育てる力

著者 :
制作 : 小松 成美 
  • 宝島社
3.92
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本棚登録 : 276
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800280374

感想・レビュー・書評

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  • 栗山監督の本です
    大谷翔平との話もありますがやっぱり中田翔との関係が刺さります。
    これだけ期待してもらって目をかけてもらって。
    ファンを見てなかったんやなと思います。
    栗山監督も言い続けてたと思いますが届かなかった。

    僕はまだ一緒に先を見たいと思う部下に出会ってないです。
    ただ一緒に仕事したいと思う部下はきっと現れるんやろなと思います。
    その時に栗山監督と中田翔みたいな関係になれるのかなと思いました。
    中田翔を暴力事件で巨人に放出した断腸の思いはとてもよくわかります。

    そういう意味で近いのは娘と息子かなと思います。
    僕は2人のファンです。
    良い道に進む伴走者でありたいと思っています

    論語と算盤はもう一度読み直す必要があると思いました。

  • 埼玉県の星、渋沢栄一の論語と算盤を辿り巡り合った一冊。

    栗山監督の暖かさとストイックさがにじみ出る、指導者の学びと行動の芯。最良の選手は、最良のリーダーとの出会いによって育つんだなとしみじみ。

    「未だ徹しきれず、未だ到達できず」未徹在の哲学!

  • 考えさせられた、そして覚えておきたい言葉たち:
    ⭐️本を読むことは、すなわち自分を作ることだ。そこにある哲学や経験を自己の行動に反映することができるのだから(71)

    ⭐️学び続けていたら、何歳でも成長できることを忘れない(57)

    ⭐️苦しい時しか、知恵は生まれない(46)

    ⭐️見えない未来を信じろ。人はなぜ見えないものを否定するのか。どうして、そこにあるかの可能性を信じないのか。特別な才能の炸裂を待ち望まないのか。(180)

    ⭐️大谷翔平は壁や仕切りや天井のある場所においてはならない(182)
    ※人の才能や価値を、勝手に決めたり変えたりしてはいけない

    ⭐️一生懸命に野球をしなさい。そして全力で失敗しなさい。(193)

    ⭐️本だけは好きなだけ買いなさい(216)
    ※自分が将来子どもを持った時に、絶対に口にしたい言葉

  • また素晴らしい本に出会うことができて本当に感謝の気持ちで、いっぱいである。
    元々は、渋沢栄一「論語と算盤」を栗山監督が選手に配っているときき、随分と前に買っておいた本だった。
    今回のWBCで、これは読まねばと探し出して読み感動の連続に、感動の気持ちしかない。
    栗山さんの人柄、生き方、考え方の凄さに、心からの共感と感動を覚えた。
    私も栗山さんのように生徒と接して行こうとという思いを新たにした。
    小松さんのあとがきに「私はリーダーや若いビジネスパーソンにこの教えを伝えたい。この教えを皆が知れば、日本の未来は必ず輝くと思います。」とある。その通りだと思う。
    私も教師として死ぬまでこの教えを伝えて行きたい。
    2023年現在。大谷翔平は、メジャーで大活躍し、生きる伝説としての自分を世界中に見せつけている。
    コロナ禍、ウクライナ戦争と暗い世の中にあって、大谷翔平の活躍が、どれだけ人々の心に光や希望を与えてくれたことか。
    大谷翔平の輝きは、自身の素晴らしさによるところも大きいのは当然だが、父親を始めとする周囲の人間、特に二刀流を共に夢見た栗山監督の存在は大きかった。
    大谷翔平の目標達成表の中に「論語と算盤」が付け加えられた。素晴らしいことだと思う。
    渋沢栄一、栗山英樹、大谷翔平。こんなに素晴らしい人物が生まれた日本に誇りが持てる。
    私も日本のため、世界のために努力を続けて行こうと思う。

