証言 「橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退!」の真実

  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800293633

感想・レビュー・書評

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  • 1988年12月。
    「ペレストロイカ」に沸くソビエト連邦に、「燃える闘魂」アントニオ猪木がレスラーのスカウトのため弟子の橋本真也らとともに訪問。

    同時期にグルジア(現ジョージア)で開催されていた世界柔道選手権に出場していた小川直也は、猪木とともに後に宿命のライバルとなる橋本とも出会いを果たす。

    橋本は、IWGPヘビー級チャンピオンとして当時の歴代最多防衛記録を更新。

    小川は、1992年バルセロナ五輪で銀メダル。
    1996年のアトランタ五輪後にプロレス転向を表明する。

    1997年4月12日。東京ドーム。
    プロレスデビュー戦で小川は橋本を撃破。

    翌月、大阪ドームの再戦では敗れるも1999年1月4日の3度の一騎打ち。

    無効試合となるも、実質的な小川のノックアウト勝ちだった。

    同年10月11日東京ドームでの対決にも敗れた橋本は、選手生命をかけて最後の小川との対戦を決意。

    「橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退!スペシャル」として、東京ドームでの一騎打ちは、ゴールデンタイム生中継として全国放映。

    そこでも橋本は敗れ、一度はリングを去った。

    二人の5度闘いはすべてがドーム球場。20世紀最後のビッグカードでもあった。

    その後復帰を果たすも、新日本プロレスから解雇。

    新団体を立ち上げ、究極の闘いを繰り広げた小川とはタッグパートナーとなる。

    そして、波乱番長のプロレス人生は突然幕を下ろすことになる。

    2005年7月11日。
    脳幹出血のため逝去。
    享年40。

    太すぎて短すぎる人生だった。

    「僕は『結局、誰がいちばん強いんですか?』って聞かれた時、橋本真也だと答えます。理由を聞かれた時には、こう言います。『だって、橋本は、立ち上がるから』『いちばん強いのは、勝ったヤツじゃない。負けても負けても、何度でも立ち上がるヤツがいちばん強い人間なんだ』と言います」(勝俣州和。逝去の直前まで橋本とは親交があった)

    破壊なくして創造なし。

    破壊王の魂とその笑顔は、ファンの心に永遠に生き続ける。

  • 新日の営業にいた人達が結構暴露してて、プロレスラーは当たり障りのない事を発言していると感じた。これはレスラー本人がブックを暴露できないから仕方が無いとも思うが。

  • 面白かった

  • ゼロワンがスタートしてから潰れるまでの流れを知らなかったので良くわかった。

    性格的にどうやっても新日本に居続けることは無理だったと思うし度重なる浪費も絶対にしていただろうし運命は変えられなかったのかな、と

    勝俣さんのパートは涙無しでは読めない。
    「負けても負けても立ち上がる人間が一番強い人間」

  • 宝島「証言」シリーズ最新作。
    前回の「1.4」に続き、「晩年の橋本真也」にスポットを
    当てた企画本。99.1.4以降、新日本退団前後から逝去ま
    での間に橋本に関わった人たちの証言集となっている。

    読後ただただ思ったのは、橋本真也というプロレスラー
    の稀有な存在感。お世辞にもルックスは良くないし、大
    事な筈の試合ではコロコロ負けたし、オンナ関係もよろ
    しくない噂の飛び交う人だったのに、おおよそのプロレ
    スファンは未だに強烈な印象を持っている。豪快で、無
    茶苦茶で、見るからに強そう、という、最近ではほぼ存
    在しなくなったタイプのプロレスラーが、もうこの世に
    居ない、という事実が悲しくてならない。そんな思いが
    新たになるような、印象的な証言集に仕上がっている。

    今回インタビューに応えた人物の中に、当時の新日本プ
    ロレス社長だった藤波辰爾の名前があるのがポイント。
    「優柔不断」と一刀両断されることの多い藤波だが、あ
    の時期の新日本で社長をやった場合、優柔不断にならざ
    るを得なかったのではないか、という同情心が。まぁ、
    元々僕が藤波信者だというのも大きな原因なのだが(^^;)。

    もし「証言」シリーズがもう一度橋本関連の本を出すの
    であれば、次回は小川直也とアントニオ猪木を引っ張り
    出すべき。特に小川のコメントが取れれば、このシリー
    ズは「傑作」として後世に名を残すと思う。

    なかなかの良作。宝島のこの路線、凄く良いと思います!

