訳せそうで訳せない日本語 きちんと伝わる英語表現 (ソフトバンク新書 62)
- ソフトバンククリエイティブ (2008年1月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797345582
作品紹介・あらすじ
同時通訳の第一人者が教える、曖昧な日本語をスムーズで自然な英語に訳すコツ。「善処する」「風通しのいい」「筋を通す」「懐が深い」など、よく耳にするけれどもいざ英語に訳すとなるととっさに思いつかない。そんな75の日本語を描出し、400余りの用例とともに解説。さらに英語のセンスを磨きたい人は必読!ジャパンタイムズ刊行の人気書籍を大幅改稿、復刊。
感想・レビュー・書評
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英語と日本語は一対ではないことがよくわかる。
同時通訳者の先駆け的存在の小松氏ならではのきめ細かい日本語の観察と、文脈に合わせた英語の選択。
訳出するときには音に反応するのではなく、日本語を日本語で訳し直す必要があることを解く本は他にもあるけれど、同じ英語の繰り返しを避けられるように例が複数挙げてあるのがよい。
「ここには挙げられていないけれど、これもありかなぁ」などと頭の体操も兼ねつつひとまず読了。インプットは全て終わったわけではないので、今後もひもとく予定。電車の中など持ち歩くのにも軽くてよろし。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
同時通訳の第一人者である著者による、主に政治や経済の場で使われる「あいまいな」日本語表現を中心に、それらの表現の効果的な訳出について、豊富な訳例を紹介した本。「甘い」、「一喜一憂する」、「メドが立つ」、「味のある」などの表現を、政治家や経済人の実際の発言とともに、その約例を紹介している。
要するにどういう気持ちを出そうとしてその表現を使っているのか、ということを考えて訳出することが大切だということが分かった。また、「苦労する」が「必要な努力をする」というポジティブな意味か「難儀、困難」のようなネガティブな意味か、でこの意味の時はこれ、この意味の時はこれ、という感じである程度訳出のパターン化もできるということが分かった。それにしてもこの本を読めば「展開する」とか「風通しのいい」とか、イメージだけは前向きだけど肝心の内容が不透明な語がいかに政治家の発言に多いか、またそれに慣れてしまっているか、ということを今更ながら考えさせられる。(09/02/--)