木曜日にはココアを (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
4.06
  • (2060)
  • (2334)
  • (1246)
  • (176)
  • (36)
本棚登録 : 25032
感想 : 1955
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800297129

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一杯のココアから始まる、東京とシドニーをつなぐ12の物語…って、最近似たようなフレーズを書いた。そう、先日読了した『月曜日の抹茶カフェ』の感想の書き出しと同じ。こちらの作品のほうが先に書かれているが、つながる先がシドニーだったため、あまり物語の中に入り込むことができなかった。舞台が海外となると、風景を想像しにくい、ということが原因。海外作品を敬遠する所以。

  • 青山さん初読です。

    ココア飲みたくなります。

    同じ言葉だとしても人によって解釈や感じ方が違ったりする。相手のことを想ってのことであれば伝わる。などなど、優しい気持ちになれました。

    好きな場所で元気になれる事もある。
    最後の章は、微笑ましい気持ちになれた!!

  • 今回も癒されました。こんなカフェがどこかにないかなぁ。通い詰めるんだけどなぁ。

  • 川沿いの桜並木の側に佇む「マーブル・カフェ」で提供されるココアから始まり…その思いはシドニーに…そして別視点からの「マーブル・カフェ」でのココアにもどる…12編の短編にはそれぞれ色づけされていて、登場人物はみなその日その日を精一杯生きている…。

    心に残った作中のフレーズ
    ・「…愛そうと決めて愛するものではないからね。愛は本来、すこぶる自由なものよ」
    ・「…正しい謙虚さというのは正しい自信だし、本当の優しさは本当のたくましさじゃないかしら。」

    参ったなぁ~「月曜日の抹茶カフェ」読み返したくなっちゃった!でも、「月曜日の抹茶カフェ」は図書館からまた借りなきゃ…って思えるほど、引き込まれて気持ちがあったかくなりました。あと、シドニーに咲くジャカランタ、これ見てみたい!!ちょっと調べてみたら、キレイな優しい薄紫色の花でした。やっぱり青山美智子さんの作品っていい!!

  • 青山美智子さん、大好きな作家さんになりました。
    初めて読んで、こうした心温まる作風を求めていたんだな、と気付くぐらい心にスッと入って涙が出た…
    題名の「ココア」から、12色の色をテーマに短編集が繰り広げられるところもオシャレ。1話完結だけれど、もっともっと、と読んでいくと、それぞれのストーリーから共通項がちらほらあって、実は一つの大きなストーリーだったりする。
    その世界観がたまらなく好き。

    仕事で昔何度か行ったシドニーの写真を見返したり、ジャカランダの花を調べたり…新しいものに触れられる所も本の良いところだなぁと再確認。


    どの"色"も良くて、これが1番って選べないな…



    「辞めちゃおうか、幼稚園。行ってみようか、オーストラリア」

    「赤い糸。それは、小指と小指をつなぐたよりない一本のことではなく、互いの体の中をかけめぐる血のことなんじゃないだろうか」

    「私はただ、約束の日を楽しみにしながら生きていよう。マコが再びシドニーに来て一緒にジャカランダを見たら、また次の約束をしよう」

    • さてさてさん
      りここ✈︎さん、こんにちは。
      青山美智子さんにすっかりハマっております さてさてです。
      “心温まる作風”、おっしゃる通りだと思います。特...
      りここ✈︎さん、こんにちは。
      青山美智子さんにすっかりハマっております さてさてです。
      “心温まる作風”、おっしゃる通りだと思います。特にこの作品は、ぐるっと一回りして結末に至った時のなんとも言えない幸福感は、たまらないものがありました。それもあって続編の「月曜日の抹茶カフェ」は刊行予定を知って、まだかまだかと待ち構えて発売日に読んだ初めての作品になりました。りここ✈︎さん、青山さんの作風お気に入りになられたのであれば、是非「木曜日にはココアを」の記憶が鮮明なうちに続編を読まれることをおすすめします。和風テイストないい塩梅の世界が楽しんでいただけると思います。
      いずれにしても「木曜日にはココアを」は私にとってとても大切な一冊です。”その世界観がたまらなく好き”と、書かれたレビューに思わずコメント反応してしまいました。
      2021/09/23
  • すごく心温まる話です。
    ほんの些細なことが誰かの支えになっていて、少しずつ重なって収まるところに収まった感じの話です。
    劇的な盛り上がりがあるわけではないのですが、どこか感情移入できてとても読みやすかったです。
    「マスター」が謎めいていてとても気になりました。

  • 積読をようやく。本屋で見かけてかわいい表紙とタイトルが気になっていたもの。
    全体にゆるく繋がりのある12篇の小さなストーリーからなる本。東京とシドニーが舞台で、それぞれテーマカラーがサブタイトル的についている。

    それぞれの出会いがみんなどこかで繋がっているということ、気付かないうちに人を救ったり救われたりすること、好きな場所にいることが元気をくれること、願いは思ったときに果たすこと、などあたたかい物語。誰も不幸にならないし、ゆるっと読むのに良い本だった。一つひとつは短いので隙間時間に読むのに良さそう。

