- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797671131
感想・レビュー・書評
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今回も惜しみなく広がる情景--あくまで自分自身で繰り広げるイメージですが。春江一也の本を読んでいると、懐かしいヨーロッパにトリップしたような不思議な後味が残る。これがたまらなく好き。
どこまでが事実なのか、いや、情報戦において日本は既にどの国よりも出遅れているというのはかなりの部分で事実なのだろうと思う。機密も筒抜けなんだろうなぁ。それでいてどうでもいい(誠実でない)発表や報道しかされていないという。
少し前に読み終わったばかりなのに、もう結末を忘れたという...やっぱり『プラハの春』がたまらなく好きだなぁ。 -
3部作の最終巻。
でも、きっとこれだけ別枠なんでしょう。
(出版もストーリーも)時期が別だし。
メロドラマ風恋愛色が薄まった分だけ、言いたいことがストレートに伝わってきて。
結構すんなり読めて、オウムと北朝鮮が絡んできて、なかなかおもしろいです。
エンターテイメントとしては、、、
事実を元にしたフィクション、とは考えたくありませんが、、、 -
東欧3部作とくくられているが、3作目は日本のリアルな事件、プラハの春やベルリンの壁に比べて記憶に新しい事件が主題で、異色だった。村上春樹「1Q84」を読んだあとでもあったし、改めて何が行われようとしていたのか、それを国際的な視点から見て、恐ろしさを感じた。それにしても、ここに無理に共産主義の生き残りや前作の人物を絡ませてほしいとは言わないけど、3作目はソ連崩壊あたりかと思っていたので拍子抜けした。第1作・2作目で築かれたカテリーナ→シルビア路線もあまりに素っ気無く描かれていてびっくり。壁が崩壊したら、小説の題材として必要なくなっちゃったみたいな。ついでに弟さんの事故と国際陰謀を結びつけちゃうところも。すごいというか、よく書けたなあというか。
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春江一也の小説を読むと、ヨーロッパ特に東欧に行ってみたくなる。
今回の舞台はウィーン。でもそこに日本や北朝鮮がからんできて、せっかくの真っ白な絵の具に黒い染みがついたように感じた。ヨーロッパはヨーロッパでまとめてくれたほうが、雰囲気としてはよかったのだが。。。
でもストーリーは面白い。ガチガチのフィクションだけど。前作まではまだ少し現実味があったかな。 -
ベルリンの壁崩壊後の物語。<br>
ヨーロッパを共産主義という名の怪物がのし歩いた時代は、ベルリンの壁崩壊と共に終わった。だが、東西冷戦の終結は、地球全体をテロリストたちの草刈場と化した様である。<br>
時代背景は面白いが、小説全体の完成度は低いかも。よってあまり満足は出来なかった。何よりシルビアを死なせる意味はあったのだろうか、、と疑問に思う。せっかくプラハの春で幼かったシルビアが、ベルリンの秋を通じて大人になり共産主義に阻まれた個人の愛が成熟しそうなのに、わずか数行の記述で詳細もなくあっけなく死なせちゃうのはかなり勿体無いような気がするw<br>
もうちょっと気の利いた結末を用意してもいいんじゃないの、春江さん!笑 -
「プラハの春」に始まるシリーズの決着点。このシリーズは終わってほしくない・・・
私は「プラハの春」か読んでませんが、事実をさり気無く配置するのが凄く上手いなぁ~と感心した覚えがあります。
私は「プラハの春」か読んでませんが、事実をさり気無く配置するのが凄く上手いなぁ~と感心した覚えがあります。