サブスクリプションで売上の壁を超える方法(MarkeZine BOOKS)
- 翔泳社 (2020年1月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798163260
作品紹介・あらすじ
サブスクリプションとは、
顧客が商品・サービスを使い続けたい気持ちをつくること。
ではどうすれば、それを実現できるのか?
本書では、サブスクリプションの
はじめ方から成長のさせ方までを
わかりやすく実践的に解説しています。
「サブスクリプションをはじめたい」
「サブスクリプションをやっているがうまくいかない」
「サブスクリプションのビジネスをもっと成長させたい」
このような思いを抱いている方のために
著者が現場の第一線で培ってきた
方法論とコツを徹底解説。
事業計画をシミュレーションできるエクセルシートで
あなたのサブスクリプションをいますぐ検証!
【著者紹介】
西井敏恭(にしい・としやす)
株式会社シンクロ 代表取締役社長
オイシックス・ラ・大地株式会社執行役員CMT(チーフマーケティングテクノロジスト)
GROOVE X株式会社 CMO
1975年5月福井県生まれ。2001年から2年半にわたって世界一周しながら
アジア、南米、アフリカ各地で旅行記のWEBサイトを更新。
WEBの面白さに惹かれて2003年頃からEC企業にてマーケティングに取り組む傍ら、
旅行を続けて訪問した国は140カ国以上。
世界一周したデジタルマーケティングのプロとして、
ad:techをはじめ、全国での講演、雑誌などもメディア掲載など多数ある。
株式会社シンクロでは、主に大手企業のデジタルマーケティングや、
スタートアップ企業のサブスクリプションなどをサポートしたり、
自社でもマーケティングの教育事業「CoLearning(コラーニング)」サービスなどを展開。
オイシックス・ラ・大地では執行役員としてサブスクリプションモデルのEC戦略を担当している。
2019年より、ロボットベンチャーGROOVE X株式会社のCMOも兼務。
主な著書に『デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法』(翔泳社)がある。
【目次】
第1章 サブスクリプションとは何か
第2章 サブスクリプション・マーケティングとは
第3章 サブスクリプションの事業のつくり方
第4章 サブスクリプションのKPI
第5章 サブスクリプションの事業計画を立てる
第6章 顧客中心の組織をつくる
終章 サブスクリプションとこれからのマーケティング
感想・レビュー・書評
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「サブスクリプションで売上の壁を超える方法」
1.サブスクリプションとは?
定額サービスではない。
顧客が使いつづけたい気持ちを作ること。
2.顧客が使いつづける原因づくりとは?
解決したい課題、用事を片付けることができること。
これを顧客の成功と呼ぶ。
3.長期間使ってもらうためには?
顧客の成功をアップデートすること。
課題、用事の解決→評価受領→次の目標、課題を共有してもらうこと。
このサイクル。
4.本書の読みどころ
著書は、オイシックスをはじめとして多くの企業のカスタマーサクセス、デジタルの担当者。
そのひとが、平易な言葉で展開してくれるは、初心者にはありがたい。
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情報量少ないなぁ。
驚きの新事実はあまりなかった。
サブスクは継続率や稼働率など様々な指標を測定することができるからそれらをどう解釈するかが経営指針を与えてくれる。難しそうに見えるけど、売り上げに繋がる本質的な指標は決まってそう。(多分継続率)
最近ゲームでもサブスク制のプランができあがってるけど上手いと思う、マリカに半年近く課金してしまった。 -
2023/01/09
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サブスクリプションに限らず、顧客は数ある商品・サービスの中から、競合のものではなく、自社のものを利用し始め、また使い続けてくれる「きっかけ」があります。
顧客にヒアリングするとわかるようなものもありますし、顧客自身が気づいていない隠れたきっかけもあります。
サブスクリプションにおいて、顧客はこのきっかけを体験すると「この商品・サービスは使い続ける価値がある」と感じて、解約せずに長く使い続けてくれるため、結果的にLTVが高い状態になります。
そして、さまざまなデータを取得できていると、顧客からヒアリングするだけでなく、定量的なデータから「この状態をつくれば、顧客は成功している」という把握ができる標が見えてきます。
私はこの指標をサクセスKPIとよんでいます。LTVが高くなる状態をつくるために、顧客の利用行動を想像して、「どのようなデータを取得できるのか」「どうすればその指標をより良くすることができるのか」ということを考えます。
たとえば動画配信サービスのサブスクリプションでは、入会のきっかけは大ヒットした映画などが多い傾向があり、LTVの高い会員は、連続ドラマを見る人が多いそうです。この場合、映画を見た人に、それと関連しそうな連続ドラマをおすすめする、という打ち手を実施して、実際にその該当顧客のLTVが高まるかどうかをチェックします。
サブスクリプション以外の事例になりますが、ツイッター(Twitter)では利用を開始したユーザーがある一定数の人をフォローすると、継続率がかなり上がるそうです。そのため、新規のユーザーには、フォローした方が良いアカウントをメールなどで通知するなどして、フォロワー数を増やす前に、フォロー数を増やすような働きかけをしています。また、CtoCプラットフォームのメルカリ(mercari)では、「商品を購入する」もしくは「商品を販売する」という目的で利用し始めるユーザーが多いのですが、購入・販売のどちらかだけではなく、購入もするし販売もするユーザーの方がLTVが上がるそうです。そのため、何かを購入したユーザーには「手元にある○○を販売してみませんか?」とメッセージを出したり、それをサポートするためのクーポンなどを配信しています。さらに、化粧品では、最初に購入したカテゴリ以外の商品を購入する(最初に化粧水を買ったら、次はメイクを買うなど)とLTVが高くなったり、ファッションブランドなどでは、自分が気に入っただけでなく、他の人に「その服かっこいいね」と褒められたりするとLTVが高くなるそうです(これはデータでは可視化しづらいですが.....。)
