人を育てる期待のかけ方

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799310373

作品紹介・あらすじ

最高の成果を引き出すV・S・Sマネジメントでもうプレッシャーも逆境も怖くない。人を伸ばす期待、つぶす期待とは?「期待のかけ方」次第で、部下も子どもも、そして自分も必ず伸びる。大学選手権2連覇、元早稲田ラグビー部監督による期待マネジメント決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 人それぞれ異なる。らしさ、やりたいことを見つめながら、期待をしていく。

    vssマネジメント、1対1で関わる場合は活用できるかもしれない。

    自分自身も、成功とはゴールの達成、成長とはそこに向かうまでの学びと得た力。だと認識して、価値づけしていこう!

  • 実践に基づいた人材育成の方法論。
    「その人のスタイルに合った適切なゴールを設定しよう」というのが主旨だ。たくさんの成功例が掲載されており、「職場の後輩育成や子育てにも応用できる」としている。
    読みやすいので、なんとなく素晴らしい手法のように思えてしまう。

    だがちょっと待ってほしい。この本にでてくるたくさんの成功例は、どれも早稲田大学ラグビー部の部員の場合である。彼らは少なくとも上位10%に入るくらいの能力を持つエリートたちだ。
    元々やる気にも能力にも満ち溢れている人に対して、この方法が上手くいったというにすぎない。「自分は○○ができない」「ダメなやつだ」みたいな自己嫌悪に陥ったりもしてるが、何というか、神々のたわむれ、ざれごとにしか思えない。

    この筆者は分かってないのだ。世の中の会社の後輩や子供の中には、ほんとうにどうしようもなくやる気の無い子、能力の低い子というのが、実はそれなりに存在しているということを。その子たちには「その子のスタイルに合った適切なゴールを、話し合って決めよう」なんてこと自体が、そもそも成立しないということを。何一つ、自分の能力やスタイルというものを築いてこなかったし、築くことができなかったのだから。

    巻末のスタッフの多さや、筆者自身が学習障害を持っていたことを考えると、どうも組織的に創られたストーリーとしか思えないんだなあ。早稲田大学OBが総出でマーケティングして作り出したサクセスストーリーではないだろうか。

    要するに、この話に感動しても、実践にはまったく使えませんよ、ということだ。あなたが一流スポーツチームの監督ならいざ知らず。

    VSSマネジメント、なんてのを嬉々として職場に取り入れちゃうトンデモ上司があなたの会社に現れませんように。

  • 6軍まである早稲田ラグビー監督の、チームメンバーひとりひとりの個別プロジェクトの思考と指針についての記録。

    著者が提唱するVSSなるメソッドを説明した後は、選手と独自に立てた目標設定から達成までの道のりに真摯に向き合ってきたエピソードが続く。監督が練習を見ることができるのは1軍と2軍の一部に限定されている。なのにどうして全メンバーの個別プロジェクト管理が可能なのか、信じられない思いで読み進めた。

    そしてこんな仮説が頭をよぎった。

    ラグビーは相手チームの壁のわずかな隙をこじ開けるようにぶつかりながら、時に思いもよらない発想で創造的にゴールを目指す。当然、そのバリエーションは多く、柔軟性に富むに越したことはない。組織の中での自由度の高さと主体性の発揮具合がカギだ。そのプレーヤーの個性と、選手ひとりひとりの挑戦ストーリーが、ゲームでのゴールを目指す姿に重なって見えるのではないか?と。

    ゴールへのイメージは細かく、イロトリドリで良いんだ。監督は、もし立ち止まっている選手がいたら、豊富なゲーム経験と育成経験からその選手に合ったゴールイメージを一緒に描いて、後押しし、期待し、見守る。

    人間のコミュニケーションの限界人数は150人程度らしいが、著者にはラグビーと早稲田という住み慣れた環境で情報を圧縮し続けて、その限界を超えた世界を捉えているのかも知れない。ラグビーに詳しい人にこの本で描かれなかった部分を質問してみたくなった。

  • ・「期待」とはあらゆる多様性を認めること
    ・期待をかける側に求められるのは、失敗を恐れず成長を願うスタンス

  • ○○なるはずと思い込まずによい結果になると信じて
    ただ結果には一喜一憂せずに待つ。

    目標も期待も少しずつ・・・
    この本でそれを理解することができました。

  • なんか救われた。自分のやり方を見失ってた。新しい事の連続すぎで、ゴールしか見えてなかった。

  • 人を見るときに、スキルのような点でなはなく、考え方のような線で見るといった、スタイルの考え方はすごく参考になる。線で見ることができるとゴールの共有がしやすく、話の流れをイメージできるようになるのはすごく良い。また、スタイルに合わせて選択するというのは、自分が悩んでいることに対しても使えて、いい思考の補助線になった。