  • 日本ハムファイターズの監督を長く務めた栗山監督の監督時代の考えや何を元に物事を決めてきたのかをまとめてある本。栗山監督の基本的な指針は、渋沢栄一の『論語と算盤』。日本ハムの若手の選手にも渡しているそう。栗山監督には堅実であるが挑戦的な面がある監督と感じていたが、その行動のそこには渋沢栄一の教えがあったことを知ることができた。実際に『論語と算盤』を読んでから読み直してみるとより一層共感できるかもしれない。

  • 栗山監督の本は2冊目。
    折に触れ栗山さんが「論語と算盤」に並々ならぬ想いをお持ちなのは心得ておりましたので、新たな発見というよりは、ざーっと確認、みたいな気持ちで読みました。

    栗山さんが読み込み、読み返し、咀嚼して、いかしているあれこれが書かれています。「使い方の例」とすると分かりやすいかもしれません。
    なので、生きていく指針としてのものを求める場合は、やはり原書を読むのが良いでしょう。論語と算盤でも、さらに遡って論語でも、読みやすく触れやすいほうを選べば良さそうです。

    私を滅して他に尽くす姿勢(監督だと日ハムですね)、そこまで熱い気持ちで何かをなしたことがありませんので、本当に感服します。スポーツする人だとわかりやすいのかな。善く生き、自分とも対話をしながら出会いを楽しみたいと思います。

  • 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉のとおり、栗山監督は賢者である。だから好きなんだよなぁ。ビスマルク良いこと言うなぁ。

     北海道日本ハムがどうして育成がうまいのか。育てているからじゃない。選手自身が育つから、育成が成功するのである。

     その秘訣が歴史に学べる。日本資本主義の父である澁澤栄一から学べるのだという。オオターニサーンはこの本をもって渡米したらしいが、この本はどれだけ彼を救ってくれるのか。


     前々から冗談半分で日本ハムは牧畜業だから、選手を育てるのがうまいと言ってきた。経済動物の扱い方をよく考えている。それは利益追求という意味では全くなくて、価値の提供という視点で、育成をする哲学があると思えるから。牧畜業との関連もあながち冗談でもないのだと思う。
     畜産業は生命を売っている。機械、工場的に命を大量生産すれば利益は増える。でもそうやってストレスフルに育てた経済動物たちは、味が落ちて価値がどんどん下がっていく。食品製造で大事なのは、「価値の提供」ということを忘れてはいけない。おいしいものを売って儲けるから意味があるのだ。安かろう、まずかろうで儲けても意味がないのである。
     これは人材育成も一緒である。プレッシャーで鞭打って必死に働かせて、労働生産を向上させる。そんなストレスフルでしごいた人材が、生き生きとしたプレーをして活躍してくれるのか。いや、しない。内発的動機付けのないプレーでは、自分の限界を突破した結果は残せない。
     日本ハムという球団は、選手一人ひとりが最もおいしくなるように、こだわって育成している。餌にもこだわっている。本という心の栄養を十分に与えて、心身ともに大きく育つようにしている。
     その心を育てるこだわりの餌が『論語と算盤』なのである。

     そんなことは書いてないけど、そんなことを考えてしまった。ファイターズは奥が深い野球チームである。


     ファイターズは心の放牧をしているんだ。選手たちがのびのびと活躍できるように、心を育てている。どこかのウサギや虎の球団のようにプレッシャーによる締め付けでコントロールされないようにしている。


     p206からの栗山さんと渋沢さんの対談が面白い。

     「論語と算盤」だから良い。「●●か□□」だと、選別するだけで新しい何かは生まれない。「●●と□□」は組み合わせる。一見まったく混ぜられないものでも、創意工夫でうまく組み合わせて新しい何かを創造できる可能性がある。
     論語と算盤もそうである。道徳観と経済をうまくコラボレーションさせたその先に、深い哲学が生まれた。この「と」の字を大事にすべき。という発想は、良い。

