そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生

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  • SBクリエイティブ
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レビュー : 118
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797340655

作品紹介・あらすじ

男は朝っぱらから大酒をあおり、女は陰で他人をそしり日々を過ごすどん底の田舎町。この町でよそ者扱いされた青年が、町民の大反発を買ったことから始まった感動の再生ストーリー。今では70代、80代のおばあちゃんたちが、売上高2億6000万円のビジネスを支え、人口の2倍もの視察者が訪れる注目の町に変貌した。著者が二十数年かけて成し遂げた命がけの蘇生術の全貌が明らかになる。

感想・レビュー・書評

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  • 徳島県勝浦郡上勝町。人口2000人、65歳以上の高齢者が半分を占める、超高齢化、過疎化の進んだ町。
    男たちは農協に集まって朝っぱらから酒をあおり、女たちは一日中他人の悪口に明け暮れ、母は子供に「あんたも勉強せんかったら、この町にずっと住むことになるんでよ」と言ってはっぱをかける。
    未来に希望を持てず寂れる一方だったこの町が、年間で人口の2倍もの視察者が訪れ、メディアがとりあげる注目の町に変貌した。
    著者が20数年かけて成し遂げた町の蘇生の軌跡を追う。

    この本に注目したのは、ずばりタイトルから。
    「そうだ、葉っぱを売ろう!」って!
    どこかの発展途上国で違法薬物を売る話かと思ってしまった(笑)。
    でもよく見れば表紙には満面の笑みを浮かべたおばあちゃん、そして「過疎の町、どん底からの再生」という副題。
    この本の「葉っぱ」は、料理に添えて飾る「つまもの」となる山野の葉や花のこと。
    都会の料理人が自分たちで山に入り採集していたころ、これを商品化すれば当たる!と考えた筆者が、農家を盛り立て、上勝町の一大ブランドに成長させるまでのお話なのだ。

    いや、うまく感想見つからないくらいすごい話だった。
    人はここまで、他の人のために働けるものかと思った。
    朝から晩まで人から見えないところで働き詰め、家族を顧みず、17年間給料のすべてを(つまものの研究のための)料亭通いや人脈つくりのための飲み会につぎ込み、身も心もすべてを上勝町の再生のために費やしてきた横石さん。
    この人の情熱、発想、機転、先見の明、行動力、交渉力、人間力…。
    そして、たくさんの人との間に築いてきた信頼、絆。世の中には、こんな人がいるんだなぁ。
    40歳を前に、子供の教育費のことから、転職を考える横石さんに、町の人たちの山のような嘆願が届くエピソードは涙なしには読めない。
    ただの葉っぱから、1パック250円の商品に。
    出ていくばかりの寂れゆく町から、若者らも帰ってくる魅力ある町に。
    高齢者になっても、仕事を評価されて社会から必要とされることがどんなに大切か。
    上勝町のおばあちゃんたちは本当にみんな生き生きとしている。

    全く家計にお金を入れず家庭を顧みない夫に、3人の子どもを抱えながら一切の非難をしないどころか、自分の働きから足りないお金をポーンと渡してくれたという奥さんがまたすごい。
    わが身を振り返り…いや、振り返るのはやめておこう、違いすぎて比較できない。
    横石さんがここまで身を尽くして仕事に打ち込めたのは、奥さんをはじめとする家族の支えあってこそ。

    「そうだ、葉っぱを売ろう!」
    がんこ寿司で、つまもののもみじを大切にハンカチに包む女の子を見たときに生まれた、天啓のようなひらめきがすべての始まりだった。
    読み終わった今は、これ以上のタイトルはないなぁと思う。

    “「ここに生まれて、本当に良かった」
     そう思える元気な街に上勝町が生まれ変わり、みんなの笑顔を見られることが本当にうれしい。おばあちゃんたちの笑顔が、自分にとっては最高の生きがいだ。”

    • MOTOさん
      素晴しいひらめきですね!!

      「そうだ、葉っぱを売ろう!」なんて♪
      でも、フイに湧き出るなんてことは有りえない。
      きっと、それまでずっと考え...
      素晴しいひらめきですね!!

      「そうだ、葉っぱを売ろう!」なんて♪
      でも、フイに湧き出るなんてことは有りえない。
      きっと、それまでずっと考え続けていたのでしょうね。
      過疎の村をどうするか…
      年寄りばかりの村はこの先、どうなっていくのか…
      不安をどうにかして打ち破る(打開策)は無いものか、無いものか?と、ず~っと考え続けていたのであろう、このおばあさんの生き方がすごく気になります♪

      元気が出そうな本のご紹介を有り難うございます^^♪

      2013/03/19
    • マリモさん
      MOTOさん♪

      こんにちは、コメントをありがとうございます。
      そうですねー、それこそ24時間ずっと打開策を考えていたのだと思います。
      上勝...
      MOTOさん♪

      こんにちは、コメントをありがとうございます。
      そうですねー、それこそ24時間ずっと打開策を考えていたのだと思います。
      上勝町は、今でも人口は減っているみたいですが、「元気」度では、もうほかの町に負けていないと思います。
      ちっちゃなことで文句ばっかり言っていないで、自分で動かないといけないんだなぁ、「変わる」ことは大変だけれど、変わりだすとこんなに変われるんだと、すごく元気をもらえる本ですよ!オススメです!
      2013/03/21
  • 大学院時代に出会った、自分のバイブルであり、コンパスとも言える一冊。

  • what a great idea! amazing his focus and energy! that's a www.!

