自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術 (ディスカヴァー携書)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784799327753

感想・レビュー・書評

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  • 自分自身の考えていることを自分のことばによって自分のテーマとして相手に伝えるための表現という活動をはじめるための本。

    自分が「考えていること」をそのまま「ことば」にするために必要な事項について書かれた本。

    <まえがき>
    何かを表現するときにもっとも重要なこと。
    =「自分の”ことば”をつくる」ということ。
    ➡自分でなければできないことを表現するということ。

    自分の”ことば”を発見する。
    ➡それぞれの社会で相手とのやり取りの中で、表現すべき内容と自分との関係にしっかり向き合うこと。

    自分の”ことば”をつくるためのポイント)
    ・自分の中にあることば(考えていること)をどのようにしてじかくするか。
    ・ことばをどのようにして他者に伝えることば(表現)にするのか。

    自分にしか語れないこと。
    =「自分のテーマ」

    自分のことばで語るために大切なこと。
    =とにかく「ことば」にすること。

    難しいこと)
    ・「考えていること」を「ことば」にするプロセス。
    ・自分のテーマを持つという実際の感覚。

    <第1章 自分のテーマを発見する>
    何かを表現する。
    ➡自分のテーマを自分のことばで語ることがもっとも大切。

    表現する。
    =自分自身を表すこと。
    ➡自分にしかできないこと。

  • エピローグの千葉くんの話は分かりやすく良かった。

  • 昇格試験があり自己分析方法を再定義したくprime readingで読めたので読書

    ◯サマリ

    「欲望を伴わない学習は記憶を損ない、記憶したことを保存しない」とはレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉。本書第1章はこの言葉から始まる。

    自分の言葉とは、自分というフィルターを通し表現される言葉の事。自分のフィルター(価値観)は自覚しているテーマを起点として得られた経験・知識によって構成される。

    自分の価値観:オリジナリティは初めから自分の中にはっきりと見える形で存在するわけではなく他者とのやりとりのプロセスの中で少しづつ姿を見せ始め、自分と環境の間に浮遊するものとして把握される。

    理解と表現は次の関係である
    情報→(理解のプロセス)→認識・判断→(表現のプロセス)→他者への表現化→(理解のプロセス)→他者からの反応

    想像とは「借りて」「盗んで」「返す」というプロセスの「繰り返し」(原野守弘『クリエイティブ入門』)
    人がものを作り上げるのはゼロから作り上げるのではなく、他者とのやりとりのプロセスで刺激を受け形にしていくということになる

    自分の言葉をつくる上では「自分のテーマ」と「自分の経験」を一体化させ、自分の主張(結論)とする必要がある。
    言い換えると自分の経験をしっかり観察した成果としてポートフォリオを作り、この成果を相互に批判しあい、議論することで自分が生きる新しい地平を拓く事につながる。


    ◯感想
    他者があって、自分がある。その前提となるのは自己理解であるが、それは表現によって初めて成立しうる。
    どんな内容であれ、起点は自身の興味・関心と経験を観察し何を見出すかという事なんだと思った。自分のポートフォリオになる出来事は無数にありとりとめもないが、広義の編集の仕方によって得られる事は変わるのだと思った。一見うちへうちへ掘り下げていく作業の様に感じるが、そこは螺旋であり、一部は表現していく事が更なる自己発見に繋がるのだと理解した。

  • ダメだった。
    学生時代の現代文の授業みたいだった。
    何か私の求めているものとは全然違いました。

  • ことばで自分の考えを表すということに昔から苦手意識を持ってきたが、この本を読んで、苦手だからだめということはなく、この世には世界の人口分のオリジナリティや考え方があり、それを深めたり表現する権利は誰にでも平等にあって、それはいつからでも磨くことができるのだということに気づかされた。
    今は何でもぱっと調べられて情報収集が容易にできる時代だが、まず内側に意識を向けて自分の持っているテーマに気づくこと、またそのテーマについて人と対話してみることで、自分の気持ちや意見が明確になってくというプロセスが表現することにおいては大事である。
    レポートを書く学生さんや社会人、何かを表現したいと思っている人全てが読んでためになる本のように思う。

