図解入門 よくわかる 最新 発電・送電の基本と仕組み 第3版 (How-nual図解入門Visual Guide Book)

著者 :
  • 秀和システム
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798048390

感想・レビュー・書評

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  • ど素人のわたしにとっては、はっきり言ってわかりにくい。そもそも電力業界自体が複雑怪奇なのだろうが、もう少しわかりやすく説明できる気がする。
    業界の各登場人物、それぞれのミッション、日々の業務、それらを支える技術に焦点を当て、現状の仕組みの問題点、将来の展望、と説明する方がわかりやすいのではないかと思った。

    自由化によって発電と送電と小売りが切り離され、独立するようになったことはなんとなく理解した。しかし素人に理解できないのは、「電力小売り」が何を意味するのかだ。利用者からの苦情や問合せの電話を受けるカスタマーサポートを指すのか、利用明細を印刷して発送することなのか…。よくよく読むと、どうも「小売り」というのは「電気を使う権利」を調達して、利用者に電気を提供する?存在らしいと理解した。しかしあってるのか自信はない。そうだとして、そんなことをやって彼らはこのビジネスにどんな付加価値をもたらすのかがわからない。野菜や家電だったら、消費者が必要なタイミングで購入行動をおこす必要があるわけだから、小売りが意味をもつことはわかる。でも電話やインターネットや水道や電気のように、常に必要としていて、止まると困るものにどうしてそれが必要なのか。これがわからないので「卸市場」も「インバランス」も理解できない。このあたりの説明には「誰が何を目標に何をやっているのか」という具体例が必須だと思う。

    発電と送電が技術的にもビジネス的にも大きく異なるものだということもなんとなく理解した。「発電」についてはかなりイメージできる。石油やガスを燃やしてタービンをまわしてその動力で電気をうみだす。しかし「送電」は何をやっているのかイメージできない。
    「どことどこを電線でつなげば効率がいいか」「どこの電線や変電施設が劣化していて修繕が必要か」といった送電インフラのメンテナンスをひたすらやっているだけだったらまだイメージできる。だがどうもそれだけではないらしい。「同時同量の原則」というのを死守することこそが彼らの責務らしい。「同時同量」というのは電気の利用量と電気の供給量を等しくすることだという。しかしわからないのは、そんな芸当がどのように可能なのか。予想外に需要が少なかったり、多すぎたりした場合に、彼らは具体的に何をやるのか?電気需給をモニタリングしながら、石油をさらに投入して発電量を増やしたり、その逆をするよう発電者に指示して、調整するということなのか。ただそうだとすると、太陽光の発電量が多すぎた場合、どういう手がうてるのか。自動の日傘システムが起動して日差しを遮るのだろうか。はたまた、太陽光の発電調整は難しいので、その前提でエネルギー計画を立てる必要があるということなのか。
    同時同量の調整のために必要な技術、できることできないこと、こういった具体例を少なくともわたしは欲している。

  • このシリーズは勉強になるなと感じています。
    個人的には未来の姿が参考になりました。

  • 前読と重複するところもあるが、送電に関する技術的・制度的基礎、今後の動向について勉強になる。

    ・配電自動化システムによる遠隔での開閉

    ・インバランス料金×JEPIX(日本卸電力取引所)取引価格
    ・代表契約者制度(バランシンググループ)

    ・託送料金
    ・東京電力(低圧向け)8.57円/kWh

    ・電力広域的運営推進機関によって定められる、送電網への接続時の既存送電網の増強工事費の自己負担と一般負担割合(一般負担割合の上限)

    ・電源接続案件募集プロセスによる工事費負担額の合理化

    ・再生可能エネルギーの優先給電

    ・自己託送:別の場所にある自社施設への送電の際の大手電力送電部門に対する料金規制、託送供給義務
    ・特定供給:供給者と需要者の資本関係等の密接関連性がある場合、自営線による電力供給を認める制度

    ・Fujisawaサステナブル・スマートタウン構想

    ・取次ぎ、代理、高圧一括受電による電力OEM

    →分散型にすることで、管理のための機関の設置等、行政の権限の強化が進む?(電力広域的運営推進機関、電力・ガス取引監視等委員会、卸電力市場)

  • 業界の勉強、第一弾として。

  • 請求記号 540.9/Ki 15

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著者プロフィール

1976年生、東京都八王子市出身。一橋大学社会学部卒。編集プロダクション、出版社勤務を経て、2004年から10年まで月刊エネルギーフォーラム記者として電気事業制度改革や原子力政策などエネルギー問題を取材。社会人大学院博士前期課程、物流専門紙記者を経て、14年からガスエネルギー新聞記者として電力政策等を担当

「2022年 『図解入門ビジネス 最新電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本[第3版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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