  • ・価値は生み出すもの
    ・ゴミもやり方によっては高く売れる

  • むちゃくちゃ面白かった。帰宅中の電車の中で読み始めて乗り過ごし、戻る電車をまた乗り過ごして、もう一度出社してしまうところだった。文章は上手いとはいえないが、当事者が書いているから迫力は満点だ。

    人口2000人、2人に1人は65歳以上の高齢者という、四国は徳島の小さい町、上勝町。この町に、平均年齢70歳で、年収1000万プレーヤーが何人も出るような事業が存在する。しかも売っているのは「葉っぱ」・・・というところが面白いのではない。いやそれももちろん面白いんだけど、何より面白いのは無茶な若者がたった一人で2000人の町と、そこで暮らす人々を変えたこと。そして年寄りたちが喜々として働き、暮らし、若者も戻り始めた町になっていったことだ。
    これ映画にしたら面白いんじゃないか、と思ったらもう映画になってた。観よう。

    ビジネスの参考書として読むこともできるのだろうとは思う。だが本書に魔法の使いかたは書いてない。現場を重視すること、働く人に寄り添うこと、売れるシーンを想定すること・・・基本中の基本とも言えることだ。しかも著者は働き始めて17年、給料を自腹で勉強と取材をするために使ってしまって、家には一銭も入れていないそうだ。奥さんと子供3人は著者の親がかりだったそうだ。それがビジネス成功の秘訣だ! と言われても読者は困るだろう。
    ビジネス本として読むのはもったいないと思う。

  • 7月

    おばあちゃんたちの笑顔とそこから広がる町全体の明るい変化。
    どんなビジネスでも、
    現場ひとつひとつ、一軒一軒を回り
    向き合い続けることが何より大事なんだと 改めて。
    そういうことは忘れずに地域と関わりたい。

    勝山に行ってみたくなった。

  • 生きがいを見つけた話。
    現場主義を実直に貫いた著者の謙虚さを見習いたい。
    命をかけてはたらいている行動に賛否はあるが
    生きがいをを見つけ行動していることは幸せなことなのであろう。

    手紙の話はさすがに泣く。

  • 素晴らしい本。
    ミカン産業が打撃を受けて危機に陥った農村を、外部から訪れたただの農協職員が再建していく、その半生。けっして自分の自慢げに書いているのではない。

    無私の人間の情熱に感服。
    ビジネス狙いで事業を立ち上げたのかと思っていたが、そうではなかった。彼の行動の凡ては、たった一人で改革を目指し、女性や高齢者の自立をめざし、他人から請われ、やがて役場職員や経営者となっていく。

    離村しないでほしいという嘆願書の部分は読むと涙がにじむ。給料を家庭に入れなかったというのはどうかと思ったが、農村出身者の奥さんやご両親の理解あってのこと。

    経営者たる者こうでなくてはならない。


    この本のなにが素晴らしいかというと、ただの地域振興策によくある、お金をばらいての若者移住などではなく、地元民それも高齢者の知恵や経験、勤勉さを活用しきった点。しかし、彼がいないと士気が衰えていくという将来的な問題点も指摘されつつある。

    農村のみならず国全体の疲弊は、ひとひとりが自分が主役となって活躍していこうという気概の欠如にあるのではないだろうか。

  • 著者の仕事に対する圧倒的な熱意とひたむきさ、そして行動力に脱帽。
    働いて評価されることは、80歳、90歳になっても生き甲斐になるんだ。私も社会とつながっていられるおばあちゃんになりたい。

  • 流れについて学べる本!

    気を注入していく!

    本には少ししか描かれていない横山さんの努力とそれが日の目につくまでの期間を考えるとほんとに大尊敬です!
    「絆は磨かれた自分が得られる最高の持ち物」もっともっと自分を磨いていくことを決めました!
    周りをも幸せにするほどの結果の裏のコミットと努力、そこを自分もやるψ(`∇´)ψ!

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プロフィール

1958年徳島県生まれ。株式会社いろどり代表取締役社長。徳島県農業大学校園芸学科卒業後、上勝町農協に営農指導員として就職。16年連続で農産物の売り上げを伸ばす。91年に上勝町役場に転籍。山の資源を生かした商品開発で全国的に注目を浴びる。96年、産業情報センターと株式会社いろどりの責任者として、特産品の彩(いろどり)をはじめ、香酸柑橘、しいたけ、お茶の企画販売を行う。 2002年役場を退職。株式会社いろどり」の専務に就任。代表取締役社長として現在に至る。2002年にアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー日本大会特別賞受賞。2003年ソフト化大賞受賞。2007年ニューズウィーク日本版「世界を変える社会起業家100人」に選出される。2012年彩事業を舞台とした映画『人生、いろどり』が全国で上映。2014年徳島県表彰を受賞。四国大学特任教授も務める。

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