弁護士探偵物語 天使の分け前 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2013年1月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800205568
感想・レビュー・書評
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一言多い感じの主人公にはじめはどういうことなのかわからなくて、空気が読めないタイプの障害を抱えているのだろうか、なんて上手く読み取れずにいたけれど、ジョークだと本人が言う辺りから段々と掴めて来て、いつの間にか愛嬌に感じるようになっていた。散りばめられている福岡弁や、法曹界や精神科の病院の雰囲気にも引き込まれた。ただ人のやり取りにばかり目が行って、事件には入り込めなかった。
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酒好きで、いつもさえない姿で、女性から依頼をうけ、権力にかみつく一匹狼。「前に読んだ?」と既視感がわくくらい、べたべたなハードボイルド私立探偵小説。
ワイズラックは頻発なものの、その空回り具合も含め、主人公のキャラになっている。
裁判官、検察官、警察官に対して、法律と実際の運用の矛盾を指摘していくところは、なかなか痛快。 -
単なる天邪鬼にしか見えない主人公に最後まで馴染めなかったけど、相手が検察だろうが裁判所だろうが警察だろうが引いちゃいけないところでは一歩も引かないという弁護士として一本筋が通っているところは魅力的。
何となく、バチスタシリーズの白鳥を思い出した。 -
ストーリーはいまいち良く分からなかった。多分どういう結末だったかは忘れてしまうと思われる。
なかなかお目にかかれない博多を舞台とした作品として楽しめた。 -
こんなにひねくれていているのに、でも純粋なのかな?
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9月-6。3.5点。
ハードボイルドな弁護士、過去の殺人事件に疑問を持ち、
弁護士休職をを経験しながら、捜査。
殺人被害者の夫や、謎の美女などと絡みながら真相へ。
最初は読み辛かったが、後半一気読み。
ハードボイルド節が、少しクドい気が。 -
『このミス』大賞受賞作。
解説に「斜に構えた視線で皮肉な論評を加え、減らず口を叩きまくる主人公の内面に隠されたシャイな性格は、ドン・ウィンズロウのニール・ケアリーシリーズを思わせて…」とあるけど、ニール・ケアリーはかなり好きなのに、この主人公の減らず口はたまにいらっときたのは何故だろう…読んだときの精神状態が悪かったのか(笑)。
とはいえ、おもしろく読めたので、次作も読んでみたい。 -
ちょっと、まわりくどいかな。
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第10回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品。ってのが読むきっかけとしてあったのですが。読み終えて本を閉じて、うん?と。
僕の中にあったハードボイルドとは決定的な違いがあって、なんだかなあと。それでも逆にその背伸び感って呼んでいいのか、それがどうにも可愛く思えてくれば親しみが一気にわいてきまして。それを狙ってるわけではないのかな?どうなんでしょ。
ストーリーに関しては、なかなか解決の段階に入っていかないなあ、と思ったらあれあれれ、と。どうもリズム感がしっくりこないことだらけ。
ただひとつ、これはすごい、と思ったのは、流石に現役弁護士。法曹関係におけるそのリアリティにはぐいと引き込まれるものがありまして。何を伝えたくて書いてるんだっていう、作品の存在意義は強いものを感じました。