人は感情によって進化した (ディスカヴァー携書)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2011年6月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799310243
作品紹介・あらすじ
われわれの祖先はジャングルで暮らしていた時代から、環境に適応するためにさまざまな感情を身につけてきた。「恐怖」「怒り」「愛情」「嫉妬」「楽しさ」「幸福」等々、感情から人類進化の秘密が見える。
感想・レビュー・書評
-
進化心理学という言葉をこの本を通じて初めて知った。人間がもつ感情がどのように進化してきたのかを簡潔に説明してくれており、感情についての歴史をざっくりと理解したい人にはおすすめかもしれない。今後テクノロジーがどのように発展していこうとも、人間の感情にいかに大きな影響を与える事ができるかという点で軸はブレていくことはないだろう。人間の感情を理解するという試みは、未来のテクノロジーのあるべき姿を考えていくうえで、有意義であることは間違いないと思う。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【#今日の読書 No.2】 https://amzn.to/2R3mBgp
行動の原動力は感情なので、その仕組みを学び直すために、読んでみました。
こんな目的で、こんな本を読んでるのかぁ~って感じで、参考にしてもらえたら嬉しいです。
1日2冊以上(年間750冊以上)の読書を目標積み上げ中です。
お手数ですが、書評はリンク先のレビューをご参照ください。 -
進化心理学なる人類の進化論と人間の感情表現について書かれている。
自分では感情を露わにすることへの抵抗感を、心理学的にうまく解説していている。何が大切で正しいかは今一度考えさせられる -
図書館
-
どう感情が進化したのか?
→自己呈示欲求の目的は、自分の得意な技能を表明し集団に貢献すること
組織に貢献できてるということは、自己呈示が受け入れられ、メンバーとして認められること -
石川先生の進化心理学
心理が遺伝することや生存競争に心理が関わっていることを解説
自分の心を省みるのにいい
そして、今 勝ち組のあなたは生物として勝っているかは.. -
感情。
そう聞くとマイナスなイメージを持つ方も多いだろう。
仕事やプライベートでもよく、「感情的になるな」と注意される。
怒りや悲しみ、不安は無いほうが楽に生きられる。
ただ、この本では、人がサルと違い、進化できたのは
感情によるものだとしている。
「不安とはばくぜんとした恐怖が持続する状態だといえます。狩猟採集時代に人間の想像力が高まり、今ここに直面する事物以外に、創造物に対しても恐怖をいだくようになったのです。『今ここ』のみに生きている、他の動物にはあまり見られない感情なのです。」(P.40)
人間は「今ここ」だけでなく、過去や未来に対して考え、感情をいだく。
それは時として、マイナスにも働く。
しかし、人間は過去から学ぶことができるし、未来に希望を持つこともできる。
感情を頭ごなしに否定することに異議を申し立てたい。 -
1年程前に買ったけどなぜか読む気になれなかった本。今回読んでみたらずいぶんあっさりした本だった。
「感情のコントロールは、意識的に工夫して無意識をなだめるところから始まり、そのテクニックは進化心理学の分析から理由づけられる」ということなんだけど、人間の感情や性質が、何でもかんでも遺伝情報で決まっているような書かれ方で、少々違和感を覚える。あとがきに「進化心理学は遺伝情報による決定論を唱えているわけではない」と書かれていたけど、本文を読むとそのように聞こえるんですけど~(^_^;)って思った。
学問というよりは雑学っぽいかな。
・自分に向ける怒りの個人内効果は元気(行動的)になること。
・嫉妬は、自分のところに来た可能性のあった利益が、他のところに回ってしまったときに、それを自分のところに呼び込む感情。狩猟採集時代の小集団では、この感情に大きな意義があった。集団に発生した利益が嫉妬をする人のところに比較的多く配分される結果となったはずだから。
・後悔も同じ。損をしたら後悔してなんらかの行動を起こす態度が、生き残りに重要だった。→今はあまり役に立たない感情。
・自己実現のプロセス。個人の自己呈示→集団の承認→集団への貢献→集団からの称賛→個人の達成感。
ところが現在の大きな集団では、このような感情的報酬が必ずしも整っていない。
・幸福感を感じる度合い(幸福感度)は、遺伝によってある程度の差があることは明らか。外交的な性格の人は幸福感を感じやすく、神経症的性格の人は感じにくい傾向がある。性格の違いに遺伝が寄与する割合は約5割なので、幸福感度の遺伝寄与も少なくない。
(出典:「進化と人間行動」東京大学出版会2000、長谷川寿一、長谷川眞理子)