  • 新日本を解雇された橋本真也は
    新団体「ZERO-ONE」を立ち上げるに当たって
    「破壊なくして創造なし」という言葉を座右の銘に置いた
    それがどこから出た言葉なのかは知らんが
    案外「勇者王ガオガイガー」かなんか見て思いついたのかもしれん
    古いシステムと共に同じ歴史を繰り返すのではなくして
    闇雲のようでも、勇気とともに新世界を作ろうとする意思表示である
    良い言葉だ
    しかしながら「破壊なくして創造なし」
    サルトルの実存主義をどことなく臭わせもするその言葉には
    一つの落とし穴があった
    必ずしも、破壊のあとに新たな創造が生まれる保証はないのである

    猪木流の、スキャンダルを物語に変える方法論で小川と和解した橋本は
    ZERO-ONE旗揚げにNOAH勢と永田裕志を招き
    非常にダイナミックな成功を収めた
    しかし数年で息切れをし始める
    橋本じしんはコンディション不調を旗揚げ前からずっと抱えていたし
    選手たちに支払うギャラの高額維持というポリシーも善し悪しであった
    この本では取り上げられていないが
    企画会社の甘い見通しが原因で宣伝どころか前売りの販売ができず
    散々な客入りに終わった「OH祭り」なんて大型シリーズもあった
    冬木弘道の死を、ビッグマッチの電流爆破につなげるあたりは
    まだ良かったんだけど
    それが結局は、橋本の不倫スキャンダルと浪費を招き
    創造どころか、破壊した屋台骨を売り払っているような状態に陥った

    前田日明は、自分より下の世代について
    「本当の物語」を持っていないのだという
    まあそれも間違いではあるまい
    やることはだいたいやり尽くされて
    ポストモダンがもてはやされる時代のレスラーならばそうもなろう
    だから会社に与えられた「闘魂三銃士」というパッケージを
    身にまとうしかなかった、という
    しかし無論、生きた人間が歩めばなにかしら足跡は残るわけだ
    それをアイロニーと捉えたとき
    橋本真也が、一つの物語を自ら作り上げたことについて
    前田も認めないわけにはいかなかった
    悲劇だったにせよ、である

  • 短期間で似たような本を出しやがる宝島社。
    インタビューした人間もかなりかぶってる。
    小川橋本戦のあとの橋本小川に焦点がやや移動。
    小川橋本戦の結末は全部決まってた。1.4はノーコンテストで決まってたし、即引退SPでは橋本負けで決まってた。決めたのは猪木。

  • 『1999.01.04』の小川対橋本とその後について周辺の選手や関係者が語った一冊。

    もう既に出がらしかと思えたが、まだまだたくさんの知らない情報があって面白かった。

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著者プロフィール

1959年大阪府生まれ。幼少期より、少林寺拳法や空手を習う。1977年に新日本プロレスに入団。その体格と格闘センスの高さから将来を嘱望され、移籍した第一次UWFに至るまであらゆるリングで伝説の戦いを繰り広げた。
新日本プロレスに復帰後はアンドレ・ザ・ジャイアントらと名勝負を行い、「新格闘王」と呼ばれる。
第二次UWFを旗揚げすると、社化現象とまで言われるほどのUWFムーブメントを巻き起こす。UWF解散後は総合格闘技団体RINGSを創設し、総合格闘技ブームを牽引。
引退後はRINGSのみならず、HERO'Sスーパーバイザーを務め、現在はThe Outsiderをプロデュースしている。
読書家、刀剣鑑定家、骨董収集家としての側面も持ち、知識も豊富である。著書には「格闘王への挑戦」(講談社)、「無冠」(集英社)などがある。

「2021年 『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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