科学でわかる男と女になるしくみ (サイエンス・アイ新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797362107

感想・レビュー・書評

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  • 絵は漫画っぽくて中高向きかと思ったが内容は大人が読んでも面白いレベルのものであった。
    性の決定というのものにいかに自分が無知であったかがよくわかった。
    とにかくいろんなパターンがあり、一概にこれだからという理由で性別の掛け違いが起こるわけではないと知った。
    (自分メモ:正しいかは自信なし)
    遺伝子的男子ー性器分岐時は男性ホルモンあり、心の性別分岐時に男性ホルモンがでなくて女性化
     内性器は男性だが・外性器は女性化しており、女性として育てられ生理がこなくて初めてわかるという例もあり。
    遺伝的女子ー男性ホルモンが多く出る病気によりが心が男性化

    本当ささいな胎児期の男性ホルモンや性決定遺伝子の掛け違いによって様々な性が生まれるということを学んだ。
    教養として読んどくべき。
    またトランスジェンダーを含め、性別で悩む人々にたいするだいぶ見る目が変わるのではないか。
    男性ホルモンが体・心の性別をきめるのに重要な役割をしているため、男性の方がかけちがいによる影響がでやすい生態のようだ。
    自分の知らない病気があって、苦労をしている人々がいるのだとおもった。
    ペニスが事故でなくなり、赤ん坊のうちに切除、女の子として育てられてしまった例は不憫であると思った。性別決定は大人にならないと答えが出ない長いスパンの問題であり家族と本人は大変であろうと苦労がしのばれる。

  •  ライトな学術論文のような感じで読みやすかったです。
     表と数字の関係の説明や、著者の主張が少し分かりにくいところがありますが、保健体育で習わないようなことを知れて勉強になりました。
     
     Sexual Identityを性同一性ではなく「性自認」の和訳を使っている点、Gender Identity:ジェンダー との違いなどから始まり、見た目だけでは分からない性差や、本人でさえ気づかないパターンがあることを知り、改めて「自分は◯◯だから男/女です」と自信を持って言えるのか、考えるキッカケになりました。
     最後の方の胎児期のホルモンの影響で性別が分かれていくこと、「体の四つの性 -性線•内性器•外性器•第二次性徴-」へとつながっていく部分が、知らないことばかりで面白かったです。

  • カラーだし図やイラストも付いていて可愛くて読みやすい!中高生でまだジェンダー論がよく分からなくてもこの本なら入門的に読めると思う!
    男、女という定義はとても曖昧で、性器で分けようとしても染色体で分けようとしても、完全には二分できないのがよくわかる。
    また、女子は数学が苦手というのも、周りから数学ができないと言われ続け自分自身で思い込んでいる部分も大きいというのは納得した。

  • トンデモ本よりは随分マシだが、、どうも統計処理が気にくわないんだよね。確かに自然物は正規分布に近いものはあると思うんだけど、標準偏差も全部同じに見なすってのが納得いかない。かなり強引な印象を持つ。調べたことないから分からないけど、ものによって標準偏差が随分違うんじゃないかなと言う印象を持っている。そこんとこ説明してくれないから納得できん。

    主にホルモンで性別や性自認、性的指向を説明している。でもわたしみたいにいわゆる好きなものが「男の子っぽい」人は、どういう説明になるの?「個人差がある」はぁそうですかって感じ。

    生物学的に男女の性差は見られるという。けど、社会的要因もかなりあるという。だから男女差はあるから区別すべきという保守派も社会的要因があるから男女差別はなくすべきだというフェミニストも関係ないという。

    関係ないわけないじゃん。関係ないんだったらなんで現実に国連で「女性差別撤廃条約」なんてできるわけ?現実に差別はあるわけよ。まぁ、純粋に科学的デ-タを使って都合よくあれこれ言って欲しくない、という気持ちを持ってるんだろうけど。。現実はよく見て欲しいと思った。

    DSDについては割と理解があり、詳しい感じ。DSDではなくわざと「インターセックス」って言ってるのは、DSDが性分化「疾患」、という病名で語られてるかららしいけど、でも本人も症状を説明するのに「病気」って言葉を使ってるんだけど。。なんかあれこれ矛盾を感じるんだよなあ。

  • 所在:展示架
    資料ID:11200135
    請求記号:491.35||A93

  • これは面白かったです。あまりに面白く、読みやすかったため、ずっと「インチキ本」(面白さ・読みやすさ優先のいい加減本)を疑っていたほど。「性同一性障害の人々は、心と体の性の一致しない人々のほんの一部」だけでも読んだ意味がありました。

    とても面白い本。性分化について自分が何も知らなかったことを知​った。「ヒトはメスに生まれてオスになる」くらいの知識はあった​が、性には4つあること(性腺、外性器、内性器、第2次性徴)も​、XY染色体の役割も、男性ホルモンの役割も知らなかった。サブ​タイトルにあるように「性染色体だけでは決まらない」模様。今、​片思い@東野圭吾を読み返すと、もっと深く楽しめるような気がす​る。

  • 大変に良心的な本だと思う。一般向けだがデータや引用の出典を明示し、参考文献表、索引もついている。専門的なものをきちんと読み込んだ上で、フルカラーの図表、イラストも用いてわかりやすく説明している。最近の脳の生成に関する説明が特にわかりやすい。著者は若手動物学者。惜しむらくは、2か所で言及されているフェミニズムについての浅さ。さすがにそこは専門外なのだろう。

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著者プロフィール

お茶の水女子大学理学部数学科卒業、オレゴン州立大学動物学科卒業、
プエルトリコ大学海洋生物学修士、ハワイ大学動物学Ph.D
現 在 長浜バイオ大学バイオサイエンス学部准教授
著 書 『科学でわかる男と女の心と脳』(2010年、ソフトバンク・
    クリエイティブ)、『科学でわかる男と女になるしくみ』(2011
    年、ソフトバンク・クリエイティブ)
訳 書 『実データで学ぶ、使うための統計入門』(共訳、2008年、
    日本評論社)

「2019年 『生命科学の実験デザイン[第4版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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