日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか

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  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797673289

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  • 占領下のアメリカへの戦争協力体制が、今も法的(安保+行政協定+密約+砂川判決)に継続し続けている。
    憲法改正により、「完全にアメリカに従属し、世界のあらゆる場所で、戦争が必要と米軍が判断したら、その指揮下に入って戦う自衛隊」という体制が、名実ともに完成する。

  • つくづくアメリカのその場しのぎで行き当たりばったりのやり方には怒りを通り越してうんざりしてしまう。自国の利益を第一にするのはもっともだが、それにしても大国の意識を持って欲しい。

  • 歴史で学んできた戦後の高名な政治家が、いかに虚構でしょうもない実力しか無かったのか、とちょっと絶句する。そして、現状を見るに、それを打開する力のある政治家がいるかと考えると、なんとも厳しいと言わざるをえない。

  • 日本はなぜ基地と原発を止められないのか、の続編。アメリカには日本における基地権だけでなく、指揮権もあるということを証明した本。
    これも前作に続いて恐るべき事実です。
    つまり安保法制の混乱は全く無意味であって、最初から決まっていたということがよくわかる。
    一方で、トランプの考え方にも近く、こんな所でトランプの主張でマッチしてしまうというのも、だいぶアメリカも時代の価値観の変化に合わせて変わってくるものだというのも理解です。

    一方でこの議論と原発反対の主張はどうも噛み合わない。不思議な著者です。

  • 「日米両政府は5日、沖縄県での米軍属による女性暴行殺害事件を受けた再発防止策で合意した。」このような報道が流れると日本政府は沖縄のことで米政府としっかり交渉しているとの印象をもつ国民もいるのでしょうが、このような弥縫策では日米の関係はなにも改まらないことがこの本を読むとよく分かります。要するに、占領下にアメリカとの戦争協力体制を法的に結ばされてしまったという、この根幹部分をひっくり返さないかぎり日本はアメリカの属国であり続けるのです。果していまの日本の政治家でこの難題を解決できるのでしょうか。

  • こういう条文は残しておくと、どんどんそういう方向に動いてしまう。現状追認は論外。

  • 「日本はなぜ、基地を止められないのか」
    「日本はなぜ、原爆と被曝を止められないのか」
    「日本はなぜ、戦争を止められないのか」
    これらの問題の大きな構造の根幹に横たわっているのが、まだ占領下にあった時代のアメリカへの戦争協力体制が、今も法的に継続し続けているという、「戦後日本」の歪んだ国のかたち。
    この本の中で紹介されるアメリカの公文書の多くは、アメリカ国務省歴史課のホームページで誰でも閲覧できる、とか。
    特定秘密保護法によってこれから国家にとって知られたくないことは隠されるのではないか、ということを思った。

  • 前作の『日本はなぜ基地と原発を止められないのか』よりも、条文解釈が多かったので、読み進めるのに時間がかかった。でも、読んでよかった。
    今までとは全く違った視点で、条約締結や、日本政府やアメリカ政府の行動を見ることができる。

  • 16/06/04。

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著者プロフィール

(やべ こうじ)1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。著書に『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)、共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J・M・ロバーツ著「図説 世界の歴史」(全10巻)、「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。

「2019年 『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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