- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798056944
作品紹介・あらすじ
博物学者・小説家、そして妖怪研究家として知られる荒俣宏が、妖怪研究の集大成として、最新の解釈をこの一冊に凝縮。妖怪マニアにはよく知られる雑誌『妖怪大百科』の人気連載「妖怪共生講座」を、大幅に加筆・修正した本書は、妖怪マニアなら絶対に読んでおくべき一冊。
感想・レビュー・書評
-
図書館で発見し、気になった『アラマタヒロシの妖怪にされちゃったモノ事典』(荒俣宏)。
子どもの頃から妖怪に興味を持ち、
学生時に民俗学を学んでから、
キャラクターと言い伝え、そしてその背景にあった物事が書いてあるとなると気にせずにはいられず。
いざ読んでみて「これは当たりだ」と思えた一冊でした。
『龍の起源』(荒川紘)で読んだヤマタノオロチ伝説のように【争いで攻めた側が自身を正当化するために悪者キャラを作り上げる例】だったり、
【今までに見た事があるキャラの正体】(ナマハゲや角大師とか)だったり、
【日本だけでなく世界でも同じようなキャラクターが語り継がれている例】(人魚や飛頭蛮とか)だったり、
……と、いろいろ面白かったです。
読み終えて思う事は、「世のマンガやゲームに出てくるキャラクターはバトルやビジュアルを楽しむもののみに感じる」という事でした。
それはメインストーリーが重要なのだから、そうなるのは当然だと思うし、
「このキャラクターは一体何者なんだろうか?」と思う事のキッカケにもなり得るので、決して悪いものとして捉えているわけではないです。
『転生したらスライムだった件』(伏瀬)のように今まで主人公になる事がなかったキャラクターがメインとなる事ありますし、
ここに紹介されている彼らもいずれそうなるのだろうかと思うのですが、
果たしてこれからどんな話が出てくるんかな。
そう考えると楽しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ご存じ荒俣先生の手による妖怪本。タイトルこそ思わせぶり
だが、素直にそう思って楽しむのが良い。メインである妖怪
分類コレクションは思った通りの妖怪図鑑なのだが、第1部
の妖怪共生講座が思っていた以上に深い内容で、あらためて
恐れ入ったのだった。特にゴロツキから五郎、そして御霊
憑きにつながるあたりは面目躍如といった感じだ。哲学堂
公園は行ったことあり(笑)。 -
荒俣宏が語る東西の妖怪のルーツ。
お化けや妖怪とされているモノのルーツを探ることで、虚実明らかにし、その上でその存在を楽しむ、といった趣かなぁ。
怪しげなモノを否定・肯定のどちらにも極端に振れずに、一定の距離を保って思考してゆくというのは、正道なんだと思います。
それを踏まえた上で、お化け・妖怪を楽しむというのは趣味の範疇です。
古い話になるけど、全てはプラズマの仕業、というような極端な思考にはなりたくないものです。
あれですよ、メガテンifの話ですよ。 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/
図書館・請求記号 388/A64// -
荒俣宏が妖怪について語ったり、妖怪を紹介したりする本ですが、今まで各紙に書いたものを集めてまとめたものなので、結構読んだことある内容も多かったです。『日本妖怪大百科』を買っていた人は特に。もちろん増補・改訂もあるので、全く同じではありませんが。あと、カラーで見やすく、読み応えも充分あるのですが自分で買うには若干お高いかな…。
-
3000円はちょっと高いけど面白かった
-
まえがき
第一部 妖怪共生講座
第二部 妖怪分類コレクション
第三部 妖怪分類コレクション
第四部 妖怪史雑録
出典
索引 -
妖怪の紹介だけでなくその歴史や民俗学の観点からの解説が詰まっていて非常に面白かった。
神話と同じように広がりや方や世界との共通点が妖怪や不思議なモノのにはある。
また「ごろつき」などの語源となるような事柄もあるのが興味深い。
結構文字量が多いので読み応えもある。
妖怪研究の歴史などや写真やイラストなど、いろいろな角度から楽しめる本だった。 -
荒俣先生待望の新作妖怪本!!
妖怪・物の怪をグループに分け、そのルーツから現在に至るまで独自の語り口で解説してくれる一冊。
様々な歴史的背景やその土地土地の風土・風習などと複雑に絡まりあいながら発生し・進化し衰退していった妖怪たちの解説書として、あくまで堅苦しくなく読めます。
個人的には上下二段で書かれている書物が苦手なため、そこだけマイナス。 -
カラー図版満載、妖怪好きにとって多くの知見が得られる良書だと思う。
星4つにとどめた理由は、看過しがたい誤記・誤変換の数々。
巻末、哲学堂の紹介文にある「二元衛」は「二元衢」の間違い。
安倍晴明の母の名「葛の葉」の「葛」に「かつら」とルビが振られているのは痛い。
以下引用―
中国では(中略)妖術「蟲」が発達していた。/皿の上に「蟲」を載せた漢字の形からわかるとおり(後略)
引用おわり。文脈から、妖術「蠱」でなければ意味が通らない。
推敲や校正の不手際が惜しまれる。改訂版を待つ。