  • 20140425

  • 2013年100冊目。

    早稲田ラグビーを2連覇に導いたフォロワーシップ論者でもある中竹さんの本。
    追っているテーマなので読んでみた。

    著書『リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』でも仰っていたVSSマネジメントがここでも登場。
    http://www.amazon.co.jp/gp/product/4484092042/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4484092042&linkCode=as2&tag=fantasista102-22

    ■V:Vision=ゴールイメージ
    ■S:Story=ゴール達成の道筋
    ■S:シナリオ=予測した逆境に対する打ち手

    相手の「スキル」ではなく、そのスキルが得意な背景・その人の姿勢=「スタンス」を伸ばすことに重きを置く。
    そのためには、VSSの「決めつけ」ではなく「すり合わせ」が必要。
    適切な期待のかけ方もそこから見つかる。

    非常に読みやすい本です。
    中竹さんの本、もう一冊読みま〜す。

  • ■スタイルを反映したVSSの描き方
    STEP1:その人らしいヴィジョン(ゴール)を描く
    - 考えること
     ゴールに向いている内容、ゴールの高さなど
    - 考えるポイント
     好きな領域・嫌いな領域を考える
     得意な領域・苦手な領域を考える
     目標設定は高いほうがいいか、手が届きそうな目標がいいか
     成長を目指すのが向いているのか、成功を目指すのが向いているのか

    STEP2-1:その人らしい、最もストレスのないストーリーを描く
    - 考えること
     ゴールを目指すにあたり、その人が最もストレスのない目指し方
    - 考えるポイント
     物事に対する態度 / 人に向き合う態度
     個人プレーが得意か、チームプレイが得意か
     リーダータイプか、フォロワータイプか
     ゴールを目指すスピード感

    STEP2-2:ストーリーに逆境を埋め込む
    - 考えること
     その人が陥りどうな逆境
    - 考えるポイント
     失敗していること
     失敗の原因
     失敗しそうなこと

    STEP3:ストーリー通に運ぶように、シナリオを用意する
    - 考えること
     よい状態にないときにどのような態度・行動・言動をとるか
     順調な状態にあるときにどのような態度・行動・言動をとるか
    - 考えるポイント
     忙しいとき / 体の調子が悪いとき / ピンチに陥ったとき
     苦手なこと、不本意なことをやっているとき
     人間関係がうまくいってないとき
     時間に余裕があるとき / 仕事がうまくいっているとき
     人間関係がうまくいっているとき
     チャンスへの向き合い方


    ■「期待」とは、あらゆる多様性を認めること
    期待をかけるということは、その人らしさ、スタイルを認め、それに合ったゴールとそこに至る道のりを共有し、支援すること。
    自分らしさをカミングアウトできる。それをその人のスタイルとして、それを活かした期待をかけられる。それが、期待の哲学。

    ■未知なる可能性をつぶさないために、すべては「点」から「線」へ
    ゴールを達成した瞬間だけでなく、ストーリーの線上にいる時間すべてがその人らしく、その人にとって有意義な時間になり得る。

    ■「成功」はゲームオーバーではない
    成功とは、ある目標を成し遂げること
    成長とは、目標を達成したかどうかに関係なく、そこから何かを習得して、それを次のステップに活かせるようにすること
    成長は1つのゴールの達成いかんにかかわらず、ずっと未来まで「線」が続いているイメージ
    高めのハードルを設定し、失敗を積み重ねることが、成長にとっては大事なこともある
    「振り返り」が人のさらなる成長を促す
    その人の人生の、連続した時間軸の中にあって、その時間は後のその人の人生に少なからず影響を与える可能性がある、
    期待をかけるということは、それだけの覚悟が必要

    ★期待は成長や成功を支援する欠かせないテクニック

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著者プロフィール

株式会社チームボックス代表取締役
日本ラグビーフットボール協会理事

1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年、日本ラグビーフットボール協会「コーチのコーチ」、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。
ほかに、一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 など。
著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』(CCCメディアハウス)など多数。

「2020年 『どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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