西洋人の「無神論」日本人の「無宗教」 (ディスカヴァー携書)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2019年4月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799324639
感想・レビュー・書評
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西洋人の無神論と日本人の無宗教は似ている部分も多いが、微妙にズレがある。無神論は一神教と双子の関係にあり、日本の八百万の神とは根本的に相容れない。確かに言われてみると「神は1柱か多数か」という差異は大きい。
全体的にフランクな文章で、宗教なんてと構えず、気軽に手に取って欲しい一冊。
一神教の神には3つの性格、「創造の神」「奇跡の神」「規律の神」があるが、無神論で攻撃されるのは主に創造の神である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神の存在について多く書かれている。
日本は道徳が宗教の代わりを担っているだろう。 -
今、欧米では無神論が台頭しているという。そして日本でよく聞かれる「自分は無宗教」。
これらは本当なのか、そしてどういうことなのかを宗教学者である著者が述べる。
日本人が無宗教であると言う場合、多くは特定の宗教・教義の信者ではない、という意味だ。そう言いながらも初詣に行き、お守りを買い、墓前に手を合わせる。これは神道や自然に宿る八百万の神などの多神教の文化が根付いているということに他ならない。
一方で欧米で無神論を唱えるということは、きっぱりと神を否定することだ。是か非か、と白黒はっきりさせるのも一神教世界の伝統だそうだ。
また、日本では宗教的規範よりも「自国の伝統」とされるものに対する固執の方が強い。なるほど、「ここは日本」という言葉をよく耳にするはずだ。
最後に心に響いた著者の文を一つ。
「道徳にとって重要なのは、神の権威によって思考停止することではなく、さまざまな事情を抱えている、あるいはあなたの知らない事実を知っているさまざまな相手の意見に耳を傾けることだ。」