ソーシャルメディアマーケティング

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797358353

感想・レビュー・書評

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  • これ読んでも実践する企業はないだろうな。

  • 本書は、小川 浩氏と小川 和也氏のマーケティングユニット【オガワカズヒロ】(@ogawakazuhiro)による著書。よくあるツイッター本とは一線を隔しており、企業のマーケティング・コミュニケーション的な考えから、その企業の持つ製品や企業ブランドのポテンシャルをどのように引き上げるべきかを考える、良書である。

    いわゆる、これまでのプロダクトマーケティングではキャズムという言葉が頻繁に使われ、そのキャズム=コモディティ化一歩手前(夜明け前)に持っていくことこそが、ただしいという流れであったが、この本書ではそこから一歩踏み出し、ツイッターが生み出すソーシャルストリーム(造語)をどのように活用し、どのように定点観測し、効果的に資本を透過していくべきなのかを筋道を立てて解説している。

    ここで、重要なのが、マーケティングとは現在における経済戦争の戦略であると定義しているところで、ツイッターなどは相手を攻略するための兵器とみなしているところだ。それも戦術クラスではなく戦略レベルでの。故に、参考文献はチェ・ゲバラであったり、孫子であったりとユニークである。

    また、Blog自体では、コメントやTBをどれだけ活用するかが争点であったが、偽情報商材の氾濫からか、ほとんどがスパムポストに成り果てていた。しかし、ツイッターにおけるRT(ReTweet含む)という概念が解決しているのではないか、むしろRTを以下に誘発させるかが企業価値の向上につながるのではないかと言う点に着目している。

    ただし、先日のUCC事件(Botによる無差別テロ)のように人の血が通わない施策は失敗に終わるということは自明である。

    さて、このツイッターと言う武器は大企業よりも局地戦を挑む、中小企業が保有し、有効活用した方が良い小回りがきく良いものだと私は思っている。ツイッターの創業者の一人、ビズ・ストーンもツイッターは人間力の勝利だとGoogleへのアンチテーゼとして語っていたりする。それに呼応するかのように企業アカウントも広報担当が血の通ったやり取りを行っているのが実情である。

    さて、本書はツイッター本ではない。当然USTREAMにも、海外のソーシャルメディアマーケティングについても掲載されており、どのように有効活用すればよいかを値段見合いで記載がされている。そして、自社のSM3というROIの壁を乗り越えるための効果測定ツールを後半では解説しているのである。
    たしかに、ROIは担当者にとっては常に頭の痛いところで、100万円の投資でなんぼ最終的にどれぐらいの期間で儲かるのか(もしくは回収出来るのか)を説明するのは大変なのである。それを解決できるツールがあるとなるとすれば、マーコムの担当者は喉から手が出る程欲しいものだろう。

    このように小川さんはどこにいっても商売上手なのでした。

  • TwitterやYouTube、ブログ、Facebookなど、外部のプラットフォームに公式アカウントやコンテンツを作り、インターネット上のユーザーに自社ブランドを認知してもらい、サービスの売り上げ増につなげる戦略が「ソーシャルメディアマーケティング」だ。そして本著の位置付けは「ソーシャルメディアマーケティングという新しい戦略を社内で検討するための補助的資料」である。

    その位置付けの通り、本著は企業の規模や市場でのポジションに沿って、企業が取るべきソーシャルメディアマーケティング戦略をまとめたものだ。第3~6章では、企業を4つのタイプに分類し、ソーシャルメディアをどう使えば何かしらのROIに結び付けられるかを、幅広く論じている。もちろん、ソーシャルメディアを使えば万事がうまくいくとは一言も言っていない。企業規模が大きければマス広告を主体にソーシャルメディアを補完的に使う、小規模の企業ならTwitterにフォーカスしたマーケティングを行った方が効率がいい、など読者の所属する企業を想定し、多数の選択肢を与えてくれている。その中から自社に合うマーケティングの手法を吟味するというのが、この本のうまみを最大限に味わう読み方だろう。

    「プロダクトアウト」を主体として、何年も商品やサービスの開発に時間をかけ、市場に送り出した時には消費者の嗜好が変わっており、売れない。これが今の消費者像。これに対し、ソーシャルメディアを使うと、インターネット上の消費者の声を即座に収集することができる。消費者と直接会話をすることも可能だ。ソーシャルメディアにより、「マーケットイン」のサービスや製品開発ができるかもしれない。しかもソーシャルメディア化が避けられない今のWebにとって、企業はいち早くそのソーシャルメディアマーケティングを実践してみたほうが、良い意味でいろんな経験ができるという。ソーシャルメディアに対して二の足を踏んでいる企業は、この本を参考にするとマーケティングの新たな潮流を感じることができるのではないか。

