- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799316429
作品紹介・あらすじ
インターネットの本格普及から20年。ドクター・キリコ、ウィニー、学校裏サイト、秋葉原無差別大量殺傷事件、ウィキリークス、アラブの春、リベンジポルノ、バカッター…あの事件は何を変えたのか?私たちはどう生きるか?
感想・レビュー・書評
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藤本直子先生 おすすめ
5【教養】007.3-Y詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
序盤はそうでもないですが、読んでいくにつれて、各事件や問題を、社会学的だったり情報学的だったり、それこそ追跡取材による視点で、著者なりに考察をし、各々の側面や、深いところを照らしだしています。こういう、「ITだけ扱いました」という類の本であれば、まあ、ステレオタイプな考え方だとは思うのですが、安直に編んだなら、こうこうこれだけの事件があった、というだけで、事件の羅列と、ネット側からしか見ない杓子定規な評価だけで終わりそうです。本書はそうならずに、事件、ひいてはサイバー空間自体を揺さぶってみようという試みが読み受けられる。呑みこまれずに、対象化していたい、という姿勢です。リテラシーや情報倫理が必要だ、というような、著者流の意見も随所に出てきて、それがたびたび肯けます。
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おもに国内の事例中心に、’90年代後半以降のサイバー犯罪といわれるものを振り返っている。単に世間を騒がせただけではなく、IT社会として、何かのターニングポイントとなった事件性に着目して取り上げているようだ。独自の取材ネタ公開というよりは、公知の情報をきちんと整理して、その意味づけ解釈する構成。最後にIT社会人としてのリテラシーが述べられているが、この手の例に漏れず、決定打はない。
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■書名
書名:IT社会事件簿
著者:矢野直明
■概要
ドクター・キリコ、ウィニー、学校裏サイト、秋葉原無差別大量殺
傷事件、ウィキリークス、
アラブの春、リベンジポルノ、バカッター・・・・・・・
インターネットの本格普及から20年・・・
あの事件は何を変えたのか?私たちはどう生きるか?
(amazon.co.jpより引用)
■感想
一般ニュースになったITがらみの事件について、事実を羅列していき
作者なりの解釈を加えています。
2016年現在、1年ぐらい古い感じです。
こうやって事実を羅列していくと、ITの発展に伴い、ITを利用した
事件に変化が生じているのが分かります。
ただ、よくよく考えると表面的には事件は変わっていっていますが、
根本的には、ITが無い時とあまり変わっていないような気もします。
基本的には、男女間の争い/もつれ、金儲けが根本にあるのは変わらない
です。
事件の多くは、
・恋愛
・金
・権力
・復讐
・快楽/愉快
のどれかに起因して起きるのは昔から変わっておらず、ITが発達しても
それは変わらないんだな~と思います。
変わったのは、ITが発達して事件数がある種の事件数が増えたことなのかな?
と思います。
人がITに支配され、そこに上記の条件が重なると事件が起きやすくなる
というのはあるのかもしれません。
私は、情報漏えいがあるから今の仕事をしている身なので、そういうのが
無くなったら自分の仕事がなくなるという複雑な立場だったりします。
まあ、そういう観点でみると、かなりの数の職種が犯罪ありきだったり
するので、あまり気にする必要もないかもしれないですが。
本書は、ITと事件を関連付けて整理して読めるので、オススメの一冊です。
■気になった点
・小さな行為が増幅され大事になるが、犯罪を追求すると責任が
蒸発してしまう。