ETSSが組込み製品の世界を狭く定義していること(主に開発、少し検証)や内容に古さを感じること(ウォーターフォールなど)は本書以前に残念な点としても、概説書にしても物足りなさが否めない。
(なお上記は企業でカスタマイズされることが望まれている)
基準やサンプルの例示はあるが、それ以前に使用している用語の説明が少ないので、「こういうものなんだ」と感想は持っても、「なるほど使ってみるか」というところまで深入りできない。
ETSSの説明、基準の説明、サンプルと、ほぼコピペの説明文が繰り返し出てくるのはさすがに不要で、その分紙面を割くことはできたはずである。
また繰り返し出てくる内容は確かに、これを抑えなくては導入すら覚束ない基本的な内容なので、これを巻末にまとめる、索引ですぐに引けるようにするなどの工夫がほしかった。