     大谷翔平も「投手と打者」である。これをコラボさせたら、ものすごい価値を生み出せる。実際、日本では大活躍した。MLBでは。楽しみでしょうがない。
      
     「宿命と運命」のちがいとは。
     渋沢さんは、「宿命は宿った命だから変えられない。でも、運命は運ばれてくる命だから、変えられるはずなんです。じゃあ誰が運んでくるかっていうと「人」が運んでいるんですよ。出会いなんてまさにそうですよね。」 と言った。
     これいいな。運命は変えられる。人事を尽くして天命を待てば、運ばれてくるものは、変わるだろう、ってことだ。



     「コラボレーションとコクリエーション」
     渋沢栄一は資本主義の父と呼ばれるが、彼は資本主義のことを「合本主義」と訳していた。
     資本主義とは、資本を元手に資産に投資して価値を大量生産するということである。それはブルジョワが独占するみたいなイメージがあるが、そうではなくて、てんでんバラバラになっているお金を一か所に集めて、大きな装置を作って、より良い価値をたくさん生産することが、社会全体でみればよいのだということである。
     庶民がちまちま金をたんす貯金しても、だれも巨大な工場は作れない。でも、銀行に貯金して、銀行が集めた金で資本提供して巨大工場を作れば、製品が作れるし、雇用が生まれるし、需要を満たせる。
     このように小さな力を集めるシステムを作ることが大事なのである。それが合本主義だという。
     これはコラボレーションとコクリエーションの精神ということである。日本ハムもこれを大事にしている。選手にいろんなポジションを守らせて、技術を向上させているし、いろんな打順を組み合わせられるようにしている。最大のコラボは大谷翔平の二刀流だろう。
     こんなところにも澁澤栄一の精神が見え隠れ。

  • 栗山英樹監督が、愛読書としている渋沢栄一の「論語と算盤」をどの様に解釈し、自分の言動に移しているのかのエピソードを著した一冊です。かねてから、栗山監督の言動に感銘を受けていたので、その言動が「論語(道徳)」と「算盤(経済)」を基にしているということを本書にて知ることができ、渋沢栄一の「論語と算盤」を読んでみたいという読書欲が湧きました。巻末には、渋沢栄一の玄孫である渋沢健さんとの対談もあり、これもまた興味深いものがあります。

  • 大谷君が大活躍しているこの時期に読むと、栗山監督の采配がいかに優れていたのかよくわかります。
    監督自信がヤクルトの選手だったころのエピソードを読んで涙が出てきました。
    野球ファンではない方にもオススメ。子育てにも役立つ本だと思います。

  • 不安や迷いこそが勇気を生み、挫折こそが人の力を育み、敗北という手痛い経験こそが叡智を授け、決して曲がらぬ志こそが勝利をもたらす

    グッときた。人生のバイブルになるかもと線を引きながら、読みたい1冊

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著者プロフィール

1961年4月26日、東京都小平市生まれ。小平二中時代はバレーボールに熱中。その後、創価高校時代にかけ、野球でエースかつ主砲として活躍。東京学芸大学進学後、教職を目指して教員免許を取得。学芸大卒業後、入団テストを経てヤクルトスワローズに入団。1984年には1軍に昇格し、1989年に外野手としてゴールデングラブ賞を受賞。しかし、1990年のシーズンを最後に、怪我や病気のために引退を決意。引退後は野球解説者やスポーツジャーナリストとして活動する一方、白鴎大学の教授も務めた。2011年11月には北海道日本ハムファイターズの監督に就任し、監督1年目でパ・リーグ優勝。2016年には2度目のリーグ優勝と日本一を達成、正力松太郎賞を受賞した。2021年4月10日には球団監督歴代最多となる632勝を達成したが、2021年シーズンで日本ハムの監督を退任した。2021年12月からは野球日本代表監督に就任し、2023年には14年ぶりに日本をWBC優勝に導いた。

「2023年 『栗山英樹29歳 夢を追いかけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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