    個人的には、「第1章:ソーシャルメディアを理解する」を興味深く読み進めた。Web上のどこかの場所に蓄積されたコンテンツに加え、TwitterやFacebookなどのプラットフォームを即時的にかけめぐる情報に一定の価値が生まれている。iPhoneを含むモバイル端末の普及がそれを後押しし、2010年以降のわれわれの情報の触れ方を大きく変える可能性を感じた。今Webの世界で起きている変化の概略を知りたい人は、この部分だけを読んでみるのもいい。

    ちなみに、本著で多用される「マーケティングは戦争」という表現に対して、Twitter上で議論が起きている。それを見る限り、生粋のマーケッターからすれば、市場を作り出し顧客に満足してもらうことがマーケティングの本流と考える。一方著者の小川氏は、企業規模や市場のポジションに応じた戦略があり、例えを用いてそれを分かりやすく伝えるために、一連の表現を採用したのだと推察される。

    本著にも記述されている通り、小川氏が導き出したソーシャルメディアマーケティングの戦略は、「日々の実践と試行錯誤から得られた経験則だ。いわば天国に行くための道を探した結果からではなく、地獄に堕ちる道を避けまくって得た知識と勘だ」と言い表している。その「知識と勘」が基になっている定義なので、「マーケティング=戦争」といいう意見は鵜呑みにしない方が良い。個人的には、戦争という表現は戦略を分かりやすく伝えるためのメタファーであり、それをそのまま受け取らなければいいだけだ、という結論に至った。

  • 【読書】ソーシャルメディアマーケティング オガワカズヒロ100503

    【要約】
    ブログやサイトのような静的なコミュニケーションの時代から、twitterなどのリアルタイムなコミュニケーション=ストリームの時代における、企業のSMM戦略・戦術について書かれた本。SMMは強み=リアルタイム性・消費者との直接対話と、弱み=アテンション奪取力の低さを認識した上で、目的に沿って最適な戦略をとることが重要と説く

    【感想】「われわれはジャーナリストではなく、まさしくTwitterを軸としたソーシャルメディアマーケティングを実際に行っている企業の経営者だp.4」と書かれているように、ハウツーものに近い。だから小さい雑貨屋さんや、レストランにとってのSMM入門書としてはぐー。大企業などのIMCを考えなければいけない会社はこれだけでSMMに取り組むのは危険かと。残念だったのは、インタラクティブな対話の事例が少なかったこと。たとえばSBの障害者割引みたいな事例を出して欲しかった。それがなかったから、今までの「広告」の枠組みからジャンプした感はなかったなぁ。個人的な課題としてはリアルタイム性をどうやって生かすかってことかなぁ

    【引用】
    テスラ(電気自動車のベンチャー)の事例
    「つまり、これまでのようにB2C的なサービスを使って広告事業を狙うのではなく、B2Cサービスを使って自社を広く知ってもらい、実際にはB2B企業であることを目指す。それも今後のベンチャーの有効な戦略の一つだろう」p.170

    「ソーシャルメディアマーケティングにおけるペルソナとは、情報を発信する側に当てはめるペルソナだ(中略)そして、ストリーム時代のソーシャルメディアマーケティングとは、企業が一般の消費者と同じように、ソーシャルメディアに参加することから始まる」p.191

    「SMMペルソナには次のいくつかのパターンが考えられる。
    ①現実の人格をそのまま使う
    ②スタッフとしてペルソナを使う
    ③架空のキャラクターを使う(例:ガチャピン、毎日新聞のコッコちゃん
    ④ボットを使う」p.191

  • 内容はなかなか面白いですが、すぐ戦争に例えるのが少し違和感があります。

  • 例えが、全て戦争モチーフなのが、鼻につく。

  • 読んでいる途中だが、わかりにくい例えが多すぎて読者の混乱を多少招く気がする。というか、無駄なたとえを省き、本題を多めにしてほしいと思った。

  • シンプルで、わかりやすいです。

    一読の価値はあります。

    自分がいかに進化の流れに乗り切れていないか、痛感してます。

  • ソーシャルメディアマーケティングの実践のための一冊。特に企業のコミュニケーションプラン策定に、役立つだろう。文章も読みやすく、的確にわかりやすくまとめられている。

    おまけに版形が片手に収まる縦長で、さらに横書きがトピックとマッチしており、カタカナを読みやすく/発想を邪魔しないつくりになっている。

  • Twitterに代表されるソーシャルメディアをいかにビジネスに結びつけていくかを多数の事例と共に示した好著。

    ソーシャルメディアマーケティングの戦略と戦術を、
    ・市場リーダーの「防衛戦」・二番手三番手起業の「直接対決」・中小企業の「ゲリラ戦」に分類し、具体的にその手法を解説している。

    またソーシャルメディアとマスメディアの使い分けや
    どうやってクライアントを説得するかといった、
    現場レベルで起こりうる問題点についても触れているのが
    実用的といえる。

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