警視庁捜査二課・郷間彩香 ガバナンスの死角 (「このミス」大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800242037

作品紹介・あらすじ

捜査二課特殊知能犯罪係主任を拝命した郷間彩香。しかし個性の強い班員をまとめきれずに空回り気味な毎日を送っている。そんな二課では課をあげて、業界大手の商社・亜秀商事の大型贈収賄事件を追っているが、新設されたばかりの郷間班は担当させてもらえない。「事件に大きいも小さいもない」と息巻く彩香は、亜秀商事の役員・峯の約十万円の横領容疑を追いはじめるが、峯と関係していた新田という男が不審死を遂げていたことから、大型贈収賄事件の端緒をつかんでいく-。

感想・レビュー・書評

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  • 4.0
    このミス大賞続編です。
    前半は面白かったですが、中盤がちょっと話がややこしくなり過ぎて読み辛かった。
    後半はまた面白くなってきましたが、伏線もあまりなく、その回収も微妙でしたから、そういうのが好きな人はイマイチかもしれません。
    人物描写は面白かったので、そこに入り込めれば楽しめます。

  • 郷間彩香シリーズ第2弾。
    郷間彩香は捜査第二課知能犯罪係主任となるものの、二課をあげて大手商事会社の贈収賄事件を追う中、彩香の班は役員のわずか10数万円の横領容疑を調べることに。捜査を進め、浮かび上がった元社員に話を聞こうとするも自殺してしまう。神奈川県警と協力して過去から繋がる犯罪を暴こうとするが・・・
    部下のキャラクターもよく、特に秋山との軽快なやり取りは面白かった。考えさせられるミステリー感はそれほどないものの、テンポよく進んだ。刑事部長吉田との仲も気になるが、こちらは次回に期待。

  • 自分の中のイメージを保ちたいので映像化はして欲しくない。
    安積班は飽きてきたので、こんな感じのがいいかも。
    裏金作りは発覚すると思うが。

  • ​好評を博した「警視庁捜査二課 郷間彩香」の、第二弾。
    相変わらず、舞台装置も登場人物も魅力的な作品。
    主人公の郷間彩香は、電卓女の異名を持つ刑事。
    こんな個性的なキャラクターの部下も、必然的に魅力的になる。
    ビジネス書などでも見かける「4つのコミュニケーションスタイル」を4人の部下に当てることで、性格付けと役割が明確になり、読者はより一層作品にのめり込み易くなる。

    それでは、物語に迫っていこう。

    やや暫く、追っている犯人像や目的が見えてこない。
    片鱗は幾つもあるが、全体像は掴むことが難しい。
    作者は望まないだろうけど、幼い頃に砂場や砂浜で遊んだ「棒倒し」に似ている。
    ぼんやりと見えてきたヤマ(事件)を、砂山としよう。
    警察をはじめ、様々なポジションの人物が登場。
    それぞれが持っている情報、あるいは見つけ出したソース。
    それらの量に応じて、取れる砂の量が決まってくる。
    その砂の量で、イニシアチブを握ることが出来る。
    ただ誰しも真相には近づきたいが、自分の出した情報で棒を倒すことだけは憚れる。
    この棒こそが、ガバナンス(統治)であるかも知れないのだから。
    事件の真相は、ぜひ本編でお楽しみ下さい。

    プロローグの使い方は、前作に引けを取らない効果的な演出。
    ここも、作者の持ち味の一つと言えよう。

  • 第12回このミス大賞受賞、の続編のようです。

    捜査一課ではなく、捜査二課。
    経済事犯に殺人事件、事件の展開もおもしろかったし、郷間主任と一癖も二癖もある部下たちとのやり取りもくすっと笑えたりで、楽しく読めました。

