もどってきた鏡 (フィクションの楽しみ)

  • 水声社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801003620

感想・レビュー・書評

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  • フィクションと自伝が交錯し倒錯する不思議な書物。
    そしてかつて(本作にも登場する)ロラン・バルトが論じたプロレスのようだ。ここまでがフィクションで、ここまでが事実だ、それを言っちゃあおしまいよ、というのがプロレス。本書にもそれと似た魅力がある。読むかぎり、いかにもフィクションだと思われる部分よりも、自伝だと思われる部分のほうがよほど不穏であるのが本書の特徴。
    だって、この夫婦関係、明らかにおかしいでしょ、と思って他の文献を調べたら…
    しかしこれもまたフィクションかもしれない。永遠の、入れ子構造。戻ってきた鏡。この不穏なタイトルが的を射ていてすばらしすぎる。

  • ロブ=グリエの『自伝的小説』。
    果たしてこの著者が書いている事柄を、そのまま受け取るべきなのか、所謂『信頼できない語り手』と見做すべきなのか……? 一見すると物凄く『普通』の小説に見えるのが、益々、謎を深めて行くのであった。
    そういえば『反復』の新装版ももうすぐ刊行だな〜。

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