- Amazon.co.jp ・マンガ (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800012401
感想・レビュー・書評
-
サージェント邸での暴走。「吸収」され、ばらばらになったが、
「かけら」を拾い集めて、彼らは元の姿に戻る。
疑念を胸にリズベスの所に赴いたフィロメラは、絶望の淵へ。
だが、チセたちの登場と言葉に「たすけて」と叫ぶ。
襲われるフィロメラをかばう、アルキュオネ。
そこに現れたのは・・・物語は波乱を含む展開に。
リズベスの回想は、家と生業に捉われる彼女自身の歩み。
息子アダムへの歪んだ母性と執着は、ある意味、狂気です。
それを増長させた、あの悲劇と渡された本。
これは写本か?偽書か?渡したのは何者か?
そういえば、マリエルが過去に、とある家から売り出された
魔導書の中にあった話をしてたけど、これも関連があるかな?
ウェブスター家の悲劇の謎も、まだ解明されていないし。
また、「かけら」を拾い集めて、
それぞれの心の奥深くにある過去を、真相を垣間見て、
語り合う場面では、アイザックやルーシーとの距離が一気に
縮まったという感じがしました。そして、
激しい戦いの中で、消滅する前にアルキュオネは「記録」を
渡す。「あなたの「記録」じゃ、あなたが足りないのに・・・」と
涙するフィロメラの表情に、ふと涙ぐんでしまいました。
禁書に取り込まれたリズベスを追い詰めるアダムの呪い。
そして人狼の女、女神モリガンが登場!
この混沌はどう展開されるのか?次巻が楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カレッジ編になってから幾度か行われてきたチセとフィロメラの交流、最初はその交流がどのような意味を持つのか測りかねていたのだけど、こうしてチセとフィロメラによる過去探訪が描かれた事でようやく腑に落ちた気がするよ
両親に愛された記憶が限定的で、その後の生活でひたすら邪険にされて、受け止めてくれる人なんて居なくて。
だからあの日のチセは飛ぼうとした。でも様子を見る限りフィロメラは飛ぼうと思う事すら出来なかったタイプか…
その点においてはチセとフィロメラに違いが有る。受け止めてくれる人々に出会えたから、チセはいずれ出会えるかもしれない優しさや救いを示唆してやれる
フィロメラに向き合おうとするのがチセだけでない点はカレッジ編の特徴と言えるね。アイザックにルーシー、あの屋敷には来てないけど他の学友だってきっと同じ
今のフィロメラは一人ではない。でも本人がそう感じる為には自分は一人だとどうして感じるようになったのか、その原点と向き合う必要があったわけだ
ウェブスター家が襲われた真相、祖母から命じられた悪行。それによって感じた学友との距離。全てと再び向き合って、その意味を受け止めて。そうして始めて次の言葉が生まれてくる
ただ、フィロメラの意思だけで変えられるほど事態は簡単ではないのだけど…
フィロメラの祖母、リズベスが抱えた闇はとても人間的なものが始まりに有るけど、その過程で採った選択が禍々しい為に彼女を人間から遠ざけているね
家格による強烈なプレッシャーに身と心を苛まれていたリズベス。自身の優秀さを頼りとした為に血を継ぐアダムを絶対視したのか…。リズベスが更に歪む事になったのはアダムの反抗だけど、その前に彼女が親としての情をアダムに見せなかった事がそもそもの原因のような気もするけどな……
だからアダムがその従順な顔の裏で何を思ったか、何を考えているかを全く知らないままに裏切られてしまう。問題はその裏切りの果てにフィロメラがリズベスに利用される事態が始まってしまうことで…
唆す声に導かれて、肉親の情を求めて、自分や周囲の者を不幸にしてしまう事を考慮の外に追い遣ったフィロメラが辿り着いた終焉。リズベスの甘言は全てフィロメラを贄として利用するためだったなんて酷い話…
身をボロボロにした果てに得られた物なんて何もないと絶望したフィロメラが声に出せた「――たすけて」は感動的。フィロメラはようやく自分がどうなりたいかを理解できたわけだ
そうして子供が一つの巣立ちをしたと見届けたアルキュオネは親代わりの役を降りる運びになるわけだけど、彼女の中からとんでもない存在が出てきたね……
アダムを求めて暴走するだろうリズベスの為に用意されたカウンター。フィロメラに温もりを与える為のものではなく、温もりが奪われた際に発動する嫌がらせ
そんな悪意に拠って混沌とした状況に降り立つのがまさかのモリガンとか……!これ、どうなってしまうのさ…