何が食べたいの、日本人? 平成・令和食ブーム総ざらい (インターナショナル新書)

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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本棚登録 : 98
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680591

作品紹介・あらすじ

1億総グルメへと突っ走った平成ニッポン、そして令和へ
バブル景気にも後押しされて、身も心も満腹状態を求めて突っ走った平成ニッポン。雑誌『Hanako』や『dancyu』が先導し、『ミシュラン・ガイド』が立ち上がれば一億総グルメ状態へ。
日本人は何を思い、何を食べたのか? 美味しい歴史と思い出を振りかえりつつ、分析。
そして令和。タピオカドリンク店に行列したのはなぜ? 人気の理由はプニュプニュの食感だけではなかった!? コロナウイルス感染でベーキングパウダーが品切れを起こした理由まで、グルメブームを総ざらい。
●「イタ飯」が教えてくれたティラミスの斬新さ
●マカロンでピークを迎えた平成のスイーツブーム
●じつは何度め? の韓国料理ブーム
●令和のタピオカ人気、お茶そのものの美味しさが立役者!?
●コロナ禍、ステイホーム家庭がお菓子作りの場に

【目次より】
第1章 情報化が進んだ30年
『Hanako』族の誕生/『dancyu』の成立/『料理の鉄人』革命/『夏子の酒』がもたらしたもの/「食べる通信」とは何か/レシピサイトの登場/『孤独のグルメ』の人気ぶり/「インスタ映え」が意味するものは?

第2章 グルメが定着していく時代
デパ地下ブーム/生春巻き大人気/2度の韓国料理ブーム/「チキンライス」で思い浮かべるのは?/スパイスカレーの誕生が意味するもの/ゴーヤーが注目された理由/空弁の登場/赤身肉に注目/
B級グルメの時代/なぜ唐揚げは愛されるのか?/どこの町にも大戸屋

第3章 スイーツ・パン・ドリンク
ティラミスブームとは?/マカロン好き/チョコミントはなぜブームになったのか?/ビーン・トゥ・バーの登場/再発見されるバウムクーヘン/アジアの中のかき氷/
高級食パンはなぜ人気なのか/スタバがある町/2度目のクラフトビール/緑茶ドリンクの成立/タピオカ大ブーム

第4章 時代を映す食文化
平成米騒動とは?/「フード左翼」とは誰か?/「英国一家」大人気/フードロス問題を考える/スローフードブームがもたらしたもの/コロナ禍とベイキング

第5章 家庭料理の世界
在来作物に光を当てる/子ども料理に注目/社会現象化した栗原はるみ/辰巳芳子が注目された理由/土鍋炊きご飯の人気/ル・クルーゼ好き世代/
時短ブームの背景/ミールキットの誕生/今始まったわけじゃないつくりおきブーム

【著者略歴】
阿古真理(あこ まり) 1968年、兵庫県生まれ。作家、生活史研究家。神戸女学院大学卒業。食を中心に、食にまつわる生活、女性の生き方などの分野で執筆を行う。著書に『小林カツ代と栗原はるみ』『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』『昭和育ちのおいしい記憶』『「和食」ってなに』などがある。

感想・レビュー・書評

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  • 食のトレンドを平成から令和(2020)にかけて読みといていく良書。
    非常に面白かった。

    個人的にグルメ漫画や食をテーマにしたドラマをよく見るが、本書ではその観点も触れており、『孤独のグルメ』や『美味しんぼ』などを読みたくなった。
    食のブームを主にとりあげているのだが、「こんなブームあったな!」とか「そういえばこの時期よく食べたなぁ」と思うものが満載。例としては高級食パンやマカロン、唐揚げなど。
    読んでいて当時の背景やなぜ流行ったのかが見えてきて、読みごたえがあった。
    メディア以外にも食の流れとしてクックパッドやインスタ映え、料理男子など食にまつわるブームについても言及している。
    個人的に「日本人は料理を目で食べる」と言う著者の言葉に非常に納得した。
    彩りや「映え」は食欲に直結するし、見た目がよいものを追いがちな面が自分にもあるからだ。

    また流行り廃りはあるが1度流行ったものは基本的に無くなることはないので、タピオカやナタデココなどまた食べたいなぁとこの本を読んで改めて思った。
    遺伝子組み換え問題や女性の社会進出による料理の簡便化、食品ロス問題など内容は多岐にわたるため、非常に勉強にもなった。

  • 平成から令和までの食の変遷や食のブームを知れました。
    懐かしいものやブームに覚えのあるものが多くあり、面白かったです。

  • 色々なトレンドの由来、動きが知れて素直に学びになった!生きるために食べる、食べるために生きる、どちらにせよ食を大事にするなら目を向けないといけない面が多くある

  • 食の歴史、過去の流行をざっと知れる1冊。こうして見ると、食に困る時代から、戦後の食を楽しむ時代、アレンジが必要になった時代、料理=女性の時代を抜けて、現代の多忙だけど食事は楽しみたい時代と、時代ごとの傾向が読み取れる。

    食べなくては生きてはいけないけれど、現代人は労働時間が長く、料理に手間をかけられない。そのために開発された時短レシピ、ミールキット、コンビニやスーパーのお惣菜などは、便利である一方で食品ロス問題を加速させている。日本人の労働諸問題と食事に関する問題は、別々ではなく地続き。食べることを単に楽しむだけでなく、食べて生きていくならあらゆる問題にを目を向けなくてはならないのかなと思った。

  • 383-A
    閲覧新書

  • 生活研究家でもある筆者が、平成・令和の約30年の食ブームを振り返る。その当時の時代背景を反映した食に対する考え方や価値観の変遷が、ブームを象徴する雑誌、テレビ番組、お店等のトピックに、筆者の想い出も交えながら記されている。当時の状況が思い出され、懐かしさも感じながら読めた。

  • <目次>
    第1章  情報化が進んだ30年
    第2章  グルメが定着していく時代
    第3章  スイーツ・パン・ドリンク
    第4章  時代を映す食文化
    第5章  家庭料理の世界

    <内容>
    第1、2章は期待通り。平静を駆けぬける。自分の年を感じる内容でした。第3章は、著者の主張であるスローフードに偏りがち。第5章で、料理研究家まで登場したのは予想外。

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著者プロフィール

作家・生活史研究家。1968年兵庫県生まれ。食のトレンドと生活史、ジェンダー、写真などのジャンルで執筆。
著書に『日本外食全史』『家事は大変って気づきましたか?』(以上、亜紀書房)、『ラクしておいしい令和のごはん革命』(主婦の友社)、『昭和育ちのおいしい記憶』『うちのご飯の60年 祖母・母・娘の食卓』『「和食」って何?』『昭和の洋食 平成のカフェ飯 家庭料理の80年』(以上、筑摩書房)、『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。』(幻冬舎)、『料理は女の義務ですか』『小林カツ代と栗原はるみ』(以上、新潮社)、『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(NHK出版)など。

「2023年 『大胆推理! ケンミン食のなぜ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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