- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800254900
作品紹介・あらすじ
ときに奮闘、ときに思案。14人の推薦本をめぐる小林聡美の読書日記。
感想・レビュー・書評
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大好きな小林聡美さんのエッセイ。
「聡乃学習」までは読了済みです。
ですが。「読まされ読書」、単行本で既読済みでしたが、思わず文庫本も買ってしまいました。
単行本の装丁、デザインも良かったんですが、やっぱり文庫本もいい!んです!!
(カバー・帯・扉のデザインは大島依堤亜さんです)
表見返しに図書カード入れのポケットのイラストがあり、最初のページには図書カードのデザイン。
もう、最高です。懐かしい図書カード。
(単行本は図書カードが挟んであります。幸せ)
内容も勿論良いです。
14名のゲスト(推薦人)+ご本人の推薦書がさらりと紹介されています。いや、愉しいです。
・飯島奈美(フードスタイリスト、Eテレ放送の沢村貞子さんの365日の献立日記の料理を作られています。推薦書は斉須政雄「十皿の料理」)
・森下圭子(ヘルシンキ在住、きのこ愛に満ちた人。推薦書は飯沢耕太郎「きのこ文学名作選」)
・皆川明(ミナペルホネンを設立、デザイナー、著書もあり大ファンです!推薦書は鬼海弘雄「ぺるそな」)
・井上陽水(推薦書は松本清張「梅花の香」。流石です。因みに【東へ西へ】は名曲だと思います)
・林聖子(新宿で文壇バー「風紋」の元マダム。少女時代に太宰治に可愛がられる。推薦書は辻まこと「虫類図譜」)
・吉村俊祐(別名ジミー、地味をモットーにしている。とのことです。推薦書は赤塚不二夫「たまねきちゃん」)
・よしもとばなな(小説「キッチン」は出版されて直ぐに買いました。映画はレンタルビデオしました。推薦書は佐野洋子「死ぬ気まんまん」)
・群ようこ(作家、随筆家。れんげ荘シリーズ面白いです。推薦書は福田博通「神使像図鑑」)
・髙橋ヨーコ(フォトグラファー、推薦本は藤子・F・不二雄「オバケのQ太郎」)
・長塚圭史(劇作家、演出家、俳優。推薦書はフランク・パヴロフ「茶色の朝」)
・酒井順子(エッセイスト、「負け犬の遠吠え」の著者)
・宇多喜代子(俳人、現代俳句協会特別顧問、文化功労者。推薦書は篠原徹「酒薫旅情」)
・石原正康(編集者、幻冬舎の編集最高責任者。推薦書はボリス・ヴィアン「うたかたの日々」)
・さかざきちはる(絵本作家、イラストレーター。推薦書は石井桃子「山のトムさん」)
〈補足〉本書のさかざきちはるさんのイラストも、カラーで収録されていて味があります。笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
俳優・小林聡美さんが友人、知人から薦められた本を読んで
思って感じたことをまとめた「読まされ図書室」
薦められている本はというと
文学小説に加えてエッセイあり漫画あり、そして妙~な図鑑もありと
バラエティに富んでいて、小林聡美さんは全部読まされたという
数々の本のなかでも正直言って、私はきっと読まないだろう(読みたくない)なぁ...