  • 12色のテーマカラーの12章のおはなしの登場人物どうしの接点があり、最終章は始めに戻る。
    繋がりを辿っていけば、きれいなマーブル模様を描き一つの壮大な絵のようだ。
    人は人と繋がって生きていることにあらためて想いを馳せる。
    「知らずのうちに、どこかの人生に組み込まれている」そのご縁を大切にしたいと思った。
    人の善の部分に眼を向けたおはなしは、優しい人たちの想いがじんわり心をあたためてくれた。

  • 人は、出会うべき時に出会うべき人に出会える。と聞いたことがある。


    川沿いの桜並木のそばに佇む「マーブル・カフェ」を起点とする、東京とシドニーをつなぐ“12色”の物語。
    何気ない一言が、行動が、登場人物を救う。
    登場人物一人ひとりが、それぞれ絶妙なタイミングで絶妙な言葉をもらって、前に進んでいく。
    登場人物はみんな優しくて素敵で、良いなと思える人ばかり。

    言葉・行動がこんなに人を救えるのか、とその影響力に感動したけど、それと同時に、言動に気をつけなければと気を引き締めさせられた。

    1話20ページくらいの話がたくさん集まっているから、気持ちを入れて読めるかどうか心配だったけど、1冊を通してひとつの物語としてちゃんと楽しめた。すべて繋がっていって、パズルがはまるみたいな達成感?充実感?が得られる。どの話もとても素敵で心あたたまる。
    「のびゆくわれら」は、なんだか『子どもたちは夜と遊ぶ』の月子を思い出した。マニキュアを落とし忘れた幼稚園の先生。
    (「きまじめな卵焼き」は個人的にいま読めて良かった話。これも出会いだ。)


    「でも考えてみたら、多かれ少なかれ、誰もが誰かにとってそういう存在なのかもしれない。きっと知らずのうちに、わたしたちはどこかの人生に組み込まれている。」


  • いやぁ、すごくいい。

    この作品、この作家。

    数ヶ月前、初めて読んだ青山美智子さんの小説、「赤と青のエスキース」のように。

    魂を丸ごと揺さぶられてしまった。

    僕は青山さんの作品をまだ2冊しか読んでいないが、

    今後おそらく全作買い集めると思う。

    朱川湊人さん、原田マハさん、岡嶋二人(井上夢人)さんと同じように。

    朱川さん以外は、ブクログで知り合ったフォロワーさんのレビューがきっかけで読むようになった。ありがたい。

    昨日、今日と続けてこの本を読んだ至福のひととき。

    BGMに、昨年初めて知った歌手の一番好きな曲をかけていたら、癒され感が更に。

    慈しむような、包み込むような、メロディと歌声。

    普段、静かな状態で読んでいるが、たまにはこういうのもいいかな。

    ♫ 今を生きる 具島直子

    • shukawabestさん
      ひろさん
      ありがとうございます。今後もこの酔っぱらいめをよろしくお願いします。『泰子』も『理沙』も『進一郎』も『輝也』も、そしてちょい出の『...
      ひろさん
      ありがとうございます。今後もこの酔っぱらいめをよろしくお願いします。『泰子』も『理沙』も『進一郎』も『輝也』も、そしてちょい出の『尋子』の出させ方も僕にとってはたまりません。それではまた・・・。
      2022/10/29
    • さてさてさん
      ひろさん、いえいえ、気を使わせてしまってすみません。
      女性作家さんの全作品読破でブクログ卒業という、数十年、数百年かかっても10000%絶...
      ひろさん、いえいえ、気を使わせてしまってすみません。
      女性作家さんの全作品読破でブクログ卒業という、数十年、数百年かかっても10000%絶対無理なのはわかった上での酔っ払いのような戯言ですが、これからもコツコツと頑張ってまいります。

      shukawabestさん、ひろさん、今後ともどうぞよろしくお願いします。楽しい読書でまいりましょう!
      2022/10/29
    • shukawabestさん
      ありがとうございます。さてさてさんもひろさんも。いろいろと僕が毎日を過ごすなかで大きな楽しみと励みになっています。これからもよろしくお願いし...
      ありがとうございます。さてさてさんもひろさんも。いろいろと僕が毎日を過ごすなかで大きな楽しみと励みになっています。これからもよろしくお願いします。
      2022/10/29
全1955件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1970年愛知県生まれ。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国し、上京。出版社で雑誌編集者を経て、執筆活動に入る。第28回「パレットノベル大賞」佳作を受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が、第1回「宮崎本大賞」を受賞する。『お探し物は図書室まで』で2021年「本屋大賞」2位に、『赤と青とエスキース』で2022年「本屋大賞」2位に選ばれる。他の著書に、『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』(U-ku氏との共著)『月の立つ林で』『リカバリー・カバヒコ』等がある。

青山美智子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
凪良 ゆう
辻村 深月
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×