次世代共創マーケティング

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797375930

作品紹介・あらすじ

Spray and pray(テレビCMを打って、あとは祈るだけの従来型広告)から脱却し、
自社の「指名買い」を増やすため消費者を仲間に引き入れる方法とは!?

TwitterやFacebookの活用で百万人規模の消費者とエンゲージメントを結ぶことが可能になってきたが、
つながった消費者と共に何をつくり出していけるのか。
一方、従来のリサーチでは十分につかめない消費者の本音をどう探っていけばいいか。

2つの課題を解決する鍵が「共創コミュニティ」づくりだ。

欧米ではすでに半数の大手企業が、オンラインコミュニティを調査に活用するという。
日本においても消費者参加型プロジェクトが増加し、 「共創マーケティング」 への興味関心が着々と高まっている。

本書では、2014年にかけて、多くの広告宣伝・マーケティング・PR・リサーチ担当者が
当事者として取り組むことになるであろう 「共創マーケティング」 について、
ソーシャルメディアマーケティングとMROCそれぞれの第一人者が豊富な事例取材をもとに、
「ブランドづくりに役立つコミュニティ作りのエッセンスを示す。

Introduction 共創の萌芽―「ブランドのファン育成」から「ファンと育てるブランド」へ
Chapter1 なぜいま「共創」なのか
Chapter2 顧客を知るとはどういうことか
Chapter3 リサーチからコミュニティへ
Chapter4 共創コミュニティの構築
Chapter5 「共創」を実践する先進企業

感想・レビュー・書評

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  • 企業は商品を提供するだけでなく、
    商品を、どんな風に使うの?誰がつかうの?どんな時に使うの?どんな感じだったらもっと使いたい?
    と掘り下げてアンケートや座談会を開いたり、ユーザーの意見を積極的に取り込んでいく。
    ユーザーも、享受するだけでなく、自らが開発に携わった満足感から、コアなファンになっていく。
    押し付けるだけのマーケティングからユーザーと共につくっていく「共創マーティング」、色んな事例が掲載されていて、楽しく読めました。

  • ・ 共創は企業と顧客がフラットかつ相互信頼によって結びつく
    ・ 5段階の顧客
    ① トライアル購入をしてくれたが、気に入らず、次から測ってくれないトライアル顧客
    ② 価格やキャンペーンに応じてブランドスイッチを繰り返す日和見顧客
    ③ 強いロイヤルティはないが特段不満足もないので何となく買い続けてくれる継続顧客
    ④ 強いロイヤルティを持ち、価格に左右されずブランド指名買いをしてくれるロイヤル顧客
    ⑤ 身近な友人や知人にも推奨をしてくれるエバンジェリスト
    ・ 企業だけが情報を持ち、消費者は情報を持っていないという「情報の非対称性」が崩れ、場合によっては消費者の方が企業より情報を有している状況まで出てきている
    ・ 共創コミュニティの特徴のひとつに、顧客の参加・発言・回答に対して、原則としてインセンティブを提供しないことが上げられる
    ・ Awareness > Evoked Set(純粋想起で三つ以内に入ること) > Emotional Engagement
    ・ コミュニティ感情①「われわれ意識」②「役割意識」③依存意識
    ・ 依存意識はRecency / Frequency / Engagement(双方向的なかかわり合い)に大きく影響を受ける
    ・ マーケティングの構成要素はProduct / Price / Place / Promotionだが、日本はPromotion偏重
    ・ 最終的にボスである消費者の判断で意思決定がなされるなら、先回りして彼らがなにを望んでいるかをとことん理解せよということだ
    ・ 受動的で集団的な欲求はニーズといえただろうが、能動的で個人的な潜在欲求は、もはやニーズではなくウォンツとなる
    ・ Stimulus > Zero moment of truth(店舗に行く前に購入を決めている) > First(shelf) > Second (Experience)
    ・ マーケットインが「顕在化した顧客ニーウ」に対応する手法であるのに対し、プロダクトアウトは「顕在化していない顧客ニーズ」を刺しにいく手法
    ・ 共創マーケティングの根幹戦略は5つ。「傾聴」「会話」「活性化」「支援(顧客同士の助け合い)」「統合(顧客のアイデアをビジネスに組み込む)」
    ・ エンゲージメントの6か条
    ① 自己表現できる環境を構築せよ
    ② コミュニケーション・ループを完成せよ
    ③ 真の意味でのコミュニティを醸成せよ
    ④ 募集と維持では戦略が異なる
    ⑤ 業種業態に応じたエンゲージメントスタイルを築け
    ⑥ あらゆる方法でメンバーに報いよ