このように、まずは自社の商品・サービスにおいてのサクセスKPIを定量・定性の両面から考えてみると、顧客の成功を導き出すことができます。ただし、データのみでこ指標をつくると、因果関係が逆になってしまう場合があるので注意が必要です。
■サブスクリプションの事業をつくるフレームワーク
P:ペインの発見
T:トライアルで仮説検証
C:コアバリューづくり
P:事業計画の確定
P:プロダクトマーケットフィット
■暮らしの提案は伝わりづらい
私は、スポティファイの「音楽を発見する」というコピーが好きです。実際に使い続けていると、他の音楽配信サービスと違って、レコメンドされる楽曲の感じがとても自分にフィットしているんですね。
若い頃はいろんな音楽を聴いて楽しんでいたのに今は昔の曲ばかりを繰り返し聴いている。ちょっと悲しいな……」と思っているところに、スポティファイは新しい音楽との出会いを運んでくれます。
でも「音楽を発見する」の言葉どおりに、私ははじめから音楽を発見したいと思って使始めたわけではないんです。レコメンドが心地よくて、使い続けていくうちに音楽を見する暮らしがステキだと感じるようになっていた。
おそらく他の音楽配信サービスも、それぞれに提案する暮らしがあって、顧客は選択をしているのでしょう。
このようにサブスクリプションが提案する暮らしは、顧客が商品・サービスを利用して成功を体験することで初めて、気づいてもらえるものです。
■解約会員は「新規」「中堅」「ベテラン」に分ける
■稼働率は「利用者別」「コース別(プラン別)」「R(Recency)別」に分ける
■最も大切な打ち手は会員の解約率を下げること
解約とは顧客の成功をつくれなかったことを意味する
LTVを伸ばすために、顧客と丁寧なコミュニケーションをとりながら、商品・サービスを改善し続け、顧客の成功に伴奏します。そうすると、必然的に商品開発や営業、カスタマーサポートなどの他部署と関わることが増えてきます。
■サブスクリプションで売上の壁を超える5つのポイント
1.LTVを伸ばすマーケティングをする
2.事業をつくるときは小さく始める
3.顧客の解約率を下げる打ち手が最重要
4.LTV>CPOとなったときが広告投資のタイミング
5.顧客を中心とした組織をつくる -
ptcpp
pain trial corevalue profitbility PMF
会員数×稼働率×単価
解約は解約タイミングで新規中堅ベテランでわける
稼働率は利用者別、コース別、recently(直近利用率)でわける
単価の調整は是々非々であり、柔軟に対応すべき
ltvがcpoを越えれば利益率が出続ける
広告強化するならそのタイミング -
最終章あたりにある売上をKPIで分析する手法は、実践できるほど突っ込んだ内容でありがたかった。これに助けられた
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色々な業種でサブスクリプションは流行っているが、単なる定額サービスというだけでは失敗してしまう。
事例などを踏まえてサブスクリプションの仕組みを説明されていてなるほどと思いました。 -
自社でもサブスクを試みているので、とても役に立つ情報が多かった。特に、ユーザーの私生活においてペイン(痛み)の部分を意識すれば新規事業が生み出しやすいというのが共感した。
読みやすい本であったが、今までサブスクの話は本や、その他から学んでいたので、新しいことを学んだというよりは、当然のことがかかれていて改めて学び直したという感じでした。
しかし、サブスク初歩としてはとても読みやすい! -
サブスク事業の始め方が、体系的にまとめられていた。
サブスク事業に関わっている人からすると、既知の内容が多いが、サブスク事業以外に関わっている人にとっては、学ぶところが多い。 -
・顧客の「使い続けたい気持ち」を作るサブスクリプションが注目されている。サブスクリプションは、顧客データをもとに商品・サービスの改善を重ね、使い続けてもらい、顧客との関係性を深めます。すると顧客は「このサービスを使ってる自分っていいな」と感じることができる。「コトを実現したモノ」は顧客にとってかけがえのない存在となり、周りの人に「このサービスおすすめだよ」といいたくなります。
・サブスクリプションとは、定期的な利用があり、かつデータが活用されている商品・サービスのみ。フィードバックの仕組みを持ち、KPIや経営の考え方を変え、組織の設計を変えるもの
・ユーザーのペインは、何も特別なことではなく、「そういうものだから仕方がない」と私たちが思い込んでしまっているところにもあります。
・サクセスKPI:「この状態を作れば顧客は成功している」と見える指標。LTVが高くなる状態を作るために、顧客の利用行動を想像して、「どのようなデータを取得できるのか」「どうすればその指標をよりよくすることができるのか」
・クラウド型サブスクリプションの戦略として求められるのは、シェアの拡大とパーソナライズ
・時短を売りにしているサービスなのに、注文が面倒くさいとか、商品を届ける箱の片づけが手間だと、サービスには満足しても結局使い続けられない(コンセプトはすべての側面で一貫性を持たせる)
・「商品・サービスありきでターゲットに訴求していく」から「選ばれる存在になる」というマインドセットの転換が欠かせない。「顧客に暮らしを提案できているか」「顧客の成功体験をアップデートできているか」が事業づくり・拡大のチェックポイント
・会員数は「新規会員」「継続会員」「解約会員」に分ける
・初めに解約率が上がるタイミングが、サービスの定着を判断する指標となる。初めに解約率が上がる時点までの会員を新規と定義し、新規解約が多いならば、サービスの定着を促す打ち手を実行すればよいのです。
・新規の稼働率が低かったら、「サービスの使い方がわからないのではないか」、ベテランの稼働率が低かったら、「サービスに飽きているのではないか」などの仮説を立て、打ち手を考えていきます。