  • 自身のキャリア、今後どうしたいのか。
    自分の言葉で思考する文献として購入。

    ■感想
    ・自分のテーマを確立し、今起きてることと
     "繋げる自分ゴト化力"の大切さ
    ・内言と外言の認識と活用※自分は外言が弱い
     他者にFBを、もらう機会と対話の量を増やすべき
    ・「なぜ」を問う理由は自分の主張をはっきりさせ、
     自他共に「自分何がしたいのか。」を明確にする為
    ・感じたこと、思うこと、自由表現の大切さ
     周囲を気にしない

  • 文章を書くには
    自分の考えを掘り下げていくことが必要で
    それはとても頭と体力を使うことだ、
    ということが分かった。。

    ・自分が相手に何を伝えたいかよりも、相手に自分がどう見られるか、どう評価されるかが個人の関心の中心になるというのも、この政治的な現実によるものなのかもしれません。(p.39)

    ・なぜ相手に提出するのかという自分自身の構えのないまま、そのテーマと向き合わざるを得なくなることになります。そこでは、自分の内面と対峙することが要求されます。その結果、あたかも自分の個人的なプライバシーを他人から抉り出されるような、不当な感覚を覚えてしまうことになるのです。本来、自分自身のテーマの選択責任の問題であるにもかかわらず、そのことに気づかないため、あたかも周囲からそのような状況に陥れられたという被害妄想的な気持ちになるのです。まさにそのこと自体が、自律的に表現するという行為から自らを遠ざけることなのです。(p.63)
    →つまり、文章を書く際に与えられた題材があるにしても、「テーマ」を選ぶのは自分自身だ、ということ。
    ・表現の構成について
     「はじめに」[1,2割]…問題意識 なぜこの問題なのか
     「本文」[7,8割]…自分の問題意識を具体的に説明
     「結論」[1,2割]…問題意識・具体例を踏まえた自分の考え・主張
              必要に応じて「おわりに」…反省・課題・展望

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50263392

    「自分の意見を伝えること」が苦手な人が、自信をもって発言、発信できるようになるための指南書です。 (生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • 自分には新しい学びは無かったです。ジャーナリング等試した経験がある人は同じ印象かと思います。

    自分の言葉とは、生きる意味、オリジナリティだと。他社との対話で解像度が上がると。
    要は言語には限界があるから、せめて一人の言語ではなく他者を交える事で、言語化できる概念の幅を広げられますって内容だと捉えた。

  • ◎面接、プレゼン、英会話とかで勉強になる本

    自分の言葉を作るとは、自分のテーマを持って自己及び他者と対話すること。この本で言いたいことはこの一言に尽きる。

    考えることと言葉にすることのプロセスを理解し、自分の言いたいことを探り、他者に向けてメッセージを発信することでその力は確実に向上する


    p42
    日常生活の中でさまざまな興味関心のヒントを得る

    →そこから自分の好きをみつける
    →問題関心から問題意識へ
    なぜ?を使う
    →テーマが見つかる

    主張と経験はセットで!

    自分のテーマを発見する
    自分のテーマを表現する
    自分のテーマで対話する

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著者プロフィール

早稲田大学大学院文学研究科課程修了(博士(教育学))。信州大学、金沢大学等を経て、早稲田大学大学院日本語教育研究科教授、2013年退職。現在、早稲田大学名誉教授、言語文化教育研究所八ヶ岳アカデメイア主宰。専門は、言語文化教育学、日本語教育。
[主な著書]
『日本語教育と日本事情――異文化を超えて』(明石書店、1999年)
『日本語教育は何をめざすか――言語文化活動の理論と実践』(明石書店、2002年)
『「ことばの市民」になる――言語文化教育学の思想と実践』(ココ出版、2012年)
『対話をデザインする――伝わるとはどういうことか』(ちくま新書、2019年)
『自分の〈ことば〉をつくる――あなたにしか語れないことを表現する技術』(ディスカヴァー21、2021年)
『「活動型」日本語クラスの実践――教える・教わる関係からの解放』(監修・共著、スリーエーネットワーク、2022年)

「2022年 『共生社会のためのことばの教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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