    ・ 企業と顧客の双方に価値のあるテーマ設定
    ・ 共創コミュニティの成長ステップ ①参加しやすいお題設定(だんだん難しく、自由度高める) ②プロセスを共有し、帰属意識を持たせる ③適度なゲーム性を取り入れる
    ・ ポジティブな情報もネガティブな情報もすべて許容される場だからこそ、顧客はその場を信頼するのである
    ・ 共創マーケティングは、顧客にアイデア開発を頼ることでも、意思決定をゆだねることでもない。最初(0→1)と最後(99→100)はプロのマーケターがになうべきなのである
    ・ 「顧客の声を聞く」という題目も「企業が作りたい物を作っても買ってくれないからしかたがなく消費者の意見を聞いてあげる」というような「上から目線」からくるものであるなら、決してうまくいかないだろう
    ・ 匿名だけど、システム的には本名と結びついている環境が、誹謗・中傷を押さえている
    ・ 投稿を削除するのではなく、注意をすることで周りの人にもコミュニティのルールを知ってもらう
    ・ 価値共創においては、顧客価値を売買が成立したときに顧客が受け取る交換価値(Value in Exchange)ではなく使用価値(Value in Use)にフォーカスする
    ・ 本来の意図とは異なる「意図せざる共創」にも注目する
    ・ キリンフリーのバリューはシーンのありがたさとビールテイストの「かけ算」だということだった

  • -2016/5/8

  • まあ、もう今更だよね

  • マーケティング初心者向け。KPIとKGIの目標の作り方は参考になった。PRが広告とSNS、プロモーションなどと切り離されて手段にカウントされている点は理解できず。概念として全てを網羅するポジションであるべき。

  • 共創コミュニティの重要性をすごく読みにくく伝えている本。ちょっと途中でしんどくなりました。

  • 最近の状況が良くまとまっている良書。
    マーケティング寄りの著者とリサーチ寄りの著者の共著により、適度なバランス感が保たれておりお薦めの一冊。

    そのバランスの話だが、リサーチのパートでは日本国内でも一般化した的な"浸透感"の醸し出しには若干の違和感を感じ、この分野のリーディングカンパニーであるCommunispaceやVision Critical社のここまでの発展と状況分析とともにこの手法が語られているとより説得力があると感じたのに加え、リサーチを行う上での注意点などより具体的な記述が欲しかった。


    以下はメモ
    ■2000年ころに乱立された"ブランドコミュニティ"の失敗した6つの理由
    ①会員数が十分でなかった
    ②コミュニティの質が低かった
    ③参加しにくかった
    ④共創の輪が外に広がらなかった
    ⑤プラットフォームの開発・運用コストが高すぎた
    ⑥マーケティングゴールが曖昧だった

    ■共創コミュニティを成立させる6つの条件
    ①正しい思想と目的を持つ
    ②1万~10万人のコミュニティ規模を目指す
    ③対象への関与度に応じたテーマ設定
    ④ブランドの熱心な支持を持つ顧客を集める
    ⑤運営担当者の設置
    ⑥安価な共創コミュティツールの利用

    ■その他メモ
    ↓日本語訳はよく見られるが違和感があった
    ・Zero Moment of Truth(ZMOT) byGoogle
    ・First Moment of Truth(FMOT) byP&G
    ・Second Moment of Truth(SMOT)

    ■エンゲージメントの6箇条
    ①自己表現できる環境を構築せよ
    ②コミュニケーションループを完成せよ
    ③真の意味でのコミュニティを醸成せよ
    ④募集と維持では戦略が異なる
    ⑤業種業態に応じたエンゲージメントスタイルを築け
    ⑥あらゆる方法でメンバーに報いよ

    ■コミュニティリサーチの優位性
    ①ターゲットの違いーーーー1番に聞くべきは誰の声?
    ②スピード&コストの違いーーーー安くて、速くて、高品質
    ③スタンスの違いーーーーリサーチの自分事化
    ④アプローチの違いーーーー顧客の声の探索から検証までのPDCA

  • とても面白かった。
    まちづくりに役立ちそう。

  • 共に創るマーケティング。流行のMROCをはじめ、コクリエーションなど。実践している筆者たちの言葉だけあり、説得力がある。また、クライアントの方々のインタビューもあり、企業と顧客が共に創るという意味とともに、企業とパートナーとなり共に創るカタチが見えてくる。これからのマーケティングの姿だと思う。

  • 【2月読了:4/ 60】
    後半の実例が一番参考になった。レビュー、一ヶ月たった後に書こうとすると、全然出てこない。なける

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著者プロフィール

株式会社トライバルメディアハウス 代表取締役社長
株式会社トライバルメディアハウス 代表取締役社長
1973年横浜市出身。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表などを経て現職。
300社を超える大手企業の広告宣伝・PR・マーケティング部に対するデジタルマーケティングやソーシャルメディアマーケティングの支援実績を持つ。宣伝会議マーケティング実践講座 池田紀行専門コース、日本マーケティング協会マーケティングマスターコースなどの講師として、のべ3万人以上のマーケター育成に貢献。近著『売上の地図』(日経BP)のほか『キズナのマーケティング』『ソーシャルインフルエンス』(アスキー・メディアワークス)など著書・共著書多数。自身のnoteやTwitterを中心に、若者向けのキャリア、働き方に関する発信も多数。

「2023年 『自分を育てる「働き方」ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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