    企業の自浄作用、この辺は深いものがあってちょっと悔しかったりもしましたが、エピローグで大団円!すっきりなエンディングでした。

    郷間彩香 特命指揮官の方も読みたいと思います。

  • シリーズ2作目です。

    キャラクター、ストーリー、設定、構成、
    すべてが、1作目を上回っていました…。
    主人公も、変わらずキュートでしたし…。
    (まぁ、1作目はギリ及第点でしたが…)

    作中で取り上げられている知能犯罪は、
    代表的な企業犯罪全般に渡っていますが、
    重箱の隅をつつき過ぎていなかったので、
    全体のバランスが取れていたと思います。

    その分、
    高尚な企業犯罪小説をご所望の方には、
    まったく物足りなぃとは思いますが…、
    そぅいうジャンルでもなぃですから…。

    それでも、
    次回作では、それぞれのポイントで、
    もぅ一歩深く踏み込んでもらえると、
    もっと良くなるんじゃないかとも…。

    うん、面白かったですよ。

  • シリーズ2作目。
    二課の話って珍しいけど、面白かった。
    視点が変わっていくんだけど、少し読まないと誰視点かわからなくて混乱する。…それが面白いんだろうか?
    最後の種明かしが、よく理解できなかった。
    キャラクター的には魅力的だと思うので、また続きを読みたい。


    ***
    捜査二課特殊知能犯罪係主任を拝命した彩香だったが、班員をまとめきれずに空回り気味。
    二課では課をあげて、業界大手の商社・亜秀商事の贈収賄事件を追っているが、新設されたばかりの郷間班は担当させてもらえない。
    「事件に大きいも小さいもない」と息巻く彩香は、亜秀商事の役員・峯の十数万円の横領容疑を追いはじめるが、
    峯と関係していた新田という男が何者かに殺され、大型贈収賄事件の末端をつかんでいくことになる――。

  • シリーズ2作目。1作目より電卓女振りが描かれてて、こっちの方が面白かった印象を受けた。警視庁と神奈川県警の関係も面白い。ただ、種明かしがちょっと物足りない感じは受けたのが、残念

  • 巨大商事の不正、完璧なシステム、麻薬のマネーロンダリング、贈収賄。
    セクハラで茶化したり、時系列が前後したり、一行で危険な状態に転換したり。筆者の書き方の癖に少しイラついた。
    前半は展開が遅い。後半は獲物に駆け寄ってむしゃぶりつくよう。
    娘ではなく孫娘の心臓移植のため、殺人の身代わりになって不正な二億円を手に入れる。最期は類が及ばないようにする自殺。そこまでの思いがあるのはすごい。
    「ガバナンスの死角」タイトルにはあまりピンとこない。注目するのはそこじゃないと思った。

  • 郷間綾香シリーズ 第2弾

    プロローグ
    第一章 魚、心あれば、水、心あり
    第二章 多摩川に掛ける橋
    第三章 責任のババ抜き
    エピローグ

    大手商社の亜秀商事の贈収賄事件を捜査する捜査二課だが、郷間綾香率いる第一五係は本筋の捜査をさせてもらえず、亜秀商事幹部のちっぽけな横領事件を担当する。

    しかし、その横領から、亜秀商事の闇に迫る部分の端緒をつかみ、大きな事件の解明へと発展していく。

    大手企業を中心とした様々な事件の中枢に郷間が迫る。


    どうなるか展開が簡単には読めず、ワクワクしながら読めました。

    でも事件がてんこ盛りのような気がします。

    もっと伏線が少なくても十分面白く、スピード感が出るのではないかと思いました。

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著者プロフィール

1969年、山口県生まれ。『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』で第12回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2014年にデビュー。他の著書に『警視庁捜査二課・郷間彩香 パンドーラ』、『組織犯罪対策課 白鷹雨音』、『ノー・コンシェンス 要人警護員・山辺努』、『アナザー・マインド ×1(バツイチ)捜査官・青山愛梨』などがある。

「2021年 『産業医・渋谷雅治の事件カルテ シークレットノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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