という本もちらほらと混ざるなかなかのユニーク選手軍。
だけど例えきっと読まない(読みたくない)だろうと思う本も
へ~...こんな本があったのね~...びっくり~! と、その本そのものの
存在を知ることが出来ただけでもちょっと嬉しい気分になりました。
紹介本は、それぞれ紹介された方から小林さんへの一言メッセージが添えられており
小林さんはそれを受けて、本の内容を絡めてエッセイ風に感想を書かれています。
以前読んだことがあったけどもう一度読み返してみたくなった本。
知ってはいたけどまだ読んでいなかった本。
新たな発見で読んでみたいと思った本。
そして、これはなしかなぁ...の本。
(だけどきっと図書館あたりでこっそり探すと思う...そしてちょっと捲る。
んで、はずみで借りちゃうかもなぁ....笑)
楽しい楽しい♪ -
単行本を読みそびれていたので、文庫版を手に取った。
俳優・小林聡美さんがご友人から本を紹介され(というか「読め」と勧められ)、読んだ感想やそれにインスパイアされたエッセイをつづる、というエッセイ集。お友達の幅に、小林さんがいらっしゃる世界の面白さを感じるし、選書がまた、「これがきますか、選者さんらしいけど」というテイスト全開でにやついてしまう。
それに対する小林さんのお答えとなるエッセイは、インタビューなどで見る素の小林さんそのままの言葉づかいで、わりあい淡々と進む。「読まされ」だからというイヤイヤ感はないのだが、批評的な態度というか、なかなかクールである。感想を求められて気のない返事をするのではなく、やんわり収めている感じもするが、それはそれでいい。「読まされ」なんだから。
自分の周りの読書も、考えてみれば「読まされ」が多い。仕事で読む資料本はもちろん、友人知人からのおすすめも、出版社の新刊案内も、書店のレイアウトも言ってみれば「読まされ」感がぬぐえない。そうだとすれば、自分で選んで読んでいる本なんてあるのかしかし、とぼんやり考えてしまう、ある種の本質を突いてきた本でもあった。
「図書室」をタイトルにいただくとおり、ブックデザインに凝ったところも可愛く、おすすめの1冊。 -
女優の小林聡美氏が、皆川明、井上陽水、よしもとばなな、群ようこ、長塚圭史、酒井順子や謎の小学生などが薦めた本を読まされ、それについての感想(?のようなもの)が書き綴られている。
皆それぞれに、独特な本を推薦している。
一冊も読んだことのある本は無かったが、いくつか読んでみたいと思う本があった。
小林聡美の文章も独特で、少しだけ小説のような文体が出てくるのだけれど、それがすごく面白い。
エッセイだけではなく彼女の手になる小説も読んでみたい。
中盤にあるよしもとばなな氏との対談の中で、よしもと氏が、自己啓発本やビジネス書を景気がいい本と思って読んでいるというのは興味深かった。
前のめりになって読んでしまいそうな類の本を、少し引いて読むというのも大切だ。 -
好き勝手に持ち込まれた本を読んでのエッセイ。知らない本が、知らない世界がそこにはありました。
その中で読みたくなった本もたくさんあります。
恐る恐る覗いてみたい本もあります。
普段コミックは読まないけど、ちょっと読んでみようかなぁ。 -
小林聡美さんが14人のご友人から推薦された本を元に生まれたエッセイ。ご本人曰く、送り込まれる数々の難球を打ち返してきた、汗と涙の記録でもあるそう。
確かに、自分の好きなものばかり読んでいたら視野が狭くなる。私自身は、聡美さんと同じく、今はそんなときなんだろうなぁと思ってそうさせてもらっているが、面白い試みだと思った。
薦める本を選ぶとき、その人のことを想う。薦められた人は、本と一緒に想いを受け取る。想いに答えようとする。そして本にはぬくもりが積もっていく。 -
小林聡美さんが周りの方達から紹介された本を読んで描いたエッセイ。こういう本の紹介本って、読書欲を刺激しますね。ここに出てきた本のいくつか(特に「十皿の料理」とか「股間若衆(すごい名前。笑)」を実際に読んでみたくなりました。
本っていい。どういいのか?と聞かれるとうまく答えられませんが、、、。今まで読んできた本は私の性格形成に結構影響を与えてきたと思います。本なんて読まなくても立派で魅力ある人もたくさんいますが、私には本が必要。だからこういう本の紹介本は自分の幅を広げてくれる。 -
ミニコメント
他人から推薦された本を読んでみた、読まされ本のエッセイ。なぜこの本を推薦?ということも含めて、面白い。
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/593724 -
これもずっと読みたかった一冊。
小林聡美さんにいろいろな人が本を薦めて、その本の感想が書かれた本。
紹介している方々が豪華。登場する本は普段手に取らないものがほとんど。「読まされ」ってタイトルにはちょっと気が進まないけど、というようなネガティブな印象がある。それでも読まされなかったら出会えなかった本がいっぱいあるなと思った。読まされるのもおもしろいね。