データ分析プロジェクト 実践トレーニング

  • 秀和システム
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798067636

作品紹介・あらすじ

『失敗をもとに考える プロジェクトの再計画』

大好評『Python実践 データ分析 100本ノック』の」著者が
現場の問題を解決するスキルを教える!!

・何をデータ分析するか決まってない
・作った分析ツールを現場で使ってくれない
・分析への期待と要望が多くて整理できない

分析・可視化/ビジュアライゼーション・機械学習・AI/人工知能
新しい技術の使うプロジェクトをスムーズに進ませるためのルール。
データ分析/AI設計書、フレームワーク、分析ツールで問題を分析。

感想・レビュー・書評

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  • 【本の概要】
    データ分析やAIなどのデジタルテクノロジーを活用してビジネスを変革していくためのマインドセット、また、そういったプロジェクトの進め方について、筆者らの経験をもとにまとめられたもの。
    今風に平たくいうと、DXを日々の業務に落とし込むための手引書のようなものと言えるでしょう。


    【感想】
    私自身が産業機械の販売・サービス現場のDX推進プロジェクトマネージメントに携わる中で、デジタルテクノロジーをビジネスで活用する上での大事なマインドセットだな、と共感したのは主に下記3点です。
    ・「技術をつくる」という視点のほかに、「技術を使う」という視点をもつこと(P.2)
    ・日常に落とし込むことまでを見据えて試行錯誤すること(P.13)
    ・つくったものの評価は「日常的に使い続けられるかどうか」(P.17)

    テクノロジーは課題解決のための手段であって、「目的」がないといいものにならない、もしくは使ってもらえないものになってしまうというのはよくあることだと思うからです。

    それから、この本のメインテーマである、プロジェクト運営のための「地図」という概念とそれを活用したケーススタディ(3件)が非常に実践的で参考になりました。
    ここでいう「地図」というのはプロジェクトの全体像のようなもので、以下の7つの項目が含まれており、これらは筆者らによるとプロジェクトにおいて「やったほうがいいこと群」だそうです。
    ・アイデア創出
    ・やりたいことに対する現状の精査
    ・強みの再発見
    ・おおまかな将来像
    ・ユーザーごとの「つくるもの群」の設定
    ・「つくってみる」と「あててみる」の試行錯誤
    ・運用へのインストール

    この「地図」のおもしろいところは、上記のやったほうがいいこと群のうち”どこから始めてもいい”ということと、”なにがしたいのかわからない”という状態からでも始められるようになっていることです。
    たとえば、何か具体的にやりたいことが決まっていなくても、やりたいことを見つけるところ(アイデア創出や現状の精査)から始められるということです。
    もしくは、やりたいこと(例:AIによる需要予測とか)はだいたい決まっているが、ニーズがあるのかどうか自信が持てていないというパターンでも活用できます。
    つまり、DXプロジェクトが置かれた状況に応じてどこからでもアクションがとれるようになっています。そう言った意味で、とりあえずDX(のようなもの)を漠然と任されたプロジェクトマネージャーや、そういったプロジェクトに渋々と参画させられているビジネスサイドの人、エンジニアの人といった方々に最適なテキストと言えそうです。

    また、この「地図」を参考にして自分たちが置かれている状況を客観的に見ることもできました。
    私自身の場合、現在携わっているプロジェクトは「やってみたいことはだいたいある」のですが、「将来像」や「運用へのインストール」への道筋が全く見えていない状況であることがわかりました。
    そのため、この「地図」をプロジェクトメンバーと共有することで、成果を出していくためになにをやるべきかを共有して、実際のプロジェクト運用に役立てています。

    いっぽう、この「地図」は筆者らの経験ベースにまとめられたものであるため、どこまで汎用性があるのか、どれくらい有用なのかわからないという多少の不安はあります。
    たとえば、課題解決の手法として「デザイン思考」がありますが、これはさまざまな研究を通じて確立されたいわばアカデミックな手法だと思うのですが、この本の「地図」にはそういった安心感はありません。
    ひょっとすると、今後こういったミクロの事例が積み重なって、体系だったものに昇華されていくのかもしれませんが、そのためにももっと多くの人に実践・研究され、現場に普及・浸透する必要があると思います。


    【まとめ】
    私自身、PMPやプロジェクトマネージメント資格などを持っているわけではないので、独学のみでやっているに過ぎないのですが、全体感を持って、さらに、あまり小難しくなくプロジェクト運営を学ぶことができました。
    また、実際の運営で「地図」を活用してみて、プロジェクトメンバーのみなさんと一体感をもって方向性を共有できているので、非常に助かっています。
    テクノロジーの力を信じるいちビジネスパーソン(非エンジニア)として、プロジェクト運営のハンドブックとして携行したいと思います。

  • 内容としてはデータ分析のプロジェクトを進めるための基本的なことが書かれていた。
    特に具体的にどう進めて行けば良いか、プロジェクトを、ケーススタディが参考になりそう。
    ただ、下記の3つのパターンというのがちょっと分かりにくかったので、シンプルにできそうな気はします。
    1 現場
    2 DXチーム
    3 経営陣

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著者プロフィール

《下山輝昌》
日本電気株式会社(NEC)の中央研究所にてデバイスの研究開発に従事した後、独立。機械学習を活用したデータ分析やダッシュボードデザイン等に裾野を広げ、データ分析コンサルタント/AIエンジニアとして幅広く案件に携わる。2021年にはテクノロジーとビジネスの橋渡しを行い、クライアントと一体となってビジネスを創出する株式会社Iroribiを創業。技術の幅の広さからくる効果的なデジタル技術の導入/活用に強みを持ちつつ、クライアントの新規事業やDX/AIプロジェクトを推進している。共著「Tableau データ分析 ~実践から活用まで~」「Python実践 データ分析 100本ノック」「Python実践 AIモデル構築 100本ノック」「データ分析プロジェクト 実践トレーニング」など。

「2022年 『Python実践 データ分析入門 キホンの5つの型』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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