カラクリ荘の異人たち 3 ~帰り花と忘れ音の時~ (GA文庫 し 3-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797354126

感想・レビュー・書評

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  • 溶けた雪女の六花ちゃんが可愛らしかったです。
    あと鈴子さんと太一。鈴子さんも悪い人じゃないんだろうけれど、自分の想像だけで実際の太一を見てるわけじゃない。太一君は空栗荘できっと分かるようになっていく、とうか取り戻してくんだろうけで、彼女の方はどうなってくのかが、ちょっと気になった。

  • ちょっとだけ、感情が成長していました。

    何故再婚相手は不得意な料理を作り続けるのか。
    何故実家を離れて暮らさねばならなかったのか。
    たくさんの『何故』がかなり解決されました。
    あぁなるほど…という感じです。
    言葉も態度も大切だな、と。
    ある意味、思い込みも大切?w

    始めての喧嘩に、初めての感情。
    育つのを止めていたものが育ち始めて…いい事、ではないでしょうか?
    色々な場面で、色々とそれは大事な事ですし。
    いやでも、別の意味で相手を思っての台詞だった…はだったので
    嫌みだと、思わなければ、別段…な物言いだったんですが。
    難しい、ですね。

  • “―――君は他の人のことなんか、何も見てないよ。
    自分が何を見ていなかったのか、もう一度考えたらわかるだろうか。
    ずっと先延ばしにしていた、その答を見つけられるだろうか。
    (家に……)
    太一は唇を噛んだ。
    (家に帰ろうか)
    父とその再婚相手に、家に帰ってもう一度会ってみよう。
    空栗荘に来てから初めて、太一はそう思った。”

    溶けた雪女にとりつかれた太一が色々なことに気付き初めている話。
    雪女は、あれかな、今はやりのツンデレかな(多分違)
    健気に頑張る采奈も好き。
    この物語はあと一冊で完結だと。
    采奈には幸せになってほしい。
    でも鈍い太一が好きだ。

    “「あ、編み目とかとんでるしっ」
    太一は手袋をはめた自分の手を、ぐっと握りしめた。
    思い切って、言った。
    「……でもこれ、暖かいから」
    「え?」
    采奈は驚いたように彼を見た。”

    空栗荘の人は皆好きだ。
    だって、面白い。
    鈴子さんも意外だったけど好きだ。
    可愛い。

    “「大丈夫、太一君?」
    まだ畳の上で潰れている太一の傍らに、心配そうに古都子が屈み込む。
    「は、はい。なんとか」
    そうか覚悟ってこういうことか。でもそれだったら先に言っておいてほしかったと、太一は思った。
    「やれやれ。どこまでいっても力業な男じゃのぅ」
    「まったく乱暴だねぇ。女にはもうちょっと優しくすることを覚えないと、あれは先々苦労するよ」
    「オイラ、何があってもあいつだけは祓われたくねえ」
    ひそひそ。妖怪たちは聞こえよがしに囁きあっていたが、
    「―――うるさいで、おまえら!」
    ミヨシに剣呑に睨まれて、素知らぬ顔で口をつぐんだ。”

著者プロフィール

大阪生まれ。『出てこい!ユーレイ三兄弟(ブラザーズ)』でデビュー。ファンタジーとホラーのジャンルで活躍。「封殺鬼」シリーズ 、「カラクリ荘の異人たち」シリーズ、「九十九字ふしぎ屋 商い中」シリーズ、「あやかし同心」シリーズほか、著書多数。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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