。

  • 20071226
    学者・エリート・フェミニストのウソをたたく本
    メディア・リテラシー本かな。

    言論責任保証!をぶちあげて実践するなど、無責任な放言者ではない。

  • 2月9日開始
    2月10日読了

     学者というより学歴エリート批判。表面では社会のためといいながらも、自分たちの利益・既得権益を守るために活動している彼らを糾弾。

     その主張は概ね理解できるが、あまりにも十把一絡げで批評しすぎ。特にフェミニスト批判。

     終盤の解決策についてはちょっと実現性が無いと思うんだけど。

  • 『本に書いてあることは、値段とページ以外はデタラメだ」
    という考えを持って、本を読んでいるのですが。

    この本はわりと楽しめました。

    なかでも、自然科学、社会科学、人文科学の定義付けは体系的にも理解しやすく、すんなりと頭に入ってきました。

    世の中はインセンティブでつながっていると感じました。

  • この本を読んで誰が喜ぶのだろうか?と思ったのが率直な印象。科学者と称している人の中でもいい加減な人がいるだろうことは誰でもわかるし、その程度にしか信頼されていないのではないかと思える。「あるある」のように似非科学に影響力があるのはたしかだが、「学者」や「知識人」と呼ばれる人への信頼は、かつての帝大卒のエリートへのそれとは比較にならないほど墜ちている。それをいまさら論証する必要があるかなぁと思えたし、槍玉に上がっているのが社会学、女性学だから拍子抜け。厳密科学として信じて疑わない人の方がむしろ問題では?構成として、著者の言論責任認証のNPO法人のことから語り始めた方が、著者の立場が明確で、誰のために何の目的で語ろうとしているのかわかりよかったのではないか。著者自身のエリートとしての言論への誠実さと矜持はよく伝わるのだけに残念。

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著者プロフィール

掛谷英紀(かけや・ひでき)

筑波大学システム情報系准教授。昭和45年、大阪府生まれ。東大大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了。通信総合研究所(現情報通信研究機構)研究員を経て現職。専門はメディア工学。
著書に『学問とは何か』(大学教育出版)、『学者のウソ』(ソフトバンククリエイティブ)。近著に『「先見力」の授業』(かんき出版)。

「2021年 『人類の敵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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