高英男ワンマンショウ: 人生漂泊の途すがら

  • 新風舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797451955

感想・レビュー・書評

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  • 高英男氏死去、という報道でまだご健在だったことを知りましたが、90歳の天寿を全うされたということでした。・・・合掌。

    私が高1の時に実物を聞いたのですから、そのとき彼は77歳、そんな老けた感じは微塵もなく、美しいシャンソンの名曲の数々を朗々と歌っておられました。それから父が聞いた22、3歳の頃、ということは彼は56、7歳で、これも今の自分の年齢から考えるととんでもなく若々しかったと、言っています。

    おそらく、マイクに頼って格好つけて歌う人と違って、マイクなしでも会場の隅にいる人にもはっきり聞こえる歌い方をする彼は、歌うことで生のエネルギーが増幅して活性化され、生気みなぎり実年齢をはるかに超えた若々しい心身を持つようになられたのではないかと思います。

    それから、シャンソンやカンツオーネは私も知らない世代でしたが、テレビやラジオから受動的に見聞きするものだけで作られた知識や教養が、いかに底の浅い空虚なものかを、心底身にしみて気がついて、流行りものだけの享受で終わらせないように、必ず背後に潜む歴史を紐解くように(書いていて、何だかとても大げさになってきています)と心がけてきました。

    笑点しか知らなくて落語の何たるかもチンプンカンプンだった私が落研(落語研究会)で自ら演じるようになり、春団治や圓生や文枝や志ん生や米朝や馬生なんかを聞きまくったり、幼少のみぎりからピアノ・ヴァイオリンはかじっていましたがクラシックは肩がこってどうも馴染めず、でも一通りあらゆる作曲家の曲を聴きまくり、現代音楽にたどり着きジャズに突き抜け、横からフォークソングやブルースやゴスペルや、もちろんロックの真っ只中に突入した時に、背後からシャンソンやカンツオーネやカンテに動揺し潜り込み、といった調子で、何でも興味を持ったら底なしに夢中になって来ました。

    といっても、そういえば高英夫の声も、どうかすると、そろそろ忘れかけていますから、お弔いにCD捜して聴こうと思います。

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